F1第16戦イタリアGPでは、今季ワーストの6位フィニッシュに終わったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。彼は戦闘力を落としたレッドブルのマシンが“怪物”になってしまったと例え、今やタイトル獲得が現実的ではなくなってきていると警鐘を鳴らした。
開幕10戦で7勝を挙げるなど、前半戦はタイトル獲得が確実視されていたフェルスタッペン。しかし中盤戦から後半戦にかけてはライバルの後塵を排するケースが増え、第11戦以降は勝利なし。イタリアGPでは予選7番手に沈むと、決勝でも優勝争いに全く絡めず6位に終わった。これはリタイアしたオーストラリアGPを除くと、モナコGPと並ぶ今季最低のリザルトだ。
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優勝したシャルル・ルクレール(フェラーリ)や、タイトル争いのライバルであるランド・ノリス(マクラーレン)からは30秒以上の差をつけられるなど、まさに大敗となったフェルスタッペンだが、タイトル争いのリードも徐々に失われつつある。8戦を残した段階で、ランキング2番手であるノリスとの点差は62点で、コンストラクターズランキングに関してはレッドブルがマクラーレンに8点差まで迫られてしまっている。
フェルスタッペンの62点というリードは未だ大きなものと言えるが、レッドブルが5月以降マシンバランスの問題に苦しめられていることを考えると、セーフティリードとは言えないだろう。フェルスタッペンは次のように語る。
「今のところ、どちらのチャンピオンシップも現実的ではない」
「これまで色々言ってきたし、あとはチームがマシンに多くの変更を加えてくるかどうかにかかっている。というのも、僕たちのマシンは半年くらいの間に、非常に支配的なマシンから運転不可能なマシンに変わってしまった。これは僕にとっても奇妙なもので、まさにマシンを根本から変える必要がある」
「今の僕たちはどこを取っても悪い状態だから、大きな変更が必要だ」
ポールシッターのノリスが優勝を逃したことは不幸中の幸いだったかと尋ねられると、フェルスタッペンはこう答えた。
「ある意味そうだけど、チャンピオンシップをそういう目で見るのは好きじゃないんだ」
「僕たちは状況を好転させないといけないし、今日と今週末は非常に良くなかった」
「僕たちは遅すぎたんだ。(6秒かかった)ピットストップも当然少しは痛手だった。エンジンにも少し問題があって、レースのほとんどをフルパワーで走ることができなかった」
「戦略面でも、少なくとももう少し戦えるようにうまくやれたはずだ。今週末は多くの面で弱かったと思う」
レッドブルはレースウィークの土曜日に、今後数週間でRB20に施す必要のある変更について検討する緊急の会議を実施した。マシンの挙動について何度も警鐘を鳴らしてきたフェルスタッペンは、これ以上言うことがないと感じている。
「僕たちが何をしなければならないかは誰にとっても明らかだった。今はとにかくそこを好転しないといけない」とフェルスタッペンは言う。
「それをすぐに実行するのは簡単なことじゃない。それをクルマに反映させることができれば、また速く走れるようになる」
「昨年は歴代最高とも言える圧倒的なマシンを手に入れたのに、それをモンスターに変えてしまった。だから好転させないといけない」
「何週間(かかる)かは関係ない。とにかく全力で取り組み続けないといけない。言い訳はできないんだ」
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