2020年のF1はメルセデスが圧倒的な速さを示しており、先日行なわれたイギリスGPでもルイス・ハミルトンがシルバーストン・サーキットのレコードタイムを更新してみせた。
近年のF1はレギュレーションで抑えようとするのとは正反対に、ラップタイムの高速化が進んでいる。しかしこの速さがTVの視聴者には伝わっていないと、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)は考えている。
□現役最古参ライコネン語る「今のF1が楽になった……それを語るのは不可能」
彼は1990年代のマシン、アイルトン・セナのシルバーストン・サーキットでの走りの映像を引き合いに、今のF1マシンが速さを伝えられていない要因について語った。
「今のF1マシンは素晴らしい。だけどみんながTVを見たとき、それらは昔のものより速く見えないんだ」と、サインツJr.は言う。
「それには少しナーバスにさせられるよ」
「カメラやカメラアングル、それか高解像度に問題があるんだろうか? Twitterではかなりの人たちがマシンが長く、大きくなったことで遅い印象を与えていることに同意していたけど……」
ここ数年でF1マシンは、特にダウンフォースが高まっていることでパフォーマンスが極限まで引き上げられている。その速さについて、サインツJr.はコックピット内での自分の感じ方と映像での見え方の違いに困惑しているようだ。
「今年のマシンは目を見張るような速さがあって、言葉で説明するのが難しいほどだ」
「2015年から2020年へかけての進化を僕は知っている。1周あたりほとんど10秒(速いん)だよ」
「F1マシンの進歩を感じられるし、ハンガリーやスパ、鈴鹿のような場所で、僕らがどれほど速く走っているのかを感じてきた。素晴らしいものだよ」
「ラップタイムはとても速い。より軽くて反応が良かった数年前のF1マシンもそうだけど、マシンに乗っていてコーナーをどれほど速く駆け抜けるかというのは印象的なモノだ。そして、重要なのはラップタイムなんだ」
「過去のF1マシンはより軽くてTVでより見応えがあったかもしれない。でも今年のF1マシンほどF1史に残るものは無いよ」
「アクティブサスペンションやトラクションコントロール、それにマシン重量が100kg以上軽かった2004年や2005年の輝かしいシーズンでさえも目じゃない。当時よりも数秒速くなっているし、コーナーを通過するのだって速いしブレーキングはもっと深い。予選ではエンジンから1000馬力をひねり出しているんだ」
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