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”お騒がせ”リッチエナジー、またも契約トラブル発生! かつてはハースF1との契約で泥沼劇

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”お騒がせ”リッチエナジー、またも契約トラブル発生! かつてはハースF1との契約で泥沼劇

 2019年にハースF1チームのタイトルスポンサーを務めながらも、物議を醸す形で契約を打ち切ったエナジードリング会社のリッチエナジーが、再びモータースポーツの世界で波乱を巻き起こしているようだ。

 7月17日(日)、リッチエナジーはソーシャルメディアでOMGレーシングとのタイトルスポンサー契約を打ち切ることを突如発表した。

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 ブリティッシュ・スーパーバイク(BSB)でヤマハのバイクを走らせるOMGレーシングは、現在ブラッドリー・レイを擁してランキング首位に立ち、今年はマン島TTにジェームス・ヒリアーとデヴィッド・ジョンソンを擁して出場するなど、プロジェクトを拡大している最中にあったため、これは衝撃的な発表だった。


 発表された声明には、次のように記されていた。

「リッチエナジーは、過去2年間のOMGレーシングUKの活動に感謝したいと思うが、この契約はすべて終了となった。リッチエナジーは、スポーツを含む多くの分野でそのポートフォリオを拡大している」

 リッチ・エナジーとOMGの契約は2020年2月に締結された。当時同チームは、BSBでのタイトルスポンサーとロードレースでの活動拡大のために、リッチエナジーと「数百万ポンド」の契約を結んだと発表している。

 これは、2019年6月のイギリスGPを前に始まったリッチエナジーとハースF1チームの分裂から約半年後のことだった。

 リッチエナジーがタイトルスポンサーに就き、往年のロータスを思わせるブラック&ゴールドのカラーリングで2019年シーズンに臨んでいたハース。しかし、成績不振を理由に突如リッチエナジーから契約解除を通告されたのだ。

 当時、リッチエナジーの創設者であり、CEOでもあったウイリアム・ストレイが、同社の公式Twitterアカウントで契約の終了を発表した。しかし株主たちは、ハースとの契約の継続を望み対立。ストレイはTwitter上で、自分に対するクーデターが起こされているとも主張した。

 2019年9月になると、ハースとリッチエナジーとの契約の”友好的な”解消が発表された。またリッチエナジーは、自転車メーカー『Whyte Bikes』のロゴを盗用したとして、著作権侵害の裁判に敗訴するなど、状況は混迷を極めた。にもかかわらずOMGは、リッチエナジーとの契約を結んだのだ。

 OMGのチームオーナーであるアラン・ガードナーは、2020年2月にリッチエナジーとの契約を結んだ際、デューデリジェンス(リスク調査)を実施したとmotorsport.comに明かしていた。

「リッチエナジーに関連した以前の論争についてはよく承知している」

「しかし、ウイリアム・ストレイとリッチエナジーのチームは、ビジネス上の取引において非常に透明性が高く、我々のパートナーシップを前進させることに全幅の信頼を寄せてくれている」

 それから1年半の間は、この言葉が真実かのように思えたが、どうやらリッチエナジーとOMGの契約解消も、ハースの時と同じような混乱に陥っているようだ。


 リッチエナジーがOMGレーシングとの契約を終了したとTwitterで発表した後、ストレイはSuperbike.comに対し、昨年11月の再交渉交渉の後、リッチエナジーがチームに関する独自のデューデリジェンスを行ない「かなり心配な事実を突きつけた」と主張したのだ。さらに彼はOMGについて、契約は終了するものの、BSBのシーズンが終了する10月までは支援が継続されると知りながら、チームが「繰り返し不誠実に行動した」と主張している。

 こうした批判にチームも黙っていなかった。ストレイのコメントは全くの誤りであり、リッチエナジーとの契約を明確にする独自の声明を7月20日(水)に発表している。

 チーム曰く、ストレイとリッチエナジーのブランドオーナーがOMGレーシングのスポンサーになったことはなく、チームはリッチエナジー社のエナジードリンクの販売と流通の世界的な権利者である『RichOMG Ltd.』から資金提供を受けているとのことだ。

 OMGレーシングは声明の中で、RichOMG Ltd.から現在のスポンサーシップ契約は「しっかりと継続されている」という保証を得たと述べている。

 チームの声明文は以下の通りだ。

「ここ数日のソーシャルメディアへの投稿、プレスインタビュー、出版物を受け、リッチエナジーOMGレーシングチームは、BSBにおけるチームのスポンサーシップについて、事実関係を明らかにしたいと思う」

「リッチエナジーOMGレーシングは、ウイリアム・ストレイがスポンサーではないし、これまでもそうだった」

「リッチエナジーOMGレーシングは、リッチエナジーのブランドオーナーがスポンサーではないし、これまでもそうだった」

「リッチエナジーOMGレーシングのスポンサーは、飲料『リッチエナジー(クラシック)』『リッチエナジー シュガーフリー』のグローバル販売・流通権利を持つRichOMG Ltd.だ」

「このスポンサーシップ契約は、2020年シーズンに先駆けて2020年3月に締結され、現時点でもしっかりと継続されている」

「また、2022年に開催されたノースウエスト200とマン島TTレースに出場する際にも、スポンサーシップは延長された」

「今週初めにRichOMG Ltd.と話し合った結果、RichOMG Ltd.が行なっている他のすべての既存スポンサーシップもそのまま継続され、支払いが行なわれることを確約された」

 チームの発表した声明を、RichOMG Ltd.の公式Twitterアカウントもツイートしていることから、ハースの時のように、リッチエナジーの内部で何か深刻なボタンの掛け違いが発生していることは間違いないようだ。

 ストレイは、トップレベルのシングルシーターレース(驚くべきことにF1も含む)やMotoGPへの進出を追求していると主張しているが、その実現の可能性は低いと見られている。

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