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ラトバラ「クルマは昨年よりも確実に進化」/WRC第2戦スウェーデン事前コメント

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ラトバラ「クルマは昨年よりも確実に進化」/WRC第2戦スウェーデン事前コメント

 2月15~18日に行われる2018年のWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンに向け、参戦するドライバーたちが意気込みを語った。

 2018年シーズンのWRC2戦目となるラリー・スウェーデンは、スウェーデンとノルウェーを舞台に、辺り一面の雪景色のなかを駆けるシリーズ唯一のフルスノーイベントだ。

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 固く凍った路面を捉えるため、参戦するマシンは1本あたり380本のタングステン製の鋲が打たれたスタッドタイヤを装着してラリーに臨む。このタイヤが路面に食らいつくことで、ラリー・スウェーデンはシリーズ屈指の高速イベントとなる。

 コース脇の雪だまりはコーナリング中にマシンを寄りかからせることで速度を上げることも可能だが、充分な強度がなければマシンの重さを受け止めきれず、スタックする要因にもなりかねない。ドライバーには路面コンディションだけでなく、コース脇にある雪だまりの状態も把握する能力が必要となる。

 車体には滑りやすい路面に対応するセッティングや、エンジンには厳寒地帯でも充分なパワーを引き出せるパフォーマンスが求められる。

 加えて、この時期の北欧は最低気温がマイナス25度まで低下することもあるため、サービスパークでマシンを整備するメカニックたちにも強いストレスがかかる1戦だ。

 競技は15日(木)の現地20時06分に行われるSS1で開幕する。このオープニングステージはスウェーデン・カールスタード近郊の競馬場を舞台に争われ、2台が同時に走行してタイムを競うスーパーSSとなっている。

 16日(金)はサービスパークのあるトルシュビーや隣国ノルウェーを舞台にSS2~8の6SSが行われる。

 翌17日(土)はSS9~16の8SSで実施。なかでもSS11とSS14として争われるバルゴセンは、ジャンピングスポットとして有名なコリンズ・クレストがあるステージとなる。このコリンズ・クレストでは2016年には45メートルの大ジャンプが記録されており、この記録が更新されるかも見どころと言える。

 最終日の18日(日)はSS17~19の3SSの実施。最終ステージのSS19はこれまでと同じくステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。

 最上位クラスに参戦する4メーカーは全チームが3台体制で参戦。Mスポーツ・フォードはテーム・スニネンに、シトロエンはマッズ・オストベルグに3台目のWRカーを託す。

 ヒュンダイは第1戦モンテカルロに参戦したダニ・ソルドに代わり、若手ヘイデン・パッドンが合流。パッドンにとっては、これが2018年開幕戦となる。

 残るトヨタは、ヤリ-マティ・ラトバラ、オット・タナク、エサペッカ・ラッピの布陣に変更なし。第1戦モンテカルロから不動の体制で大会連覇に挑む。

Mスポーツ/ヒュンダイ陣営のコメントはこちら
シトロエン/トヨタ陣営のコメントはこちら



■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)
「この週末は、クラシックなラリー・スウェーデンに必要なものがすべて揃った、真のウインターラリーを経験することとなりそうだ。地元からのレポートによれば、路面は雪と氷で固くなっていて、雪壁の高さも充分らしい。このイベント前にドライバーが聞きたかったコンディションだよ」

「このコンディションなら、信じられないくらいの速さで走ることができるし、雪壁に車体を預けてコーナリングもしやすくなる。走っているときは本当に最高の気分だけど、同時にチャレンジングでもある」

「この速さで雪上をドライブするには技術が求められるし、正確さも必要だ。(コーナリングで車体を預ける)雪壁の強度を完璧に読み切る必要があるし、去年より積雪も多いから、ペースノートにはいろいろな情報を詰め込まないといけないね」

「僕自身、先頭走者を務めることになるから、コースコンディションの様子を見る必要もある。ぼくたちとしては(本格的に競技がスタートする)金曜日に新雪が積もっていないことを祈る」

