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日本導入間近!スズキ初の量産BEV『eビターラ』初公開【新中期経営計画発表】

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日本導入間近!スズキ初の量産BEV『eビターラ』初公開【新中期経営計画発表】

2030年代前半に営業利益率10.0%以上を目指す

2月20日、スズキは2025~2030年度の新中期経営計画を発表した。発表会場には同社初の量産BEVである『eビターラ』をはじめ、さまざまな技術展示も行われた。

【画像】スズキ初の量産BEV『eビターラ』をはじめ、さまざまな技術展示を実施! 全20枚

2021年6月に現在の鈴木俊宏代表取締役社長を中心とした集団指導体制へと移行して3年半。スズキの経営状態は比較的順調といえるだろう。現在の中期経営計画は、為替や売上構成の改善、品質の改善等により、2024年3月期実績で、売上高は5.4兆円(2026年3月期目標は4.8兆円)、営業利益率は8.7%(同5.5%)、ROE(自己資本利益率)は11.7%(同8.0%)と、目標を前倒しで達成した。

そこで次の新中期経営計画を1年前倒して2025~2030年度として発表した。『By Your Side(あなたのそばに)』をコーポレートスローガンとして、チーム・スズキは『生活に密着したインフラモビリティ』を目指す。

経営目標としては、2030年代前半に営業利益率は10.0%以上、ROEは15.0%以上の実現を目指す。2030年度の売上収益は8兆円、営業利益は8000億円(営業利益率は10.0%)、ROEは13.0%の達成を目指し、事業目標や財務目標を設定していく。

技術戦略としては、スズキの技術哲学である『小・少・軽・短・美』の理念に基づき、すべての過程でエネルギーを極小化し、製造からリサイクルまで『資源リスクと環境リスクを極少化させる技術』を目指す。

四輪/二輪/マリン、国別では日本/インド/欧州/中東・アフリカ/アジア/中南米・大洋州と具体的な戦略と取り組みは多岐に渡るが、ここでは日本の四輪について特化して紹介しておこう。なお、中国と米国に関しては、鈴木社長は「再参入はしない。そんな余裕はない」とコメントしている。

スズキにとって日本は成長市場。登録車の台数も伸ばす

日本市場では2030年度までに、BEV(バッテリー電気自動車)を6モデル展開し、2030年度にはパワートレーンの比率をBEV:20%/HEV(ハイブリッド車)80%をめざす。まず2025年度中には後述のeビターラと、トヨタ/ダイハツと共同開発中の軽商用バンBEVの2モデルを導入する。

スズキにとって日本は成長市場であり、登録車も伸ばして収益性を高め、インドに次ぐ安定的な収益の柱を目指す。とはいえ、生活になくてはならない日常の足として、軽自動車でユーザーの生活を支えている。

商品的には、日本のユーザーの嗜好や市場にあった商品を投入し、ラインナップを拡充する。とくに、スーパーエネチャージの投入などでHEVを強化していく。

販売サービス面においては、スズキが商品に込めたユーザーに対する思いやこだわりをていねいに発信することでブランド価値を高め、商品価値に見合う適正な価格で販売する。さらにユーザーに寄り添った営業活動を行い、ユーザー満足度を向上することで、新たなユーザーの獲得や、代替車販売、サービス入庫(車検、定期点検など)の増加も目指す。

そして、インドが生産拠点の中核になりつつあるが、日本がスズキ・グループのマザー生産拠点として、生産技術やノウハウでスズキ・グループの手本であり続ける。インドでシェア50%と年400万台の生産体制を目指すといっても、スズキは日本のメーカーなのだから。

初の量産BEV『eビターラ』の発売が待ち遠しい

今回の発表会場では、発表の内容とは直接関係はないが、スズキ創業者である鈴木道雄が発明した織機をはじめ、グローバルモデルの電動スクーター『eアクセス』、サステナブル燃料の実証実験を実施しているマリン用エンジン『DF140B T(X)』、今年のCESで発表された小型電動モビリティ『ヴァーサタイル・マイクロeモビリティ』などの技術展示が行われた。

だが、多くのギャラリーから注目を浴びたのは、スズキ初のBEV量産モデル『eビターラ(VITARA)』だった。昨年11月にミラノでワールドプレミアされたeビターラは、2023年1月にインドのオートエキスポ、同年10月にジャパンモビリティショーで公開されたコンセプトモデル『eVX』をベースとした量産モデルで、スズキのBEV世界戦略車第一弾となる。

全長4.3m足らずという比較的コンパクトなサイズのスタイルは、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持ったものとされているが、たしかに立体感が強くマッシブでサイズ以上に大きく見える。先に日本に導入されたフロンクスとデザインの共通性を感じさせる部分もある。

全幅は1.8mと少し広めだが、グローバルカーと考えれば仕方ないサイズか。全高も1.6mを超えるのでタワーパーキングなどには対応できなそうだが、それでも都会の道でも持て余すことはないだろう。なお、今回の展示車両は欧州仕様(4WD)で、残念ながら室内やボンネット内部などは公開されなかった。

eビターラはインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産され、この夏ごろから欧州、インド、日本など世界各国で順次販売が開始される。また、トヨタへもOEM供給される予定だ。

前述のように日本でも2025年度中(早ければ夏ごろ?)には販売が開始される。日本市場ではコンパクトSUVのBEVはボルボEX30やミニ・エースマンあたりしかなく、こうしたライバルよりはリーズナブルな車両価格になるはず。正式な日本デビューが気になるユーザー予備軍も少なくないことだろう。

SPEC:スズキeビターラ 4WD(欧州仕様)

●全長×全幅×全高:4275×1800×1635mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1860-1899kg
●モーター:交流同期電動機×2
●最高出力:前128kW、後48kW
●システム最高出力:135kW
●システム最大トルク:300Nm
●バッテリー総電力量:61kWh
●航続距離:未発表
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:225/50R19

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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