2月25日、キャラミ・グランプリ・サーキットで、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第2戦『キャラミ9時間』の決勝レースが行われ、BMW MチームWRTの32号車BMW M4 GT3(シェルドン・ファン・デル・リンデ/ドリス・ファントール/シャルル・ウィーツ組)が優勝した。地元のヒーローであるファン・デル・リンデ駆る32号車BMWに1.778秒差で続いた姉妹車33号車BMW M4 GT3が2位となり、チームWRTはワン・ツー・フィニッシュを飾っている。
2月初旬に開催された2023年シーズン第1戦『リキモリ・バサースト12時間』から2週間のインターバルを置いて行われた今季第2戦。戦いの舞台はオーストラリアから南アフリカ共和国に移っている。
WRT、バレンティーノ・ロッシ欠場のキャラミでBMW LMDhドライバーを代役に起用/IGTC
13台がグリッドに並んだ土曜日のレースでは、終盤のセーフティカー(SC)導入によって上位4台が約20分間に渡って激しいバトルを繰り広げることになった。だが、スタート後1時間目の半ばからレースを引っ張る存在となったベルギーチームのBMWは、この混戦のなかでもポジションを譲らず最後までトップ2を独占した。
ポールスタートとなったメルセデスAMGチーム・グループMレーシングの999号車メルセデスAMG GT3は、11周目にファン・デル・リンデとアウグスト・ファーフスが駆る2台のBMWに先行を許す。BMW MチームWRTはこの段階で順風満帆なスタートを切った。
ベルギーチームにとって、もっとも大きな驚異となったのはトレゾア・アテンプト・レーシングの66号車アウディR8 LMSエボIIだった。チームWRTと同じく2台体制で今戦に臨んだアウディチームの一角は、日没前にフィリップ・エング駆る2番手33号車に接近しプレッシャーをかけ続ける。
この2台はほぼ1スティントを接近した状態で走行し続けたが、日が沈み完全に暗闇に包まれた残り2時間の時点ではその差が約25秒に拡がった。レース最終盤には前述のSCランの影響でギャップがリセットされるも、WRT勢が逃げ切りに成功しワン・ツー・フィニッシュでBMW M4 GT3にIGTC初勝利をもたらしている。
長年のパートナーだったアウディと袂を分かち、今季からBMW陣営となっているチームWRTは、1月に行われたドバイ24時間での優勝、バサースト12時間での4位と6位入賞に続きBMWとの新しいパートナーシップのもと、わずか3戦で2度目の勝利を挙げることとなった。
2台のBMWの後方では66号車アウディが3位表彰台を獲得。ピット作業違反によるドライブスルーペナルティを受けた姉妹車99号車アウディが総合4位、総合5位にはグローブ・レーシングとの戦いを1.694秒差で制し、プロ・アマクラス優勝を飾ったサンエナジー1・バイ・SPSの75号車メルセデスAMG GT3が入っている。
なお、予選最速のクルマだった999号車メルセデスAMG GT3はギアボックストラブルのため大きく後れ、62周遅れで総合9位/プロクラス5位でレースを終えることとなった。
IGTCの次戦第3戦はシリーズのハイライトである『クラウドストライク・スパ24時間』だ。“世界三大耐久レース”のひとつである同イベントは今年タイトルスポンサーが替わったものの、例年どおりファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの一戦にもなっている。開催日は6月29日から7月2日、開催地はベルギーのスパ・フランコルシャンだ。
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