現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 「ヤマハはメンタリティーを変えた」。クアルタラロが語った“変化”と“不変”/バレンシア公式テスト

ここから本文です

「ヤマハはメンタリティーを変えた」。クアルタラロが語った“変化”と“不変”/バレンシア公式テスト

掲載 5
「ヤマハはメンタリティーを変えた」。クアルタラロが語った“変化”と“不変”/バレンシア公式テスト

 スペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで11月28日に行われた公式テストで、ヤマハのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)とアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が、2024年型マシンを走らせた。クアルタラロは、新しいマシンをどう感じたのか。そして、ホンダから移籍のリンスは、ヤマハYZR-M1にどんな感触をつかんだのだろうか。

 ヤマハはクアルタラロと新加入のアレックス・リンス、そしてテストライダーであるカル・クラッチローの3人がテストに参加した。エキゾーストの形状が変更され、長く、そして2本になったほか、フロントカウルの空力デバイス、サイドカウル下部に備えられたダクト、また、テールカウルのウイングなどを変えてテストしていたと見られる。リンスが語ったところによれば、空力デバイスは新しいものが二つ、持ち込まれたということだ。

「軽くなった」、ホンダの最新RC213Vに満足のミル。セパンではさらに別エンジンが投入予定/バレンシア公式テスト

 テスト後の囲み取材で、クアルタラロは2024年型ヤマハYZR-M1の印象を語った。求め続けてきたエンジンパワーについては、大きな変化はなかったようだ。

「新しいバイクについて、今日、やることはたくさんあった。特に空力デバイス面だ。この部分において、進んだと思う。とてもポジティブだよ。ただ、バイクのバランスが変わったんだ。(天候のせいで)1時間遅れてスタートしたから、時間がなかった」

「バイクのセッティングをアジャストしなくちゃいけないと思う。新しいシャシーを試したけど、あまりよくなかった。エンジンはかなり(今年のものに)似ているね。ちょっとよくなったけど、ちょっとだけだ」

 クアルタラロは「まだ求めているところからはすごく、すごく遠いところにいる」と低い声のトーンで言い、その表情も悩まし気だった。

「(エアロが役立つのは)主にウイリー抑制だ。ただ、旋回性の向上は見られなかった。だから、それがマレーシアで確認する事項の一つだろう。重要なコーナーがいくつかあるからね」

「エアロはとてもいいと思う。ただ、大きなエアロを使うには、もっとパワーが必要なんだ。大きなエアロは、ウイリーを抑える箇所ではうまく機能したけど、それを使うにはパワーが足りないんだ。だから、より大きなパワーと大きなエアロのバランスを見つけなくちゃいけない。それが今、僕たちが取り組んでいることなんだ」

 クアルタラロは、2024年に向けてヤマハのアプローチが変わってきているか、という質問に「そうだと思う」とも答えた。しばしば言及されてきたことだが、日本企業の決定プロセスにかかる時間は、ヨーロッパ企業のそれよりも長い。ただ、クアルタラロの話によれば、ヤマハは考え方が変わりつつあるというのだ。

「メンタリティーを変えたと思うんだ。僕たちは、ヨーロッパのメーカーに近づいてきている。それが、僕たちが本当に求めていることだ。全部がどんどん速くなっているんだ」

「それから、もっと重要なのは、(来年の)2月から7月。この数カ月は、バイクをよくし、ものすごく速いスピードでアップデートするという意味で、とても重要になるだろう。彼らのメンタリティーを確認する、大事な時期になるだろうね」

 では、ホンダからヤマハに移籍したリンスは、初めて走らせたヤマハYZR-M1を、どう感じたのか。こちらはクアルタラロとは対照的で、明るい表情を浮かべ、語る内容も前向きだった。リンスにとってはまだ初日だが、少なくとも、ホンダからの乗り換えに苦労した様子はなかった。

「すごくよかったよ。とても気持ちよくバイクを走らせた。今日は、午前中にファビオがレースで使ったセッティングのバイクで走って走って、バイクを理解し、ハンドルやフットペダルなどのポジションを確認した。それから午後は、タイムを出して、新しいフェアリングを試したんだ」

「ヤマハは二つのフェアリングを持ち込んだ。僕が考える限りでは、二つのうち一つは、スタンダードのものよりもうまく機能している。今日のテストには、全体的に満足しているよ」

