万が一バッテリーが破損したら
「バッテリーの安全性ってどうなの?」
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バッテリー駆動EVの普及が始まって以来、こうした不安の声が多く聞かれるようになった。これは正しい疑問である。自動車メーカーはバッテリーパックを保護するために多大な努力を払っているが、どのように安全性が守られているのか、知っていて損はない。
バッテリーには十分な物理的保護が施されているが、一般的にバッテリーコンポーネントはクルマの床下部分に搭載されるため、車体底部が損傷すると危険にさらされる可能性がある。
そこで、タイヤメーカーであり、広い意味では世界最大の自動車関連技術開発企業の1つであるコンチネンタルは、バッテリー衝撃検知システム(BID)と呼ばれる専用のセンシングシステムを開発した。
例えば、路上に落ちている石や金属片などの上をクルマが通過する際、はずみで底面を傷つけてしまうことがあるため、EVではバッテリーを保護する頑丈なカバーが使用される。しかし、もし何か重いものが飛んできてクルマの底面にぶつかったら、修理工場に点検に出すべきかどうか、何を基準に判断すればいいのだろう。
おそらくほとんどのドライバーは、何も問題がなそうな「雰囲気」があり、警告灯も点灯していなければ、気にしないのではないだろうか。
軽量化や急速充電にも有用?
BIDは、圧力センサーで車体底部にかかる衝撃を検知する。車体がどのような衝撃を受けたかを分類し、バッテリーの劣化を検知するとドライバーに警告を発する仕組みだ。また、バッテリーの損傷箇所を正確に特定し、その情報を車載のバッテリーマネジメントシステムに伝えることで、該当箇所のセルを放電し、出火の可能性を回避することができる。
いわば、ある種の電子的ガードマンが車載システムと連携し、バッテリーの状態を常に監視・チェックしているということだ。コンチネンタルは、BIDによりバッテリー保護パネルの重量を最大50%削減できるとしている。
高速走行時の衝撃だけでなく、低速走行時にも有効だ。この場合、BIDは車高可変サスペンションシステムを作動させ、車体を一瞬だけ持ち上げて縁石などの障害物を避ける。
圧力センサーの一部は、10年以上前からある歩行者保護システムから派生したものだ。このセンサーは、バッテリーコンパートメントの底に蛇行するように取り付けられたシリコンチューブで構成されている。
BIDは、コンチネンタルの展開する「センサー製品群」の最新システムで、高電圧電流センサーモジュール(CSM)と共に、バッテリーの健康状態を保つために充電時の電流と温度を正確に監視するものである。
バッテリーが充電されるとき、特に大電流による急速充電や、スポーティーな運転による急速放電が起こると、バッテリーは高温になる。その際、破損を防ぐために温度変化を制御する必要がある。
CSMは、バッテリーの健康や安全性の維持と、充電時間を最小限に抑えることのバランスをとるものだ。そのためにも、正確な充電が必要である。また、CSMは消費電流を監視することで、航続可能距離の算出にも役立つというメリットもある。
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みんなのコメント
水素自動車の場合は車が燃えるのではなく漏れた水素が大爆発。
水素が都市部で爆発したらビルのガラスが降り注ぐ。