現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 3度目の制覇狙う琢磨、最終“カーブデイ”は14番手に。決勝は「なるべく早く前に出たい」/インディ500

ここから本文です

3度目の制覇狙う琢磨、最終“カーブデイ”は14番手に。決勝は「なるべく早く前に出たい」/インディ500

掲載
3度目の制覇狙う琢磨、最終“カーブデイ”は14番手に。決勝は「なるべく早く前に出たい」/インディ500

 第108回インディアナポリス500マイルレースを2日後に控えた金曜のカーブデイ。パドックの専らの話題は、決勝レースを控える26日(日)の天気だった。最大の関心事は、降水確率の上がった日曜に果たして決勝レースができるのかどうか。降水確率の高かったこのカーブデイでさえ、日差しが覗いて暑い日になっている。場内は早朝から多くのファンが駆けつけて、インディ500らしい活気に溢れてきた。

 決勝までは、これからまだ2日間の猶予がある。日曜の天気が好転しないとも限らない。

琢磨の予選2日目は10番手に。空力を“2ステップ”変更も「コンサバティブに行き過ぎた」と悔やむ/インディ500

 カーブデイのプラクティス開始前、ブリックヤード上ではインディ500優勝経験者にブルーのジャケットを授与して、ボルグワーナートロフィーとともに記念撮影が行われた。ロジャー・ペンスキーがひとりひとりと握手をし、レジェンドドライバーたちは順に整列を始める。

 A.J.フォイト、リック・メアーズ、ジョニー・ラザフォードなどのレジェンドたちが次々と並び、さらにエリオ・カストロネベス、ジョゼフ・ニューガーデンなど現役のドライバーたちも姿を現す。インディ500で2勝を上げた佐藤琢磨は、エマーソン・フィッティパルディとマリオ・アンドレッティに挟まれて座るという栄誉だった。唯一の日本人ウイナーとして誇らしい瞬間であった。

 琢磨はフォトセッションの後、マシンに乗る身支度をして、ピットに現れた。日曜の天気がどうであろうと、チームとドライバーにとってはこのカーブデイが最後の走行時間だ。貴重なプラクティスとなる。

 インディ500ウィーク初日のプラクティスから今日のカーブデイまで、悪天候が続いたこともあって、走行時間が限られたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの琢磨は「過去15年のなかで、一番走行時間が少なかった」と言っていたが、決勝に向けてはこのカーブデイを通してマシンをなんとか仕上げるしかない。

 11時から2時間のプラクティスが予定されていたが、琢磨は開始からパック(集団)に混ざることなく、最初はチェック走行をして余裕を持ってセッションを開始した。パックに入ってからも急いでペースを上げる様子もなく、淡々と走り続ける。途中ピットに戻る時には、フロントタイヤをロックさせて、あわや他のマシンに追突しそうになる場面もあった。

 その後琢磨も75号車のチェックをしてトラックに戻り、ペースを上げはじめると222mph台をマーク。以降は20番手前後のタイムで周回を続け、セッション終盤にはピットストップの練習も始まり、イン&アウトを繰り返す。

 最後はニュータイヤとトウでスピードも上がり、224.630mphをマーク。総合14番手にポジションを上げて最後のプラクティスを終えた。

 ファイナルプラクティスは決勝を見据えた走行のはずだが、ラップモニターを見上げると予選で苦戦したチップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンがトップとなり、それにエリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)が続く。

 予選を32番手ギリギリで通過したマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)が6番手にいるかと思えば、予選でフロントロウを独占したチーム・ペンスキーの3台は、スコット・マクラフランが20番手、ウィル・パワーが21番手、ジョゼフ・ニューガーデンが32番手と低迷した様子だ。

 予選と決勝を想定した走行で、まったくポジションが入れ替わるのがインディ500らしい所だが、33台それぞれの思惑を抱えたままに、すべてのプラクティスは終了した。

 決勝を迎えるのみとなった琢磨は「今日はブレーキのトラブルが出てしまい、決勝に向けて対策をしなくてはいけないですね。クルマの仕上がりは、最初雨で全然走れなくて10%くらいだったのが、今日を走り終えた段階では60点か、良くて70点。(優勝した)2017年や2020年と比べると全然満足できていない。あともう1日欲しかったです」とセッションを振り返る。

 走行開始から決勝まで2週間の時間がありながら、すべてをうまく積み上げるのが難しいインディ500で、0から始まったクルマをここまで仕上げて4列目10番手のグリッドからのグリッドからレースをする琢磨。

