11月30日、2024年F1第23戦カタールGPのスプリントが行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がトップチェッカーを受けた。2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。角田裕毅(RB)は17位となった。
2024年は6戦が行われるタイヤ交換義務のないスプリント。シーズン最後のスプリントとなる今回、タイヤ選択は19台がイエローのミディアム(C2)をチョイス。そんななかで周冠宇(キック・ザウバー)のみレッドのソフトタイヤ(C3)を装着した。
なお、セルジオ・ペレス(レッドブル)とフランコ・コラピント(ウイリアムズ)の2台はパルクフェルメ管理下でサスペンションのセットアップ変更を実施したためピットレーンスタートとなった。
日没から間もない現地時間17時(日本時間23時)開始のフォーメーションラップを経て、気温21度、路面温度26度のなか、19周のスプリントは開始された。
ノリスがホールショットを守るなか、3番グリッドスタートのピアストリがラッセルをかわし、スタート早々にマクラーレンがワンツー体制を築く。また、6番グリッドスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は9番手までポジションを下げてしまう。
一方、RBの2台は厳しいスタートとなった。10番グリッドスタートのリアム・ローソン(RB)は蹴り出しが悪く17番手、16番グリッドスタートの角田は18番手までポジションを下げてしまう。
2周目からDRSが使用可能となると、ジリジリと間合いを詰めた3番手ラッセルが4周目のターン1でピアストリのインに飛び込む。しかし、ピアストリはラッセルの行く手を塞ぎ、ポジションを死守する。
7周目、ローソンが周冠宇をパスし16番手に浮上。唯一ソフトを履いた周冠宇だったが、レース折り返しを迎える前にタイヤが限界を迎え、ラップタイムは角田の3秒落ちに。その後も角田、コラピント、ペレスと次々とかわされ、8周目には最後尾の20番手に。
周冠宇は11周目にタイヤをミディアムに履き替えることとなり、タイヤに厳しいルサイル・インターナショナル・サーキットではソフトタイヤによるギャンブルは成功しなかった。
ノリスを先頭にDRSトレインが形成されるも、この後に予選が控えていることもあり、上位勢の多くは思い切ったオーバーテイクには入れない。そんななか、13周目のターン1でシャルル・ルクレール(フェラーリ)がハミルトンにしかけると、続くターン2でルクレールが5番手に浮上する。
翌14周目には同じくターン1でラッセルがピアストリのインに飛び込んだが、ブレーキング直前にピアストリが走行ラインをイン側のズラして2番手を死守する。このブロッキングにラッセルは苛立ちを無線で伝える。
終盤、首位のノリスもフロントタイヤが厳しくなってきたと無線で伝えるが、2番手ラッセルにDRSを与えるかたちでアシスト。ペースの上がらないピアストリだったが、ノリスのDRSのおかげでかろうじて2番手の座を死守する。
ただ、18周目を迎える直前、ノリスとピアストリのギャップは1.4秒まで開き、ピアストリはDRSを使えない状況に。これで18周目のターン1でラッセルの接近を許すが、ピアストリはポジションを守り切った。
19周目を終えて、ノリスがトップチェッカーを受けるかと思われたが、チェッカー直前の最終コーナーを立ち上がってからノリスがスロットルを緩めてピアストリにポジションを譲り、ピアストリがスプリント勝者に。譲ったノリスが2位となり、3位にラッセルが続いた。
ファイナルラップでチームからは「このままの順位でチェッカーを受けてくれ」と無線が飛んでいたが、ノリスは「チームはやるなと言ったが、ブラジルのお返しをいつかやろうと思っていた」と、チェッカー後の国際映像インタビューで発言しており、自発的にポジションを譲ったかたちだ。
スプリントでは上位8台までがポイント獲得となるなか、4位にカルロス・サインツ(フェラーリ)、5位にルクレール、6位にハミルトン、7位にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、8位にフェルスタッペンが続いた。RBはローソンが16位、角田が17位となった。
続いて日本時間12月1日3時からは、57周の決勝レースのスターティンググリッドを決する公式予選が行われる。
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