●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)

「ラリー・スウェーデンはみんなが楽しみにしているイベントだよ。クラシックなラリー・スウェーデンでは、ぼくたちが予想しているように、信じられないようなスピードを出すことができる。上手くできれば、年間カレンダーでも、もっとも楽しいラリーのひとつになるね」
「雪面でのフィーリングはグラベルでのドライビングからほど遠いわけではないけれど、独特のテクニックも必要で慣れるまで少し時間がかかるんだ」

「新雪が積もっていると路面コンディションが読みづらくなるから、視界の面でもチャレンジになる。事前のレッキ(下見走行)とペースノートづくりを完璧にしなければならないけど、準備は整えた。戦うのが本当に楽しみだ」

「もっといい結果を出せたはずのモンテの借りを返したいという気持ちがある。とにかく頑張るよ!」

●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)
「北スウェーデンで何度かテスト走行を終えたところだけど、すごくよかったよ。前年のラリー・フィンランド以降、フィエスタWRCを運転していなかったけれど、テストでマシンに馴染むことができたから、ラリーのスタートに向けて準備は整った」

「また表彰台にチャレンジできたら最高だよ。だぶん、それが現実的な目標だけど、それを達成するにはパーフェクトにラリーを運ばないといけないね」

「また今年は8戦に出場する機会があるから、すこし違うアプローチも検討しなければならない。2017年は、単に僕たちの未来と、僕たちの実力を見せることにフォーカスしたけれど、今回はチャンピオンシップのために、ポイントを獲得することも考るひつようがあるんだ」

「天候の面では、氷点下の気温と高い雪壁があると聞いているけれど、まずはレッキしてみないとね」

「どんなコンディションであれ、とにかく高速なイベントだ。これくらい高速なラリーでは、タイムを稼ぐのが難しくなる。だから、最初のステージからペースを掴む必要がある」

■ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ラリー・スウェーデンは僕にとって特別なイベントなんだ。なぜなら、僕の母国であるノルウェーとの国境を超えてラリーをするチャンスだからね」

「たくさんのファンや家族、友人たちからサポートされている。美しいイベントだし、週末を通して独特なスタッドタイヤで雪と氷の上を走行していく唯一のイベントだ。グリップレベルは素晴らしいし、その感触は信じられないくらいだよ」

「今年は雪だまりがかなりあると予想しているから、限界を探ることができるようになる」

●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「昨年僕たちはスウェーデンとノルウェーでのステージでかなりの速さを出すことができたけど、残念ながら物事はいいように向かわず、競技3日目でリタイアせざるを得なかった」

「今年はさらにいい結果を出すとともに、もう一度優勝に挑戦することを目指している。(ラリー・)スウェーデンは本当に独特なイベントだ。ラリー全体を完全なスタッドタイヤを履いて戦うという、唯一の場所だからね」

「シーズンのなかでも最速のラリーのひとつだ。コクピットの中では爽快な気分になるし、ステージ沿いのファンたちもそう感じるだろうね。いい走りを見せたいし、なによりも好成績を出したいと思う」

●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「(第1戦は不参加のため、)僕の2018年シーズンがついに始まろうとしているのが待ちきれないよ。(2017年最終戦の)ラリー・オーストラリアを戦ってから、とても長い時間が経った気がする」

「スウェーデンは僕たちにとって新たなスタートになるだろう。2年前にここで表彰台フィニッシュを飾ったいい思い出がある。そのときのパフォーマンスを再現できたらと思っているよ」

「最近のテストでまたマシンに慣れることができて、とてもよかった。僕たちは素晴らしい冬のドライビングコンディションを楽しむことができたんだ。ラリーではもっと楽しめるだろう。良い結果も出せたら、僕のシーズンのスタートは完璧なものになる」

■シトロエン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)
「今年は完璧なウインターコンディションのようだ。他のWRCドライバーたちと同じように、僕もラリーを始めるのが待ちきれないよ! 過去何シーズンかは、雪の量が限られていたから、ほんの少しの衝撃でも雪だまりでスタックするリスクがあり、充分注意しなければならなかった」