こんな記事も読まれています

まるで[ラリー車]! 三菱 [アウトランダーPHEV]が最高のクルマに進化した件
まるで[ラリー車]! 三菱 [アウトランダーPHEV]が最高のクルマに進化した件
ベストカーWeb
オールトヨタ製になるぞ!!!!!! 新型[スープラ]は新開発の2L直4ターボ+ハイブリッドが濃厚か!?
オールトヨタ製になるぞ!!!!!! 新型[スープラ]は新開発の2L直4ターボ+ハイブリッドが濃厚か!?
ベストカーWeb
全幅1.97mはデカすぎた!? 中身はよかったけど新規市場開拓ならず? 生産終了した[グランエース]に販売現場が思うこと
全幅1.97mはデカすぎた!? 中身はよかったけど新規市場開拓ならず? 生産終了した[グランエース]に販売現場が思うこと
ベストカーWeb
冷静貫徹のサービスパーク/贅沢すぎるデモラン/多くの著名人も来場【ラリージャパン写真日記最終回】
冷静貫徹のサービスパーク/贅沢すぎるデモラン/多くの著名人も来場【ラリージャパン写真日記最終回】
AUTOSPORT web
[発炎筒と発煙筒の違い]知ってた!? 車載するのはどっち!? 意外と知られていない発炎筒の基礎知識
[発炎筒と発煙筒の違い]知ってた!? 車載するのはどっち!? 意外と知られていない発炎筒の基礎知識
ベストカーWeb
96年前のル・マンで優勝したベントレーが東京を走った!「コッパ・ディ東京」に降臨した「オールド・マザー・ガン」とは?
96年前のル・マンで優勝したベントレーが東京を走った!「コッパ・ディ東京」に降臨した「オールド・マザー・ガン」とは?
Auto Messe Web
一番後ろまで段差ゼロ! いすゞの新型路線バス ついに量産開始へ 「市場が待ち望んでいた」モデル
一番後ろまで段差ゼロ! いすゞの新型路線バス ついに量産開始へ 「市場が待ち望んでいた」モデル
乗りものニュース
こちらも“5気筒500PS”級の新型SUVがテスト。週末は連覇王者がポール獲得で僚友が連勝/TC2000第11戦
こちらも“5気筒500PS”級の新型SUVがテスト。週末は連覇王者がポール獲得で僚友が連勝/TC2000第11戦
AUTOSPORT web
新型「GRヤリス」がマフラー交換だけでパワーアップ! 「スーパーターボマフラー/スーパーターボマフラー アーバンマットエディション」がHKSから同時発売
新型「GRヤリス」がマフラー交換だけでパワーアップ! 「スーパーターボマフラー/スーパーターボマフラー アーバンマットエディション」がHKSから同時発売
くるまのニュース
メルセデスAMG、4シーターカブリオレ『CLE』にワイドな専用エクステリアの“53 4MATIC+”を導入
メルセデスAMG、4シーターカブリオレ『CLE』にワイドな専用エクステリアの“53 4MATIC+”を導入
AUTOSPORT web
ニュル「7分37秒」切り アウディRS Q8 パフォーマンスへ試乗 RSシリーズ最強の640ps!
ニュル「7分37秒」切り アウディRS Q8 パフォーマンスへ試乗 RSシリーズ最強の640ps!
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ「ウラカンGT3 EVO2」を応援する「JLOC AMBASSADOR」を紹介…コスチュームはひと目で分かる大胆トリコローレカラー!
ランボルギーニ「ウラカンGT3 EVO2」を応援する「JLOC AMBASSADOR」を紹介…コスチュームはひと目で分かる大胆トリコローレカラー!
Auto Messe Web
フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)
フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)
AUTOSPORT web
「厳しいシーズンを団結して戦ったことは誇り」フェルスタッペンも予想外の苦戦。転機はモンツァ/チャンピオン会見 (2)
「厳しいシーズンを団結して戦ったことは誇り」フェルスタッペンも予想外の苦戦。転機はモンツァ/チャンピオン会見 (2)
AUTOSPORT web
「イライラが和らぐ」とドライバーも支持。IMSA、GTDプロ/GTDをめぐるルール変更を発表
「イライラが和らぐ」とドライバーも支持。IMSA、GTDプロ/GTDをめぐるルール変更を発表
AUTOSPORT web
トヨタ版「CX-80」は“4人乗り”仕様! 衝撃的な「カクカクボディ」採用した“個性派デザイン”が凄い! マツダ「3列シートSUV」とは異なる“めちゃ未来”なモデルとは!
トヨタ版「CX-80」は“4人乗り”仕様! 衝撃的な「カクカクボディ」採用した“個性派デザイン”が凄い! マツダ「3列シートSUV」とは異なる“めちゃ未来”なモデルとは!
くるまのニュース
【F1第22戦無線レビュー(2)】「目的を見失うなよ」「自分のレースをしている」戴冠を見据え冷静に走り続けたフェルスタッペン
【F1第22戦無線レビュー(2)】「目的を見失うなよ」「自分のレースをしている」戴冠を見据え冷静に走り続けたフェルスタッペン
AUTOSPORT web
ACコブラ、なぜ「大波乱」を呼んだ? 1960年代の伝説的スポーツカー 歴史アーカイブ
ACコブラ、なぜ「大波乱」を呼んだ? 1960年代の伝説的スポーツカー 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

5件
  • ceq********
    リンス頼むぜー!

    来年ファビオとチャンピオン争いだ!
  • ext********
    最高速度が年々上がり、人間の限界もあるし、怖い感じがしています。
    そろそろ、MotoGPにパワーだけを求めず、ライダーの技量で競うような形にならないかな。と勝手に思っています。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村