イギリス出身の元ラリーストで現在45歳を迎えたナタリー・バラットが、2020年シーズンに向け新たな挑戦を表明。WorldRX世界ラリークロス選手権のサポートシリーズであり、フルEVマシンによる『Projekt E』シリーズのドライバーラインアップに加わり、STARD製のォード・フィエスタRXスーパーカーをベースとした完全電動RX車両をドライブする。
同じくFIAの統括するWRC世界ラリー選手権で44ラウンドに参戦し、かつてのヒュンダイ製WRカーやGr.N車両のランサー・エボリューションなどでキャリアを築いてきたバラットは、競技活動を中断してから初のシリーズ復帰を決断。その舞台に、画期的なEVラリークロスの初年度シーズンをセレクトした。
世界ラリークロス:初開催予定だったロシア戦がキャンセルに。2020年は全10戦で開催へ
「Projekt Eは素晴らしい機会だと感じていて、その一部になれたことを非常に感謝しています」と、3月8日の国際女性デーに合わせて参戦表明を果たしたバラット。
「この日以上に、私の参戦をアナウンスするのに最適な日はないでしょう? 現段階では予算に応じて全5ラウンドのすべてを戦いたいと考えていて、今はフィジカルコンディションの調整に集中しているわ。ラリーカーに座っていたときから、さらに長い時間が経ってしまったから(笑)」
元WRCドライバーのマンフレッド・ストール率いる技術集団STARDの手によって開発されたマシンは、彼らがWorldRXで走らせてきたフィエスタEvo.4のボディとシャシーをベースに“REVelution”と呼ばれる電動パワートレインを搭載。150kWを発生する3モーターの構成で、総合出力は612PS、瞬間最大トルクは1100Nmにも達する。
「このフィエスタREVelutionは完全電動車両で、本当に驚くほど速い。これ以上、何を求めるというの? 私はこの3月後半にもマシンをドライブする予定なの。今からそのテストが待ちきれない気分よ」
WorldRXのサポートシリーズとして初年度シーズンを迎える『Projekt E』だが、5月16~17日開催のベルギーで初戦を迎え、オールージュを含む象徴的なステージで競技が行われる。
また、先の3月6日に開催されたFIAワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC世界モータースポーツ評議会)でロシアのイゴラ・ドライブでの初開催予定ラウンドがキャンセルされたことを受け、1戦減の全4戦開催になる公算が高いと見られていた。
しかし、シリーズプロモーターのIMGとFIAはすぐさま追加ラウンドの検討に入り、7月4~5日のWorldRX第5戦のスロットに入っていたスウェーデンのホルヘ・モータースタディオンを新たなサポートイベント戦に指定。これで初年度シーズンは晴れて全5戦に“復帰”することとなった。
■『Projekt E』シリーズ2020年カレンダー
ラウンド開催日開催地Rd.15月16~17日ベルギー/スパ・フランコルシャンRd.26月13~14日ノルウェー/ヘルRd.37月4~5日スウェーデン/ホルヘRd.48月1~2日ドイツ/ニュルブルクリンクRd.59月19~20日ラトビア/リガ・ビケルニエキ
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