メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフは、若手ドライバーをF1に昇格させるためのシートが足りないことなどいくつも問題を抱えていることを明かし、ドライバーの育成システムを見直すべきだと主張した。
メルセデスは現在、エステバン・オコン(現レーシングポイント・フォースインディア)、ジョージ・ラッセル、パスカル・ウェーレインという3人のジュニアドライバーを抱えているが、彼らは皆来シーズンの去就が決まっていない。ウルフは彼らのF1シートを見つけることに苦労しており、それがフラストレーションとなっていることを明かした。
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ライバルチームのひとつであるレッドブルは、若手育成の場として姉妹チームであるトロロッソを利用している。メルセデスはジュニアドライバーを育てるために姉妹チームを持つことを否定しているが、ウルフは状況を進展させるためには何をすることがベストなのかわからないという。
3人のドライバーについてmotorsport.comが尋ねると、ウルフは「本当の才能を持った3人のジュニアドライバーがいるが、チャンスがない。率直に言えば、我々は将来どうするのかを決めなければならない段階にいる」と語った。
「ジュニアチームを設けるというのは、我々の選択肢ではない。若手ドライバーに居場所を与えるために、毎年姉妹チームに8000万ドル、9000万ドル、1億ドルというお金を払うことを私は望まないだろう」
「その一方で、もし彼らがメルセデスのドライバーだと言われたら、それはドライバーを売り込むための最善策ではないように思える」
「自分は心の底からレーサーなので、最も才能あるドライバーはサポートを受けて育ててもらう必要があると感じている。彼らのためにも解決策を見つけたい」
「もしそれができなかったら、私は今後のジュニアプログラムに疑問を抱くことになるだろう。そして我々はペイドライバーモデルに戻ってしまう」
「彼らのためにF1に居場所を見つけることができなければ、それは大いに意味をなさない。F1のドライバーレベルの点から見ても、残念なことだ」
「今年の終わりに、マネージメントと議論をするつもりだ。ジョージ、パスカル、エステバンにとってはその結果次第だ」
メルセデスの抱えるもうひとつの問題として、複数のチームがメルセデスとの深い関わり合いを理由にジュニアドライバーを起用することを不本意だと感じていることが挙げられる。
情報源によると、もしオコンがメルセデス育成を離脱した場合にはいくつかのチームが彼に興味を示すようである。ウルフは、オコンを他のチームに行かせる日が来るだろうとすでに認めている。
「根本的にそれを認める理由は、資金はないが才能あるドライバーの手助けをすることを我々が多いに楽しんでいるからだ」
「だが、もし我々のサポートが(若手ドライバーが)F1に到達するまで機能したものの、適切なシートを持っているドライバーにとって有害なものになってしまったら、そのことも考える必要がある。そして、メルセデスのドライバーになるということにはどのような意味があるのか、考えなければならない」
「今の時点では、もし他のチームでドライブするのならそうしているだろうし、エステバンはルノーやマクラーレン、噂などに反してウイリアムズでドライブしたとしても、私から何を言われることもないだろう」
「私としては、このシステム全体を詳細に吟味する必要があると考えている」
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