現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > トヨタ、新時代のWEC戦うハイパーカー『GR010』を先行公開! LMH規定に対応しマシンを一新

ここから本文です

トヨタ、新時代のWEC戦うハイパーカー『GR010』を先行公開! LMH規定に対応しマシンを一新

掲載 更新 1
トヨタ、新時代のWEC戦うハイパーカー『GR010』を先行公開! LMH規定に対応しマシンを一新

 FIA世界耐久選手権(WEC)に参戦するトヨタは、2021年シーズンを戦うLMH(ル・マン・ハイパーカー)規定のニューマシン『GR010』の画像を先行公開した。

 GR010の正式発表は1月15日に行なわれることになっている。今回公開された画像は2020年10月にポール・リカールで行なわれたテストで撮影されたもので、迷彩カラーをまとっている。

■トヨタ、LMHマシンのテストを実施。ロペスは信頼性に好印象「複雑なクルマなのに最初から良い」

 2020年まで使用されていたTS050は、1991年のグループC時代にトヨタが開発したプロトタイプカーであるTS010からナンバリングを引き継いでいたが、ニューマシンの名称は一旦ナンバリングをリセット。名前につけられているGRは、トヨタのモータースポーツ活動を担うサブブランド『GAZOO Racing』の略だ。

Read Also:
トヨタ、LMHマシンのテストを実施。ロペスは信頼性に好印象「複雑なクルマなのに最初から良い」
新時代を迎えるWEC。トヨタ新車vsアルピーヌの戦いは「性能調整が左右する」
 公開された画像を見る限り、GR010はTS050に似たマシンにも見えるが、TOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、TS050から引き継がれたコンポーネントはほとんどないと言う。

「レギュレーションの考え方が大きく異なるため、スイッチやセンサーなどの一般的な部品を除けば、2台の間でキャリーオーバーされた部品はほとんどない」

「完全に新しい車だ」

 バセロンは、TS050とGR010のデザインコンセプトの違いについて、ハイブリッドシステムが大きく異なっていると説明した。

 2014年から2年間使用されたTS040およびTS050は、フロントとリヤに運動エネルギー回生システム(KERS/モーター&インバータ)を搭載していた。しかしLMH規定では、フロントアクスルにのみエネルギー回生システムをひとつ搭載することが認められている。

「我々はフロントとリヤにふたつのKERSを搭載し、ブレーキ・バイ・ワイヤでコントロールするシステムを導入していた」

 そうバセロンは語った。

「それはもう許されない。レギュレーション上、KERSとブレーキ・バイ・ワイヤはフロントのみに限られる」

「これにより、多くの違いとチャレンジが生まれる。例えば、リヤのモーターがなくなったことで、スターターモーターが必要になり、リヤのブレーキシステムは従来のレーシングカーのように完全な油圧式になった」

 トヨタはGR010の内燃機関の技術的な詳細情報を明かしていないが、これは15日の正式発表時に明かされるようだ。

 LMHのレギュレーションでは、内燃機関単独またはハイブリッドシステムとの組み合わせ、最大出力は500kW(670bhp)と規定されている。また、車両の最低重量は1030kg。LMP1規定のTS050が878kgだったことを考えると大幅に重量が増えている。

 バセロンは「ラップタイムに影響があるのは間違いない」と話した。

「新しいルールの目標はパフォーマンスをより手頃なモノにすることだ。パフォーマンスの追求にはお金がかかるからね」

「ル・マン(1周13.629km)では10秒前後ラップタイムが遅くなることが予想される。通常WECで使用される1周5kmほどのサーキットでは、4~5秒ほどタイムが遅くなるはずだ」

 ル・マン24時間レースが行なわれるサルト・サーキット(1周13.629km)では、2017年に小林可夢偉が3分14秒791のレコードタイムを記録している。WECの最高峰クラスにはLMH規定のマシンに加え、2022年からLMDh規定のマシンが参戦するが、ル・マンでの目標ラップタイムは3分30秒とされている。

 トヨタはGR010のテストをこれまで2回行なっているが、アラゴンで3回目のテストを1月12日から14日にかけて行なっている。TS050のドライバーである小林可夢偉と中嶋一貴は、渡航制限の影響もあってこれまでのテストには参加できていなかったものの、今回のテストには加わっているようだ。

