あらゆる側面でスポーティさを向上
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
BMWでドライビング・ダイナミクスの責任者を務めるジョス・ファン・アス。新しい4シリーズ・クーペを説明する時、ステアリングホイールを握るような仕草をしながら、熱い気持ちを顕にした。
「以前のモデルと比較して、あらゆる側面でスポーティさを高めています。しかも、全体的な快適性も向上させています」 と話すジョス。
筆者は2種類のプロトタイプで、ドイツのアウトバーンを280km/h以上の速度域で運転する機会をいただいた。とても滑らかな舗装が施された、一般道も。
1台目の試乗を終え、乗り換えるために、路肩へ4シリーズ・プロトタイプを寄せる。新しい4シリーズの開発責任者から、最も明確な訴求力はどこにあるのか、直接聞きたいと感じた。
四輪駆動のM440i xドライブから、少し穏やかな後輪駆動の430iへ座り直しながら、会話を続ける。彼は可変式電動パワーステアリングが、最大の貢献的技術だと考えているようだ。
「従来以上にダイレクトでレスポンシブなクルマにするべく、注力してきました。鮮明性も、リニア感も高めています。ボディ構造も、従来以上に強固になっています。4ドア以上に高い基準を与えました」
新しいBMW製の2ドアクーペで、多くの時間を費やしてきたジョス。仕上がりに対するプライドは高い。
8シリーズに通じるボディライン
新しい4シリーズ・クーペのコードネームはG30。先代モデル以上にスポーティな内容を目指すだけでなく、快適性も引き上げている。ベースとする3シリーズとは、異る特性を狙っている点にも注目だ。
3シリーズとの違いは、スタイリングを見ても明らか。プロトタイプとして軽くない偽装をまとっていたが、これまでの4シリーズ以上に滑らかなボディラインを観察できる。兄弟モデルのサルーンとは明らかに違う。
偽装が解かれるまでは、2019年9月のフランクフルト・モーターショーで姿を見せた、コンセプト4シリーズ・クーペの姿と重ね合わせるしかない。論争となるフロントグリルについては、ここでは書かないでおこう。
少なくともプロポーションは、従来以上にシャープ。緩く傾斜するボンネットは長く、強く寝かされたルーフラインが、比較的高い位置のテール周りへとつながる。
デザインのライン構成や美的要素は、ふた回り大きい8シリーズ・クーペに通じる。ジョスによれば、空気抵抗値を小さくし、ダウンフォースを大きくするためのデザインでもあるという。
前後のホイールアーチも大きい。最大で20インチまでのホイールに対応するためだ。
ボディサイズはさほど大きいわけではないが、近づいてみるとボリューム感はある。骨格をなすのは、CLAR、クラスター・アーキテクチャーと呼ばれるもので、最近の縦置きエンジンのBMWに共通するプラットフォームだ。
当面は後輪駆動の430iと四輪駆動のM440i
ホイールベースは2851mmで、先代より42mm長い。BMWは正確なボディサイズを明らかにしていないが、3シリーズ・サルーンより57mmも全高は低いという。全長と全幅は少し大きくなるようだ。
このクーペは、4シリーズのモデルファミリーを構成する第一弾。続いてカブリオレとグランクーペが、2021年に登場する。ちなみに新しい4シリーズ・グランクーペは、純EVのi4のベースにもなる。
新しい4シリーズ・クーペも、実際にショールームへ並ぶのは半年ほど先。BMWは今のところ、430iとM440iの2つのモデルグレードのみを発表している。420iと430d、435dも後日追加となる模様。
もちろん、4シリーズ・クーペの頂点には、2代目になるM4も控えている。登場は1年以内とされている。最近リニューアルしたアウディRS5クーペと、新しいメルセデスAMG C63クーペの、好敵手となることは間違いない。
当面の間は、今回試乗したM440i xドライブが、4シリーズ・クーペのハイライトとなる。ジュニアM4と呼べる運動性能と品質に、安全技術、最新の四輪駆動システムを搭載する。
エンジンは3.0Lの直列6気筒ターボで、電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドが組み合わされる。アクセルオフで、エンジンを休止させることも可能だ。
最高出力374psを、5500rpmから6500rpmの範囲で発生。最大トルクは1850rpmから5000rpmの間で、50.9kg-mを生み出す。滑らかでとても力強い。アクセルペダルを踏んだ以上のエネルギーを体感できる。
ディーゼルのように低回転から強力
左側のシフトパドルを1秒以上引くと、スプリント・モードが起動する。オルタネーターが11psを加算し、さらに力強さを増してくれる。アクセルを穏やかに操作し、高めのギアを保てば、素晴らしくリラックスした高速巡航も味わえる。
もう1台試乗したのは、430i。英国ではこちらの方が人気となるだろう。エンジンはBMW最新の2.0L 4気筒ターボガソリンで、4ドアサルーンの330iと同じユニット。
最高出力258psを、5000rpmから6000rpmで発生。最大トルクは1640rpmから5000rpmの間で、40.7kg-mを湧出する。先代のユニットより、7psと4.6kg-m、たくましくなっている。
排気ガスの微粒子を取り除くガソリン・パティキュレート・フィルターを装備し、エグゾーストノートは特にメロディアスというわけではない。それでも惹き付けられるレスポンスを持ち、パワー感もリニア。
滑らかに、7000rpmまで気持ちよく吹け上がる。加えて豊かなトルクが、動的性能の基礎をしっかり支える。
まるでディーゼルエンジンのように低回転から強力で、感心するほどの柔軟性を備えている。430iは忙しい変速なしに、活発な中間加速を楽しませてくれる。
この豊かなトルクを生み出すエンジンに相性抜群なのが、トルクコンバーター式の8速AT。秀抜の洗練性も獲得している。
Dレンジに入れたままで、リズム良くスムーズに変速を完了。Sモードにすれば、期待通りにスポーティ度がアップする。ステアリングホイールに付いたシフトパドルを弾いたり、セレクターを倒せば手動での変速も可能だ。
この続きは後編にてご紹介しよう。
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中国の影響が大きくなればなるほど、かつてのBMWから遠ざかっていく...昔からのBMWファンとしては、近年のBMWは本当に残念でならない。