オーストリアのレッドブル・リンクで開催されているDTMドイツツーリングカー選手権。22日に行われた第17戦は、レネ・ラスト(アウディRS5 DTM)が制し3連勝を飾った。
残り2ラウンド4戦となった2018年のDTM。チャンピオン争いは、ゲイリー・パフェットがランキングトップ。2ポイント差でポール・ディ・レスタとDTMラストイヤーのメルセデスドライバーが争う展開だ。
トッド、ノリス、オジエ……DTM/FIA F3ニュル戦は豪華ゲストが多数来場
ニュルブルクリンクの2レースをポール・トゥ・ウインで制し、一気にランキング3位に浮上したラスト。トップとは57ポイント差と連覇に向けて、このラウンドは正念場となる。
このスピルベルグラウンドは、WRC世界ラリー選手権を戦うセバスチャン・オジエがメルセデスAMG C63 DTMを駆りゲストドライバーとして参戦。フリー走行では1回目を17番手、ウエットコンディションの2回目は19番手で予選に挑んだ。
強い雨が降る中行われた予選は、ダニエル・ジェンカデラ(メルセデスAMG C63 DTM)が自身3度目となるポールポジションを獲得。ティモ・グロック(BMW M4 DTM)が0.071秒差で続き、マイク・ロッケンフェラー(アウディRS5 DTM)が3番手。
チャンピオンを争うディ・レスタは4番手。ラストが9番手、ランキングトップのパフェットは10番手となった。
迎えた決勝レース。雨は止みレコードラインは乾いた状態でスタートする。ポールのジュンカデラは抜群のスタートを見せトップで1コーナーへ。フロントロウイン側のグロックはまさかのスタートミス。3番手のロッケンフェラーに交わされ、5番手スタートのマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)に並ばれるも、なんとか3番手をキープする。
オープニングラップのレムスでウィットマンはバランスを崩し後退。さらに後ろでは、フィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM)に押し出されたロビン・フラインス(アウディRS5 DTM)がスピン。ロイック・ディバル(アウディRS5 DTM)と接触し、さらに後ろにいたパフェットも巻き込まれる。
このアクシデントでセーフティカーが導入。パフェットは17番手まで後退し、デュバルはサスペンションを壊しリタイア。フラインスはピットインしレースに復帰する。
5周目にレースは再開。1コーナーでオーバーランしたジュンカデラを射程圏内に捉えるとロッケンフェラーはレムスで鮮やかなオーバーテイクを披露しトップに立つ。
15周目、今度はジュンカデラがロッケンフェラーをレムスでアウトから攻略し、トップを奪い返す。
6番手を走行していたディ・レスタは15周目終わりでピットイン。17周目終わりにはロッケンフェラー、グロック、ウィットマン、そしてラストもタイヤ交換へと向かう。
グロック、ウィットマン、ラストは先にタイヤ交換を終えていたニコ・ミュラー(アウディRS5 DTM)、ディ・レスタらの前でピットアウト。6台が連なりポジションを争う状態となる。
ジュンカデラは19周を走行してピットレーンへ。ロッケンフェラーの前でコースに戻り実質のトップをキープする。一方、3番手争いは白熱。ラストの猛攻をウィットマンがサイド・バイ・サイドになりながらポジションを死守する。
ゲストドライバーのオジエは、残り15分を切った26周目終わりで最後にピットイン。トップはジュンカデラ、2番手にロッケンフェラー、10秒開いて3番手にウィットマン。ラスト、ミュラー、ディ・レスタの順でレースは終盤戦へ。
33周目、ウィットマンとラストが争うところをミュラーとディ・レスタがインを差しラストがポジションダウン。さらにルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)に攻められる。
3位争いが白熱する中、33周目にグロックがマシントラブルでストップ。ここで再びセーフティカーが入る。
残り3分、35周目にレースは再開を迎えると6番手のラストがリスタートで4番手に浮上する。
ジュンカデラはトップをキープし55分を経過。残りはファイナルラップのみに。
しかし、無情にもジュンカデラに、リスタート時に他車を侵害したとしてドライブスルーペナルティが宣告される。
ここでアウディはチームオーダーを発動。ミュラー、さらにロッケンフェラーがラストにポジションを譲りラストは2番手でゴール。ドライブスルーペナルティ未消化のジュンカデラはレース結果に30秒が追加され14位に。
2番手でチェッカーを受けたラストが優勝となり3連勝。2位にロッケンフェラー、3位にミュラーとアウディ勢が表彰台を独占した。
「今日は簡単なレースではなかったけど、この優勝には満足しているよ」とラスト。
優勝を譲るかたちとなったロッケンフェラーは、「レネは僕たちがタイトルを獲得する唯一のチャンスだよ。チームメイトとして僕たちが助けることができる時は、いつだってこうするだろう。シーズンは終盤だし、唯一の方法だよ」とコメント。
注目のチャンピオン争いは、ディ・レスタが4位に入り12ポイントを追加。パフェットは10位までポジションを上げるも1ポイントの加点に留まり、ディ・レスタが216ポイントでラインキングトップに復活。パフェットは9ポイント差でランキング2位。ラストは、42ポイント差のランキング3位。
最後はDTMドライバーたちと見ごたえのある集団バトルを行ったオジエは、12位でフィニッシュとなった。
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