特別感があり親しみの湧くスタイリング
バッテリーEVは、どれも似たような馬力と航続距離を持ち、特徴が薄いとお感じの読者は少なくないかもしれない。大抵の場合、駆動用バッテリーがフロア下に並び、ダッシュボードには大きなタッチモニターが鎮座している。
【画像】「積極的」に選びたくなる濃い個性 ミニ・カントリーマン 競合の電動クロスオーバーはコレ! 全152枚
しかし、3代目へ進化したミニ・カントリーマン(旧クロスオーバー)は、それらとは一線を画す。まず、見た目がチャーミング。このブランドは、バッテリーEVとの相性が高いのだと実感する。
若々しいスタイリングは、特別感がありつつ親しみが湧く。インテリアには適度なレトロ感が漂い、丸く大きなタッチモニターが個性的。電動化へ舵を切りつつあるミニだが、新型カントリーマンには大きな可能性があるように思う。
間もなく発売される、3ドアハッチバックのミニ・クーパー Eと、コンパクト・クロスオーバーのエースマンは、バッテリーEV専用のプラットフォームを採用している。だが、ひと回り大きいカントリーマンは、BMW X2やiX2のそれと共有している。
駆動用モーターとバッテリーだけでなく、内燃エンジンと燃料タンクにも対応する、マルチ・パワートレイン・プラットフォームだ。先日試乗した、2.0L直列4気筒エンジンで走るミニ・カントリーマンと、同じでもある。
ボディサイズも同一で、全長は現行のミニとしては最大となる4433mm。荷室容量は460Lある。バッテリーEVであることの差別化は、フロントグリルのデザインと、各所に配されるエンブレム程度。ぱっと見は、違いへ気付きにくい。
シンプルでレトロチックなインテリア
カントリーマン Eは前輪駆動で、iX2と同じ203psの駆動用モーターがフロントに載る。四輪駆動のカントリーマン SE オール4では、リア側にも駆動用モーターが追加され、システム総合で313psへ上昇する。
駆動用バッテリーの容量は、共通して64.7kWh。航続距離は、Eで461km、SE オール4で432kmが主張される。急速充電能力は130kWまで。いずれも、このクラスでは特に目立つような数字とはいえない。
反面、インテリアから受ける印象は、他に例がないほど新鮮。試乗車だったエクスクルーシブ・グレードでは、明るめのカラーコーディネートで、シンプルなデザインにレトロチックな処理が散りばめられ、非常に好印象だった。
ダッシュボードを覆うクロスは、スポーツ・グレードより温かみがあり、肌触りも良い。広々とした空間が、魅力を高めている。
車載機能の操作の殆どは、ダッシュボード上のタッチモニターへ集約されている。試乗車には、オプションのヘッドアップ・ディスプレイが装備されていたが、メーター用モニターが省かれていることを考えると、ぜひ追加したいアイテムだ。
インフォテインメント・システムは、一種のドライブモード、8種類の「エクスペリエンス」モードに連動する。タッチモニターの下に並ぶ、ソリッドなトグルスイッチで選べ、グラフィックや表示情報のレイアウトが変化する。
増えた車重を補うツインモーターの動力性能
例えば、タイムレス・モードを選択すると、タッチモニターには1959年のモーリス・ミニ・マイナーを模したスピードメーターが描かれる。駆動用モーターの回転へ連動して再生されるノイズも、小さな4気筒エンジンを想起させるものへ変化する。
ちょっと安っぽいギミックかもしれない。だが、不快に感じるほどではない。
試乗車のインフォテインメント・システムには、僅かなバグが残っていた。カントリーマンの体験を左右するだけに、早期の改善が待たれる。
ツインモーターの動力性能はたくましく、内燃エンジン版から450kgも増える車重を巧みに補う。ちなみに、シングルモーター版では300kg増しになる。
ゴーカート・ハンドリングを追求しているだけあって、乗り心地は硬め。それでも、20インチ・ホイールを履いていても、内燃エンジン版のカントリーマン JCWよりしなやかに路面の凹凸を均していた。
同様に、ステアリングホイールの反応は、そこまでシャープではない。とはいえ、このクラスのSUVとして動的なバランスは高い。オリジナルのミニのように、ラリーステージを痛快に駆け巡ることはなくても、iX2より運転は楽しいように思う。
回生ブレーキは、ブレーキペダルを踏まずに停止もできる、ワンペダル・ドライブへ対応。前方の状況などをクルマに判断させ、自動的に強さを調整させることもできる。だが、iX2のようにドライバーが任意に調整できるパドルはない。
運転したいと思わせる魅力的な個性
先述のエクスペリエンス・モードを切り替えると、アダプティブダンパーの硬さに加えて、ステアリングや駆動用モーターのレスポンスも変化。運転体験の幅を広げる。
グリーン・モードは、いわゆるエコ・モード。タッチモニターにハチドリのイラストが描かれ、環境に優しい状態だと訴える。それ以外に、スポーツに相当するゴーカート・モードと、ノーマルに相当するコア・モードが用意されている。
今回試乗したルートは、ポルトガル郊外の一般道だったが、電費は平均で5.4km/kWhとなった。ミニが主張するカタログ値は5.7km/kWhだから、かなり近い数字といえるが、クラストップの効率ではない。
シングルモーターのカントリーマン Sの方が、英国価格は5000ポンド(約95万円)安く、航続距離は29kmほど増える。こちらの方が、ベター・チョイスかもしれない。
ちなみに、充電の待ち時間が退屈だというドライバーのために、タッチモニターでゲームをプレイできる。試乗車にはラリー・ゲームがインストールされていたが、トヨタ・セリカ GTフォー ST205で楽しませてもらった。
俯瞰すると、ライバルへ明確に勝る数字はスペック表に並んでいないかもしれない。しかしそれは、カントリーマン SE オール4での運転体験のすべてを表現するものではない。
心地良く楽しく、好印象にポップ。魅力的な個性が、積極的に新しいミニを運転したいと思わせる。
ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万9680ポンド(約939万円)
全長:4433mm
全幅:1843mm
全高:1656mm
最高速度:178km/h
0-100km/h加速:5.6秒
航続距離:432km
電費:5.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2000kg
パワートレイン:ツイン励起同期モーター
バッテリー:64.7kWh(実容量)
急速充電能力:130kW
最高出力:313ps
最大トルク:50.2kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)
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