7月6~7日、北海道ニセコ周辺のグラベルロードでXCRスプリントカップ北海道第3戦が、全日本ラリー選手権『2024 ARKラリー・カムイ』の一部として開催され、デビューラリーのマツダCX-5がXC-2クラスで2位表彰台を獲得する走りをみせた。
2022年にスタートしたXCRスプリントカップ北海道は、北海道内だけのローカルシリーズで、1月のウインターラリーから秋の大会まで全6戦が組み込まれている。第3戦は全日本ラリー選手権との併催イベントとなっており、2日間で合計12本、およそ100kmの競技区間で競われた。
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このラリーに新登場したマツダCX-5は、兵庫県にガレージを持つTCP MAGICがラリー仕様に仕立てた車両で、スーパー耐久シリーズに参戦するMAZDA SPIRIT RACINGとのジョイントプロジェクトとして参戦することになったマシンだ。
6月にシェイクダウンしたばかりだというマツダCX-5は、乗員保護用ロールケージを組み込んだ以外は、バケットシートとフルハーネスシートベルト、サスペンションやブレーキパッドを交換しただけの“ほぼ標準仕様”。SH型2.2リッターのディーゼルターボエンジンを搭載したAWD仕様で、変速機は6速オートマチックを搭載する。
パーキングブレーキも電動のままとなっており、ラリーで活用される“ハンドブレーキで車体の向きを変える”テクニックは使用できない。タイヤはトーヨータイヤからの支援を受ける。
ドライバーにはマツダ開発ドライバーであり、スーパー耐久シリーズで活躍する寺川和紘と、同氏の夫人である石川美代子が登録された。ふたりはかつて中四国シリーズや全日本ラリー選手権に出場していた経験を持ち、2015年のラリー洞爺ではJN-3クラスで初優勝を果たしている。
今回のXCRスプリントカップ北海道第3戦には『車重2000kg以上のクロスカントリー車または気筒容積2000ccを超えるSUV車両』が参加できるXC-2クラスにエントリー。トヨタ・ハイラックスやミツビシ・エクリプスクロス、同じく初参戦のミツビシ・トライトンといったライバルたちを相手にする。
2日間のラリー中、マツダCX-5は車両のフェイルセーフが働いてエンジン出力が制限されるというトラブルや、右フロントタイヤのパンクなどタイムロスを喫してしまう。しかし、ハイスピードかつトリッキーなステージで「車重の軽いCX-5にチャンスあり」と感じた寺川によるプッシュでステージベストタイムを記録するなど好走を披露してクラス2位を獲得した。
CX-5デビュー戦でのポディウムフィニッシュに、ドライバーの寺川は「いろいろとありましたが、無事にフィニッシュできましたし、CX-5のポテンシャルを感じることができたのが成果です。そもそもの課題を見つけることがこのラリーの目的だったので、次戦に向けて改善を図ることができます。それでも競う以上、2位は悔しいです」と語った。
ほとんど標準仕様ながら、XC-2クラス2位でポテンシャルの高さをみせつけたマツダCX-5。次戦第4戦には、ドリフトエンターテイナーであるマッド・マイクを起用する予定とのことで、引き続き好結果が期待できそうだ。
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