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スズキ GSX-S1000GT [’22後期 新型バイクカタログ]:元気のいいエンジンと電脳充実のスポーツツアラー

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スズキ GSX-S1000GT [’22後期 新型バイクカタログ]:元気のいいエンジンと電脳充実のスポーツツアラー



「目指したのはこれまでにないスポーツツアラー」スズキGSX-S1000GT 開発者インタビュー

●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司 田宮徹 宮田健一) ※情報更新日:2022年7月30日

スズキGSX-S1000GT 概要

ネイキッドのGSX-S1000とエンジンやメインフレームといった主要コンポーネンツを共用するスポーツグランドツアラー。S1000同様のトラクションコントロール/パワーモード/クイックシフターはもちろんのこと、電脳面はさらに充実しており、フルカラーTFTメーター/スマホ接続機能/クルーズコントロール/ETC2.0車載器などが標準装備だ。特にメーターは、スマホアプリとの連動でナビ画面の表示も可能なのが特徴。車体も新作シートレールやハンドルやステップへの振動対策など各所に手が加えられ、タンデムを含めたツアラーらしい快適性を高めるための工夫がなされている。

’22 スズキGSX-S1000GT

◆主要諸元

―― 【’22 SUZUKI GSX-S1000GT】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 150ps/11000rpm 10.7kg-m/9250rpm ■226kg シート高810mm 19L ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●クイックシフター(アップ&ダウン) ブルートゥース ●価格:159万5000円

―― 【カラーバリエーション】カラーバリエーションは、メタリックトリトンブルー/メタリックリフレクティブブルー/グラススパークルブラックの3色。 [写真タップで拡大]

◆ライディングポジション

―― ライディングポジションはコンパクト。やや幅広なアップハンドルを持ち前傾度の少ない姿勢となるが、風当たりは若干ある。足着きは両足の腹まで接地し、とにかくリッターツアラーとしては車重が軽いので引き起こしが非常に楽だ。[身長168cm/体重61kg]

◆エンジン/シャーシ/足まわり:名作K5エンジンは新型でも健在

ライダーの意思に忠実かつ力強く反応するエンジンは、今も名作と言われる’05年型GSX-R1000(K5)に由来。この新型GTでは、新作カムシャフト&キャタライザーなどでユーロ5排出ガス規制に適合させつつパフォーマンスを向上。さらに電子制御スロットルを核としたエレクトロニクスで扱いやすさや利便性まで全方位に強化している。

フレームについては、従来型のFからメインフレームとスイングアームを踏襲しつつ、パッセンジャーシートの大型化など快適性を高めるため新作シートレールを採用した。

―― 黄色い部分が変更箇所。2次エアリードバルブ/吸排気カム/バルブスプリング/カムチェーンテンショナーなど多岐にわたる。 [写真タップで拡大]

―― トルクの谷を解消し、スペック上の最大トルクはやや下がっているものの2000~1万1500rpmにおける平均トルクはむしろ1.9%強化した。スズキの社内テストでは先代Fに対し0-200m加速で0.06秒、0-400m加速で0.1秒短縮している。 [写真タップで拡大]

―― KYB製φ43mm倒立フォークはフルアジャスタブルで、リヤサスペンションとともにセッティングを変更した。前後タイヤは最新のダンロップ製スポーツマックス・ロードスポーツ2だ。

―― フロントブレーキはφ300mmダブルディスクとブレンボ製モノブロック4ピストンキャリパーを継承。ホイール形状も従来から変わっていない。※写真は欧州仕様

―― スイングアームは’17年型GSX-R1000から転用されたもので、ロードホールディングや運動性、ハイスピード域での安定性に定評アリ。※写真は欧州仕様

◆エアロダイナミクス:トータルで空力特性を追求したフォルム

空力については、大型カウル&スクリーンやバックミラーによってトータルに性能を追求している。スクリーンは左右端の形状を工夫することで風の巻き込みも軽減。カウルマウントになったミラー(折り畳みも可能)は、ライダーの手元から肩にかけての気流もコントロールする。細かいところではアンダーブラケットの下にもカバーを設置した。

―― アンダーブラケット下にもカバーを設置し、フロントフォーク間のあたりからライダーの顔方向へと抜けてくる風をシャットアウト。※写真は欧州仕様

―― 小型のウイングレットが膝まわりの走行風を整流してくれる。※写真は欧州仕様

―― 燃料タンクは容量を17L→19Lに増大。エグリは大きくとられニーグリップ部はスリム。ちなみに、WMTCモードで約19.68km/Lへと向上した燃費(従来は19.1km/L)とあいまって、計算上の航続距離は370kmに。※写真は欧州仕様

―― 従来からかなり大型化されたウインドスクリーンは、両端を折り曲げたような形状とすることで、ライダーの肩に当たる風を軽減した。※写真は欧州仕様

―― コンピュータによるシミュレーションで風の流れを解析。風洞実験とともにこうした技術も最大限に用いて開発は進められる。 [写真タップで拡大]

◆電子制御:電脳は大幅進化でスマホ接続やクルーズコントロール/クイックシフターも

電子制御スロットルを軸とした「スズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)」はこのマシンの目玉。SDMS(いわゆるパワーモード)/STCS(トラクションコントロール)/双方向クイックシフト/クルーズコントロール/スズキイージースタートシステム/ローRPMアシストをひっくるめた総称だ。SDMSは3モードで、もっともスポーティーなモードA(アクティブ)、基準となるモードB(ベーシック)、そしてもっともソフトなモードC(コンフォート)がある。トラコンは従来の3段階+オフから5段階+オフに進化した。ローRPMアシストは従来から継承しているが、SCAS(スズキクラッチアシストシステム)と協調して働くようにアップデートされている。

―― 【もはやツアラーの必須装備】新採用されたクルーズコントロールは、2速以上のギヤ、かつ速度は30~180km/hの間で走っている際に利用できる。※写真は欧州仕様

―― 左手元のスイッチボックスで各種電脳機能を操作。右下にあるのはクルーズコントロール設定用のボタンだ。※写真は欧州仕様

―― 【メーターにナビ表示可能】6.5インチメーターは、Wi‐Fiまたはブルートゥースでスマートフォンと接続し、専用アプリ「Suzuki mySPIN」を介して電話/ナビ/音楽などが操作できる。
[写真タップで拡大]

◆主要装備

―― モノフォーカスLEDヘッドライトは、左がロービーム、右がハイビームを担当する左右独立点灯タイプ。その上のカウル先端にポジションランプが配置されている。※写真は欧州仕様

―― テールセクションを含め灯火類はフルLED。新たにパッセンジャー用の大型グラブバーを標準装備(従来はオプション設定もなし)している。※写真は欧州仕様

―― テーパー形状のハンドルバーはラバーマウントのフローティング式。グリップ間の幅は従来のFより23mm拡大された。ミラーはカウルマウントに。※写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]

―― 前後とも快適性を向上したシートはスポーツ走行にも配慮したという。※写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]

―― ライダー/パッセンジャーともステップバーはラバー付きに変更され、振動による疲れを軽減してくれる。バーの位置自体は従来を踏襲した。※写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]

文:WEBヤングマシン ヤングマシン編集部
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