世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスのドライバーズタイトル争いにおいて、フェラーリとトヨタは自陣営に獲得のチャンスが消失したと認め、第7戦富士6時間耐久レースを制したポルシェの6号車963 LMDhのケビン・エストレ、アンドレ・ロッテラー、ローレンス・ヴァンスールにほぼ確定したと考えている。
今季のWECは残すところ、11月2日に開催されるシーズン最終戦バーレーン8時間耐久レースのみ。ドライバーズタイトル争いでは6号車ポルシェのドライバーを、フェラーリ50号車499Pのアントニオ・フォッコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセンが35ポイント差、トヨタ7号車GR010ハイブリッドの小林可夢偉とニック・デ・フリーズが37ポイント差で追いかけるという状況だ(7号車マイク・コンウェイはル・マン欠場でタイトル挑戦権なし)。
■小林可夢偉、あらゆる可能性に懸けたWEC富士は「どこで仕掛けたらいいのか分からないまま、終わってしまった」
最終戦では最大で39ポイントが獲得可能。ポルシェ6号車の状況次第ではフェラーリ50号車とトヨタ7号車にもタイトル獲得のチャンスは残されている。
ただフェラーリのスポーツカー・レーシング・テクニカルディレクターのフェルディナンド・カンニッツォは、50号車が富士戦で9位に終わったことから「我々にとってはゲームオーバーだ」と語った。
「我々が諦めたと言っているわけではない。ミラクルを起こすために努力するつもりだ」とカンニッツォは言う。
「マシンを最高の状態にして、全てを完璧にし、3台のマシンを表彰台に乗せる必要がある」
「数字上可能だが、可能性は非常に低い」
カンニッツォはまた、富士戦でフェラーリがポルシェに27ポイント差を付けられたことで、マニュファクチャラーズタイトルを獲得する可能性が消えたことも示唆した。
TOYOTA GAZOO Racing Europeでテクニカルディレクターを務めるデビッド・フローリーも、富士戦でトヨタ7号車が接触リタイアに終わったことで、カンニッツォと同様の意見を述べた。
「ドライバーズタイトル争いから脱落したのは明らかだ」とフローリーは言う。
しかしフローリーはポルシェに10ポイント差のマニュファクチャラーズタイトル争いでは、まだまだ結末は分からないと主張した。
「バーレーンまではまだオープンだし、我々がプッシュしていくのは間違いない」とフローリーは語った。
ポルシェ6号車のエストレは、最終戦ではチーム全体として「地に足をつけて」走ることが重要だと主張した。
「僕らが悪いレースをして、他のチームが完璧なレースをすれば、彼らが勝つ可能性もあるから、自信満々にはなれないよ」
エストレはmotorsport.comにそう語った。
「もし僕らが今年ずっとやってきたことを続ければ、とても良い勝負ができるし、リスクを冒す必要はない」
なお最終戦バーレーンでフェラーリがポールポジションから優勝しても、ポルシェ6号車は8位でフィニッシュ、トヨタがポールポジションから優勝した場合でも10位フィニッシュすればドライバーズタイトルを獲得できる。
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