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セッション中のアルピーヌF1ガレージ潜入&ピレリ・ホットラップで緊張感をリアル体感【F1日本GP鈴鹿パドック通信/特別編】

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セッション中のアルピーヌF1ガレージ潜入&ピレリ・ホットラップで緊張感をリアル体感【F1日本GP鈴鹿パドック通信/特別編】

 年間20戦以上、世界を転戦するF1世界選手権では、毎戦、チームやサプライヤーがゲストをもてなすさまざまな企画や取り組みを行っています。そんななか、2023年F1第17戦日本GPを取材するべく鈴鹿入りを果たした編集部カワノはアルピーヌ・ジャポンの厚意により、ピレリ・ホットラップ、さらにはアルピーヌF1のピットツアー&ガレージウォークに参加し、F1のおもてなしを全身で体感してまいりました。

 今回は、2023年F1日本GP鈴鹿パドック通信の特別編と題しまして、ピレリ・ホットラップとアルピーヌF1ガレージ潜入の模様をお届けいたします。

ルノーCEOがアルピーヌF1の拠点を訪問。自身の信念や献身を表明し、チームを鼓舞したと海外メディアが報道

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 F1日本GPを取材するべく、鈴鹿サーキットに降り立った現場で偶然、ひょんなことからピレリ・ホットラップでアルピーヌに乗る機会を頂きました。これはもちろん、参加するしかないでしょう!

 今回参加した『ピレリ・ホットラップ』はレーシングドライバーが運転するスポーツカーに同乗し、レーシングスピードでのサーキット走行を実際に体感できるイベントで、2018年よりF1とピレリ、そして各自動車メーカー、F1チームの協力で2018年より開催されております。2023年の日本GPではアルピーヌのほか、メルセデス、アストンマーティンが協力し、計8台の車両で実施されました。

 ちなみに、ワタクシは鈴鹿サーキットに仕事で幾度と足を運んだ経験はあるものの、スポーツ走行をしたこともなければ、肉眼で西コースを目にした記憶がないという体たらく(汗)。なので、かなり楽しみになりましたが、事前に同乗車のドライバーは誰かということも明かされないため、直前まで結構不安もありました。いくらF1やピレリのお墨付きとはいえ、あまり知らないドライバーのナビシートに乗るとなると、少しねぇ……と。



 ただ、そんな不安はすぐに消えました。なんといっても、同乗車両のステアリングを握っていたのはジムカーナやGTで幾度と王者となった、あの山野哲也選手だったからです。なお、ピレリ・ホットラップのドライバーとして、エステバン・オコン(途中参加)、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌF1リザーブ)の姿も見えたほか、決勝日にはメルセデスのコックピットにミック・シューマッハーの姿も見えました。実に豪華です。

 さて、今回の『ピレリ・ホットラップ』はホームストレート上からスタート、国際レーシングコースを1周しスタート地点に戻るというルーティーン。そのため、ホームストレートを全開で駆け抜けることはありませんが、それでもとてつもない体験でした。



 今回搭乗した車両はアルピーヌA110。ミッドシップに最大252馬力を発する1.8リッター直4ターボを搭載しながらも、車重は1,103kgと軽く、まさにライトウエイトな1台です。軽く運動性能の高いA110なだけに、鈴鹿サーキットを走る多くのドライバーを魅了してきたセクター1の連続するS字は痺れました。

 特に逆バンクに至ってはなぜ、バンクの付いていないあのコーナーが逆バンクと呼ばれたのかがわかりました。登りながらアウト側にかかるGを感じると、車両のロール具合も相まってめっちゃ斜めに見えるんですよ。さらにスプーンカーブでは、山野選手の演出の技もあり、リヤの2輪を滑らせ斜め後方にかかる緩やかなGを体感。思わず顔がニヤけます。

 当然鈴鹿サーキットの国際レーシングコースを初めて1周した感動もありましたが、目にみえる景色がF1仕様ということにもいちいち感動してしまいました。なんだって、F1日本GPのレースウイーク中、同乗といえどレーシングコースを走れる人は限られています。また、鈴鹿サーキットはレノボのバナー(タイヤバリア等に貼られた幕)が貼られるなど、完全なF1仕様。そんな特別な場所で、特別な体験ができたのだから、同乗を終え、車両を降りてからもニヤニヤが止まりません。というか、自分以外にも同乗走行を終えたゲストやメディア関係者は皆、顔がニヤついていました。

 みんな口を揃えて「すげぇ」と。その一言に尽きる経験でした。F1サーキット、ピレリのタイヤ、アルピーヌをはじめとする高性能スポーツカーという環境で、F1ドライバーやレジェンドドライバーがステアリングを握る『ピレリ・ホットラップ』は、F1好き、クルマ好きなら1度は経験しておきたい夢を現実にするひとつの機会なのかもしれないと、そう感じました。

