日本の自動車ディーラーグループ、VTホールディングス傘下の英「ケータハム」は7月12日、オールエレクトリック・クーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表した。
軽量化技術により車重1,190kgを実現
スーパーセブンがEVに。ケータハムがサーキット走行も視野に入れたコンセプトカーを開発
スパルタンなスポーツモデル「スーパーセブン」を長年作り続けてきたケータハムが、電動化時代の幕開けを告げる新型クーペを誕生させる。事前予告を経てこのたび発表した「プロジェクトV」は、2025年後半から2026年前半に市場投入される新型EVのデザインコンセプト。このまま市販化されてもおかしくない完成度の高さを見せる。
ボディサイズは全長4,255mm、全幅1,893mm、全高1,226mmで、これはアルピーヌ「A110」を10センチ程ワイドにしたサイズ感だ。大きく膨らんだフロントフェンダー周りの造形や、張り出したリアホイールアーチなどが数値以上にふくよかな印象を与える。
デザインは、イタルデザインとの協業により実現したもの。そのエレガンスな佇まいは、ケータハム・デザインが新たな局面を迎えることを予感させる。
機関面では、スーパーセブン同様にケータハムらしい「軽量かつシンプル」なクルマ作りの哲学が貫かれている。シャシーとボディワークはカーボンファイバーとアルミニウムの複合構造とされ、EVながら車重は1,190kg(目標値)と実に軽量に仕上げられる。参考までにボディサイズが近い内燃機関車(ICE)のアルピーヌA110は1,100kg強であり、重量のかさむバッテリーを積みつつもこの車重が実現すれば、プロジェクトVの高い運動性能は約束されたようなものだろう。
パワートレインは、リアアクスルに搭載する200kW(272ps)のシングルモーターと55kWhリチウムイオン・バッテリーを組み合わせており、0-100km/h加速は4.5秒未満、推定最高速度は230km/hとされる。また、航続距離(WLTPモード)は400kmに達するとのことでロングドライブにも対応する。さらに、150kWのDC急速充電器を使えば、15分間で残量20%から80%にまで充電可能とのことだ。
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英国価格での目標価格は1,450万円ほど
インテリアのイメージは公開されていないが、ケータハムによるとプロジェクトVは特徴的な2+1のシートレイアウトを採用し、オプションで2+2も用意されるとのこと。なお、後席乗員の快適性もアピールされているから、リアシートは荷物置き以上の実用的なスペースとして機能するかもしれない。
室内の中心には、スマートフォンのミラーリング機能を備えたシンプルなインフォテインメントシステムが設置され、主要な情報はデジタル・インストルメント・クラスターに表示される。また、ドライビングモードは、「ノーマル」「スポーツ」「スプリント」が用意されるようだ。
プロジェクトVの目標価格については、英国市場で80,000ポンド(約1,450万円)未満とされる。現状、スーパーセブンは日本国内で軽規格の「170S」が676万5,000円からなので、高額商品であるのは間違いないが、カーボンとアルミニウムを組み合わせたボディなど軽量化技術が投入されていることを踏まえれば、納得すべきプライスといえるだろう。あとは、できるだけ早い国内導入を期待したいところだ。
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