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ACO、2028年WECの水素カー参戦はスパ、ル・マンの2戦のみを予定。富士が加わる可能性も

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ACO、2028年WECの水素カー参戦はスパ、ル・マンの2戦のみを予定。富士が加わる可能性も

 当初の予定から計4回にわたって延期されたことにより、スポーツカーレースのトップクラスにおける水素自動車の登場は4年後に先延ばしされた。その2028年に導入が予定される水素エンジン車または水素燃料電池車両は、WEC世界耐久選手権の限られた日程でのみレースに参加することになりそうだ。

 ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長はSportscar365を含む一部メディアに対し、新カテゴリーの初年度はスパ・フランコルシャン6時間レースとル・マン24時間レースにのみ新しいクルマが出場する予定で、同年の富士での追加出場の可能性も検討されていることを明らかにした。

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 この発表は、今季2024年のル・マンでアナウンスされた、『水素自動車の導入を2028年に延期する決定』と、現行の『ハイパーカーのルールセットを2029年まで延長する決定』に続くものだ。

「最初の年はスパとル・マンで(水素自動車を)走らせる計画だ」とフィヨン会長は語った。「様子を見てみよう。各メーカーの準備がどれだけ整うかにかかっている」

 水素カーのための3回目のレースがル・マン後のシーズン後半に検討される可能性があるかとのと質問に、同氏は「日本であるかもしれない」と答えている。

「もちろん、すべての国と協力しなければなならない。日本のルールはヨーロッパと異なるからだ」とフィヨンは続けた。「しかし、私たちはフランスの消防士たちと協力して、標準的なものを作ろうとしている」

 これまでのところ、トヨタは現在のハイパーカーメーカーの中でもっとも声を大にして水素を使ったレースへの関心を表明しているが、確約には至っていない。他のメーカーではアルピーヌやBMWがこの分野に熱意を示しており、ハイパーカーメーカー以外ではリジェとサリーンがレーシングモデルの研究・開発を行っていることを明らかにしている。

 フィヨンは、ACOとFIA国際自動車連盟が年内に新カテゴリーの規則を策定することを目指していることを打ち明けた。

「私たちはFIAとともにセーフティレギュレーション作りに取り組んでいる」と同氏。「通常であれば、2024年末までには何らかのパッケージが完成するだろう」

「その後、我々はエネルギーパートナーと協力して液体モバイルステーションを導入しなければならない。すべての(サーキットに)建設しなければならないインフラについて、彼らと協力する必要がある」

■トヨタGR010ハイブリッドと水素カーの同時投入は可能か

 トヨタのチームディレクターであるロブ・ロイペンは、ACOの水素導入に対する段階的アプローチに不安を感じていないと述べた。

「私たちはとても多くの問題について話し合っているが、水素のためにどのような環境があり、どのようなインフラが必要なのかを確認する必要があるため、これについては非常に現実的だ」とロイペンはSportscar365に語った。

「どの国にも独自の規制があるだろう。しかしEUでは統一されていくことを期待している」

「私たちは日本の仲間たち(スーパー耐久でのGRカローラH2コンセプト・プロジェクト)から水素について多くのことを学んでおり一歩一歩進んでいる。だが、(将来のWEC水素カテゴリーについては)まだ明確なルールがないため、手探りの状態だ」

 ロイペンは、新クラスの初年度となる2028年シーズンに水素カーが登場しないレースでトヨタがGR010ハイブリッドを走らせ続けるかどうかについては言及しなかった。

「理論的には、2029年末まではハイパーカーをそのまま走らせることができ、2028年の初めにはH2(水素カー)でレースをすることができる。しかし、それは非常に難しい」

「まずは一連のレギュレーションが必要であり、他に誰が参加するのか、しないのかを見極める必要がある」

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