マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がMotoGP第18戦マレーシアGPで、今季9勝目を挙げた。マルケスはこの勝利により、ロードレース世界選手権でのキャリアのなかで通算70勝を達成。また、今大会で、ホンダが3年連続24回目のコンストラクターズタイトルを獲得した。
予選Q2でトップタイムをマークしたマルケス。しかしセッション中にほかのライダーの走りを妨害したとして6グリッド降格のペナルティを受け、決勝は3列目7番グリッドから挑んだ。
ロッシ、MotoGPマレーシアGPはトップ走行中に残り4周で転倒。「何が起こったのかわからない」
オープニングラップですでに4番手にまで浮上したマルケスは、5周目を終えるころには2番手につけていた。トップはバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)、その差は約コンマ7秒だ。
それでもマルケスは「スタートは完ぺきではなかったんだ。1周目は僕のキャリアのなかでもあまりよくなかったラップのひとつだよ」と振り返る。
確かに、マルケスは1周目の最終コーナーでは、あわやスリップダウンというシーンも見せていた。そのマルケスの乱れた挙動を回避しようと、真後ろを走っていたアンドレア・イアンノーネ(チーム・スズキ・エクスター)は転倒している。一方のマルケスは、失ったグリップを回復する驚異のリカバリー能力で元通りレースを続けた。
ロッシの背中が見えたとき、マルケスは追い上げようと試みた。「バレンティーノが攻めているのを見て、追いつこうとしたんだ。予選みたいなペースだったんだよ!」
しかしその結果、マルケスのタイヤに問題が発生する。リヤタイヤがオーバーヒートしてしまったのだ。8周目にはコンマ約6秒にまで縮めていたロッシとの差はそれ以降、次第に開いていき、12周目には約1.2秒にまで広がっていた。
「フロントタイヤも温度が上がってしまって、感触はよくなかった。だから、数周はタイヤをクールダウンしようとした。そうしたら次第にフィーリングがよくなり始めたんだ。それでバレンティーノに接近できるとわかったし、それはとびきりいいモチベーションになったね」
そこからマルケスは、再び追い上げを開始する。1秒以上開いた差はラップごとに縮まっていった。今季、ドゥカティ・チームとのトップ争いを演じることが多かったマルケス。久々にロッシとの一騎打ちなるかと思われた。
ただ、優勝争いは意外な形で決した。残り4周で、ロッシが転倒したのだ。
「ロッシは小さなミスをした。僕たちふたりが最後、どんな戦いをするのか見てみたかったから残念だ。でもとにかく、彼がクラッシュしたのを見て冷静になったんだ。レースに最後まで集中しようと思った」
マルケスはそのままトップを守り、優勝。自身のロードレース世界選手権参戦キャリアのなかで、通算70勝を挙げた。また、今大会でホンダが3年連続24回目のコンストラクターズタイトルを獲得している。
残るチームタイトルには、2番手にモビスター・ヤマハ・MotoGPがつける。これを獲得すればホンダは2年連続でライダー、コンストラクター、チームの3冠を達成することになる。マルケスは最終戦バレンシアGPで有終の美を飾り、チームタイトル獲得に貢献できるか。
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