 彼の理想のレース展開はどのようなものか。

「後ろに沈んでしまうとなかなか抜いて上がってくるのは難しくなるでしょう。1周目からいきなり無理はしないですが、チャンスがあればなるべく早く前に出たいですね。雨の予報もあってレースが途中でイエローが出たりする可能性もありますから…。」

 度重なる雨により、100%の手応えには仕上がらなかったクルマ。昨年に比べれば不安な要素も多いが、琢磨は26日に15回目のインディ500に臨む。ブルージャケットを着たレジェンドドライバーとして。

こんな記事も読まれています

驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
AUTOSPORT web
激しいタイヤ消耗戦で“2タイヤ”コールの王者ブレイニーが待望の今季初勝利/NASCAR第17戦
激しいタイヤ消耗戦で“2タイヤ”コールの王者ブレイニーが待望の今季初勝利/NASCAR第17戦
AUTOSPORT web
ル・マン決勝前日に完成。シャシー交換で蘇ったJOTAポルシェが8位入賞「完走できると思ってなかった」
ル・マン決勝前日に完成。シャシー交換で蘇ったJOTAポルシェが8位入賞「完走できると思ってなかった」
AUTOSPORT web
アレックス・パロウ、コーション5度のレースを制し今季2勝目|インディカー第8戦ラグナセカ
アレックス・パロウ、コーション5度のレースを制し今季2勝目|インディカー第8戦ラグナセカ
motorsport.com 日本版
大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦
大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦
AUTOSPORT web
「景色も何もない。真っ白です」Juju、SF初ウエットレースで視界に驚く/第3戦SUGO
「景色も何もない。真っ白です」Juju、SF初ウエットレースで視界に驚く/第3戦SUGO
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:首位浮上でタイヤ選択の異なるノリスに対し有利な立場に。最速マシンでなくとも勝利を掴んだ王者
レッドブル&HRC密着:首位浮上でタイヤ選択の異なるノリスに対し有利な立場に。最速マシンでなくとも勝利を掴んだ王者
AUTOSPORT web
高速走行中に目が合った可夢偉とフォコ/SC出動記録を更新/動員は昨年比微増etc.【ル・マン24時間決勝後Topics 2】
高速走行中に目が合った可夢偉とフォコ/SC出動記録を更新/動員は昨年比微増etc.【ル・マン24時間決勝後Topics 2】
AUTOSPORT web
「速すぎて怖ぇ!」初めてのSF23でQ1突破までコンマ3秒の平良響「ロガーを見るたびに悔しい」/SF第3戦
「速すぎて怖ぇ!」初めてのSF23でQ1突破までコンマ3秒の平良響「ロガーを見るたびに悔しい」/SF第3戦
AUTOSPORT web
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第7回】ケビンとニコのフィードバックを信じたフルウエットスタートは「正しい判断」
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第7回】ケビンとニコのフィードバックを信じたフルウエットスタートは「正しい判断」
AUTOSPORT web
ポール・アーロンが初ポールポジション獲得。宮田莉朋は6番手/FIA F2第6戦バルセロナ予選
ポール・アーロンが初ポールポジション獲得。宮田莉朋は6番手/FIA F2第6戦バルセロナ予選
AUTOSPORT web
次世代王者候補ブロック・フィーニーが逆襲。僚友ウィル・ブラウンを降し連勝を達成/RSC第5戦
次世代王者候補ブロック・フィーニーが逆襲。僚友ウィル・ブラウンを降し連勝を達成/RSC第5戦
AUTOSPORT web
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
BMW、前戦ノーポイントからル・マンで2位表彰台。ペース劣るも「最後は笑顔になれた」とファーフス
BMW、前戦ノーポイントからル・マンで2位表彰台。ペース劣るも「最後は笑顔になれた」とファーフス
AUTOSPORT web
坪井翔「赤旗で終わるほど残念なことはない」 野尻智紀「この状況を避けることはできなかったか」【SF第3戦決勝会見】
坪井翔「赤旗で終わるほど残念なことはない」 野尻智紀「この状況を避けることはできなかったか」【SF第3戦決勝会見】
AUTOSPORT web
「壮絶でしたよ」。ル・マン2位表彰台のトヨタ小林可夢偉が心情を吐露。「もっと速くなれる」と来年の自信も
「壮絶でしたよ」。ル・マン2位表彰台のトヨタ小林可夢偉が心情を吐露。「もっと速くなれる」と来年の自信も
AUTOSPORT web
アストンマーティン育成クロフォードが今季初優勝。宮田莉朋は入賞ならず/FIA F2第6戦レース2
アストンマーティン育成クロフォードが今季初優勝。宮田莉朋は入賞ならず/FIA F2第6戦レース2
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村