■セッション中のアルピーヌF1ガレージ潜入



 続いては、予選日に実施されたアルピーヌF1チーム主催のピットツアー&ガレージウォークの模様をお届け。普段はメディアも入ることはできないガレージ内、さらにフリー走行3回目のセッション中というタイミングも相まってということで少し緊張しながらガレージ入り。



 世界を転戦し、各国で多数のゲストを招くF1チームは、ガレージ内にゲスト用の観覧スペース『ビューイングエリア』を設けています。国際映像でガレージ内に元F1ドライバーや有名人が写ったら、だいたいここに立ってヘッドセットを装着した状態だと思います。

 ビューイングエリアはガスリー、オコンの車両の作業スペースの中間、パドック寄りに位置し、まさに目の前に車両があるという距離。もっといえば、アルピーヌF1リザーブドライバーのジャック・ドゥーハンがタイミングモニターを見つめるすぐそばという位置です。

 ゲストに対しては必ずヘッドセットの装着が求められます。ここではドライバーとチームの無線が国際映像等で放送されない部分まで聞こえるほか、ゲストに向け「まもなくエステバンとピエールがガレージに戻ります。もしエンジンカバーを外したら車両の写真は撮らないでください」といった感じのインフォメーションも流れます。

 チームの戦略や進めている走行プログラムに関する情報はビューイングエリアからは視認できないように配慮されていました。ゲストに対し比較的オープンなアルピーヌF1ですが、ここは徹底していた印象です。

 チーム首脳陣やレースエンジニア、ストラテジスト等はピットウォールスタンドに座るため、その表情は伺えません。車両がガレージを離れると、メカニックはガレージ内の清掃やタイヤウォーマーを畳んだり、ある程度落ち着いてからガレージ内に流れる走行映像やタイミングモニターに目をやるという感じ。予選に向け黙々とプログラムを消化するFP3だけあって絵的に大きな変化はありません。



 ただ、ここでしか見られない光景もありました。F1チームのガレージはどのサーキットでも清潔で、汚れひとつ見られません。それ故にF1が燃料やガソリンで汚れることもあるクルマだということも忘れてしまいそうになることもあります。

 そんな中、FP3中にガスリーの車両からはオイルが漏れ、ガレージ内の床がわずかに汚れました。そのわずかな汚れは、ワタクシの感覚としては「忙しいFP3が終わってから掃除すればいいや」レベルの小さな汚れに思えましたが、ガスリー担当メカニックは急ぎパーツクリーナーで洗浄し、床を綺麗に仕上げました。

 これは、ビューイングエリアにいるゲストを意識したのか、それとも国際映像や走行後に戻ってくるガスリーの車両のことを考えてなのかはわかりません。ただ、F1が世界最高峰のレースである所以を感じるシーンでした。

 FP3を終え、予選開始まで30分を切った中、今度はビューイングエリアではなく、ピットレーン側からガレージ内を見るガレージウォークに参加。ご案内いただいたのはアルピーヌF1でパートナーシップ・マネジメント部門の責任者を務めるルカ・マッツォッコ氏。エンストンにファクトリーを置くチームがベネトン・フォーミュラと呼ばれていた1996年からチームに在籍する古参のひとりです。

 予選まで30分を切るというなかなかなタイミングでしたが、このガレージウォークにはメディアだけではなく、アルピーヌのゲストのみなさんもいらっしゃったので、電気系統で仕様するワイヤーなどは航空業界のものを活用する、CFDのシミュレーションも週末ごとに活用し、1周につき300とおりのシミュレートを行うなど、F1の凄さをわかりやすく説明されていました。

 ガレージウォーク終盤、マッツォッコ氏は「F1は日々進化するから、僕たちも進化しなければならない。置いていかれないようにするのが必死だね」と語っていました。また、サプライヤーとのパートナーシップ締結も仕事にしているだけに、「サプライヤーもF1チームの速度感で仕事をする必要があるから、技術パートナーシップを成功させるのも簡単な仕事ではないんだ」という言葉も頭に残りました。

 アルピーヌ・ジャポンの厚意により、F1日本GPの貴重なおもてなしの一端を垣間見ることができました。今回ご紹介したピットツアーやガレージウォークはチームのゲストやパドッククラブパス購入者が参加できたり、ピレリ・ホットラップはパドッククラブパス購入者が別途購入することで参加できる場合がありますが、実施・販売の有無などはグランプリごとに変わりますので、F1エクスペリエンス等のサイトを確認していただければ幸いです。


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