「今年の雪だまりは大きくてより硬くなっているようだ。だから間違いなくよりアグレッシブにドライブして、雪だまりを利用することができる。慣れるまで少し時間が必要かもしれないけどね」

「どのイベントもエキサイティングな挑戦だ。モンテカルロと同じように賢明なアプローチを取って取り組むつもりだよ」

●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)
「昨シーズンの始まりから終わりまでで、C3 WRCはグラベル上で大きな進歩を遂げたんだ。だから雪や氷の上でも同様に進歩していることを願っているよ」

「特にラリー・スウェーデンは僕のお気に入りのラリーのひとつで、ここでは本当に自信を持つことができるんだ。実は、僕の初めてのWRCレースは2014年のこの場所だったし、2016年に初めてシトロエン・レーシングから参戦したのもスウェーデンだったんだ」

「困難だったモンテカルロの後だから、まずはしっかりとポイントを獲得したいと思っている。今年の路面コンディションは完璧のようだ。頑丈な雪だまりがあるから、少しのミスをしても挽回できるだろう」

●マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)
「ラリー・スウェーデンは僕にとって特別なイベントなんだ。僕はここではいつも速いしね。だから今回チームに戻るチャンスに恵まれて本当にうれしいよ」

「C3 WRCに素早く適応するために、サトリーでのシェイクダウンと、イベント前のテスト日を最大限に活用したいと思っている。どのような場合でも、僕はこうしたコンディションではすぐに求められる速さを出すことができる。ノルウェーで2度のウィンター・ラリーを戦い、2度目のラリーでは優勝したからね」

「今年は雪だまりが大きいから、道幅が狭くなり、テクニカル面では難しいものになるだろう。僕たちのようなスカンジナビア出身ドライバーは、こういうコンディション下で多くの経験があるから、有利かもしれないね」


■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「スウェーデンはお気に入りのラリーのひとつだ。そして、それほど昔のことには感じられないけど、もう10年も前にWRC初優勝を果たした思い出のラリーでもある」

「事前のテストでは特に低速でテクニカルなセクションでの走りの改善に注力し、前進することができたと思う。クルマは、昨年よりも確実に進化している。とは言え、今年はきっと昨年よりも厳しい戦いになるだろうし、チームメイトも非常に強力だ」

「コースには雪が多くウインターラリーらしい路面コンディションになりそうで、私にとっては願ってもない状況だよ。きっと素晴らしい挑戦になるだろうし、今年も優勝争いをする自信はあるよ」

●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
「ヤリスWRCというクルマについてまだまだ学んでいる段階だけど、テストで雪道を走り、なぜヤリ-マティが昨年のラリー・スウェーデンで優勝したのか、その理由が徐々に分かってきた」

「今回のラリーに関しては、序盤はまず全体の流れを見ながら走る予定だよ。もちろん表彰台を目指して戦えるはずだと期待しているし、できれば優勝したいと思っている」

「今年は雪がコース上に多く降り積もっている可能性が高そうだけど、そうなると2番手という出走順は理想的とはいえない。もちろん、今後天気が変わる可能性はあるけどね」

●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)
「前戦ラリー・モンテカルロの最終SSで総合4位の座を失い、その失望感を乗り越えるのに数日かかったが、最終的には前向きな気持ちになることができた。最終SSまではとても安定して走れていたからね」

「だから、スウェーデンに対しても同じような姿勢で臨む。事前のテストはうまくいき、2日間で400km程度を走りいいフィーリングを得られた。私たちのクルマはスウェーデンに合っていると思うけど、モンテカルロとは大きく異なるタイプのラリーだ」

「モンテカルロでは時に勇気を出してスピードを充分に落とさなければならない。しかし、スウェーデンでは違うアプローチが求めらる。昨年は出場していないから経験はやや不足気味だけど、雪道ではつねに心地よく走れるからラリー本番が楽しみだよ」

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