 トヨタはGR010を正式発表する際に、2021年シーズンのWECドライバーも発表すると見られているが、ドライバーは変更しないと考えられる。

こんな記事も読まれています

"カチコチ" に凍ったこの車両は… 初公開「超高級EV」寒冷地テスト 英レンジローバー・エレクトリック
"カチコチ" に凍ったこの車両は… 初公開「超高級EV」寒冷地テスト 英レンジローバー・エレクトリック
AUTOCAR JAPAN
求人増加、物流業界に見るデジタル化の波…リクルート調査
求人増加、物流業界に見るデジタル化の波…リクルート調査
レスポンス
なぜホンダ「アクティ」に大量のハーブが…!? ペパーミントカラーの軽トラはアロマ専門店の看板車、抽出作業を披露いたします
なぜホンダ「アクティ」に大量のハーブが…!? ペパーミントカラーの軽トラはアロマ専門店の看板車、抽出作業を披露いたします
Auto Messe Web
GW渋滞、伊勢湾岸道・伊勢道・東名阪道で20km以上! ピークはいつ・どこで発生? 【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、伊勢湾岸道・伊勢道・東名阪道で20km以上! ピークはいつ・どこで発生? 【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
ホンダと旭化成、LIBセパレーターで協業 カナダで合弁生産へ 2027年量産開始
ホンダと旭化成、LIBセパレーターで協業 カナダで合弁生産へ 2027年量産開始
日刊自動車新聞
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
カー・アンド・ドライバー
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】混雑を避けて移動したい! 道路別・渋滞予測まとめ
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】混雑を避けて移動したい! 道路別・渋滞予測まとめ
くるくら
最近聞かない「水抜き剤入れますか?」のセリフ! なぜ勧められなくなった? 昔はよく声掛けられたのに…なぜ?
最近聞かない「水抜き剤入れますか?」のセリフ! なぜ勧められなくなった? 昔はよく声掛けられたのに…なぜ?
くるまのニュース
修理代を請求されることはある? 教習所で転倒してしまった場合の責任の所在
修理代を請求されることはある? 教習所で転倒してしまった場合の責任の所在
バイクのニュース
MINIに新種『エースマン』登場、航続406kmのEV…北京モーターショー2024
MINIに新種『エースマン』登場、航続406kmのEV…北京モーターショー2024
レスポンス
GW渋滞、京滋バイパス・阪和道・近畿道・西名阪道・京都縦貫道のピークはいつ?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、京滋バイパス・阪和道・近畿道・西名阪道・京都縦貫道のピークはいつ?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
ヨコハマタイヤ 日本のスーパーフォミュラマシンを使った無人自動運転レースにアドバンタイヤを供給
ヨコハマタイヤ 日本のスーパーフォミュラマシンを使った無人自動運転レースにアドバンタイヤを供給
Auto Prove
EVけん引役の米テスラ、4年ぶりの減収減益で“大騒ぎ”[新聞ウォッチ]
EVけん引役の米テスラ、4年ぶりの減収減益で“大騒ぎ”[新聞ウォッチ]
レスポンス
日産ではない日産車? 本格4WD「謎のSUV」発表!新型「パラディン」って? 手掛ける鄭州日産、中国で誕生
日産ではない日産車? 本格4WD「謎のSUV」発表!新型「パラディン」って? 手掛ける鄭州日産、中国で誕生
くるまのニュース
スバル『レガシィ』セダン、2025年春に生産終了へ…電動化への移行を反映
スバル『レガシィ』セダン、2025年春に生産終了へ…電動化への移行を反映
レスポンス
ホンダ・WR-V vs ライバル ~ヤリス クロス/CX-3/クロスビー etc.~
ホンダ・WR-V vs ライバル ~ヤリス クロス/CX-3/クロスビー etc.~
グーネット
日産 リビングと車内がシームレスにつながるNissan ConnectにGoogleを搭載
日産 リビングと車内がシームレスにつながるNissan ConnectにGoogleを搭載
Auto Prove
【MotoGP】MotoGPの人気復活にはシュワンツのような男がいる? 大注目の新人アコスタ、“個性”あるライダーの必要性感じる
【MotoGP】MotoGPの人気復活にはシュワンツのような男がいる? 大注目の新人アコスタ、“個性”あるライダーの必要性感じる
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村