現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > F1マシンの『軽量化』のため、塗料は最小限。最低重量を下回ることでバラストも使用可能に

ここから本文です

F1マシンの『軽量化』のため、塗料は最小限。最低重量を下回ることでバラストも使用可能に

掲載 5
F1マシンの『軽量化』のため、塗料は最小限。最低重量を下回ることでバラストも使用可能に

 これまでに発表された2024年仕様のマシンを見ると、色の数が比較的少なく、黒い部分が多くあることに気づくだろう。カーボンファイバーが塗装で覆われておらず、地の面が見えるのだ。確かに、ステークF1の新しいマシンには独特のグリーンが使われ、アルピーヌの新マシンにはピンクとブルーの部分が多くあるが、そのような印象的な色のマシンでさえ、ボディワークの大部分でカーボンファイバーが露出している。その理由はただひとつ、軽量化にある。

 F1の技術者によって、マシンが1kg重くなるごとにラップタイムが0.03秒以上増えるということが長年かけて確立されてきた。フィールドがどれほど拮抗しているかを考えると、このようなわずかなパフォーマンスの低下でさえ、予選Q1またはQ2を通過できるかどうかの違いを生む可能性がある。したがって、上層部からは塗料の使用を最小限に減らすよう指示が下りていた。

【ギャラリー】アルピーヌF1 2024年型マシン『A524』カラーリング

 この傾向の始まりに、チームがニス塗装を放棄し、より軽量な合わせ塗料を選択していたということなら、今では誰もが極端な方向に向かっている。あらゆる種類の塗料の使用を必要最小限に抑え、カーボンファイバーを最大限に露出してマシンを走らせるのだ。

 マシンをできるだけ軽くして走らせようとするもうひとつの理由があり、これもパフォーマンスの向上に関連している。マシンの重量が最低重量を超えていると、バラストという重要なセットアップツールがひとつ失われる。マシンのアンダーフロアにウェイトを置くことは、チームやドライバーの好みに合わせてバランスを変更する最も簡単で安価な方法だ。というのも、理想的な空力面および機械面のセットアップを維持しながら、数kgを追加することでマシンのハンドリングを調整できるからだ。たとえば、もう少しアンダーステアを起こしたい場合は、マシンのフロントエンドに追加する。

 チームはまた、マシンの色などまったくパフォーマンスをもたらさない領域の重量を可能な限り削り、マシンパフォーマンスを生み出す部品を使用できるようにしたいと考えている。その完璧な例として、アルピーヌF1チームのテクニカルディレクターであるマット・ハーマンは、A524のリヤサスペンションを再設計し、より強力で重くしなければならなかったと説明した。なぜならエキゾーストはプレッシャーの低下を常に伴う曲がったものよりも、完全に真っすぐなものの方がパフォーマンス上の利点があるからだ。そのため現在エキゾーストはリヤサスペンションエリアの上部を通り抜けるようになっている。

 当然ながら、エキゾーストに非常に近くなったことで、高温に対処するために強化する必要があった。そこにウェイトを追加することは理にかなっている。なぜなら、ラップタイム面の不利益よりも、パワーユニットのパフォーマンスから得られる利益が上回っているからだ。いつものようにふたつのコンセプトの間でストップウォッチが決め手となった。

 しかし、ファンはそのような細かい点に興味はない。すべてのマシンに黒い部分が多すぎることについて、FIAに何らかの措置を講じるよう求める声が高まっている。すべてのマシンに黒が多すぎると退屈だと思われるだけでなく、ファンがテレビでレースを見ているときにすべてのマシンを区別するのが難しくなってしまう。昨年はハース、アルファロメオ、アルファタウリを混同することがよくあったが、今年は比較的似たカラーリングのマシンがさらに多くなっている。それはスポンサーにとってもあまり喜ばしいことではないのは確かだろう。

こんな記事も読まれています

ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
レスポンス
「えっ…ホント!?」マイ自転車に取り付ければ“電動アシスト化”! フル充電で約50kg走行する「P.Wheel」って何?
「えっ…ホント!?」マイ自転車に取り付ければ“電動アシスト化”! フル充電で約50kg走行する「P.Wheel」って何?
VAGUE
究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」実車公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」が置かれたイベントとは
究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」実車公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」が置かれたイベントとは
くるまのニュース
茨城県唯一の本格的石垣城砦「笠間城」に昂る!
茨城県唯一の本格的石垣城砦「笠間城」に昂る!
バイクのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「車中泊“特化型”軽バン」がスゴい! 超デカい2段ベッド×ちょうどいい感じの「シンプル仕様」! カスタムセレクト「コンパクトAS」どんなモデル?
全長3.4m切り! ダイハツ「車中泊“特化型”軽バン」がスゴい! 超デカい2段ベッド×ちょうどいい感じの「シンプル仕様」! カスタムセレクト「コンパクトAS」どんなモデル?
くるまのニュース
【ハーレー】カタルーニャサーキットでレース仕様ロードグライドのテスト走行を実施
【ハーレー】カタルーニャサーキットでレース仕様ロードグライドのテスト走行を実施
バイクブロス
えぇぇぇ!? 三菱製[軽スポーツ]が今めちゃくちゃ[アツい]って知ってた??
えぇぇぇ!? 三菱製[軽スポーツ]が今めちゃくちゃ[アツい]って知ってた??
ベストカーWeb
ダサカッコいいトヨタ「ハイラックス」はレトロ風味に味付け! ナンバープレート「1985」は自身の誕生年のほかにもうひとつ意味がありました
ダサカッコいいトヨタ「ハイラックス」はレトロ風味に味付け! ナンバープレート「1985」は自身の誕生年のほかにもうひとつ意味がありました
Auto Messe Web
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
WEB CARTOP
スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
くるまのニュース
一体なぜ? 自賠責保険への加入が必須の理由とは
一体なぜ? 自賠責保険への加入が必須の理由とは
バイクのニュース
これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
AUTOCAR JAPAN
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
motorsport.com 日本版
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
くるまのニュース
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス

みんなのコメント

5件
  • 藍流頓瀬奈
    航空機でも塗装をあえてせずにつやつやに研磨して耐候性を持たせたものがある。
    垂直上昇記録に挑む特別仕様の戦闘機(F-15ストリークイーグルなど)に見られるが一部旅客機も航空会社のロゴや機体番号など最低限の塗装しかしていない。
    スピードと共に燃費にも響くのだ。
  • sho********
    落とせるだけ落として
    欲しい部分にウエイトを載せるのは効果的
    アンダーカーバーの内側に鉛シート貼ったりして低重心化も出来る
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村