レッドブルの2022年型ニューマシンRB18の姿が公開された。全10チームの先陣を切って発表されたこのマシンで、レッドブルは2013年以来のダブルタイトル獲得を狙う。
2022年はF1のテクニカルレギュレーションが大きく変わったため、そのマシン形状も昨年までとは一変……F1は新時代を迎えたのだ。
■【F1新車】レッドブル、連覇を狙う『RB18』を発表。ホンダ・レーシングのロゴも
発表されたレッドブルRB18も、今までのマシンに見慣れていた身としては、実に新鮮に映る。その細部で、いくつか気になった部分を見ていこうと思う。
まずはノーズとフロントウイングだ。ノーズは長さがある程度自由に決められるため、ロングノーズを採用するのか、あるいはショートノーズとなるのか、ひとつの注目ポイントだった。レッドブルが選択したのは、どうもロングノーズのようで、このノーズにレギュレーション通りフロントウイングがステーなどを介さずに直付けされている。
そのフロントウイングは、全部で4枚のエレメントを使えるはずだが、今回発表されたRB18のウイングは3枚となっている。これはレッドブルの開発陣が、3枚が最適だと見たのか、それとも実走行まで4枚フラップの”実戦”バージョンを隠しておくためなのか、興味深いところである。
フロントサスペンションには、プッシュロッドを採用してきた。ノーズが下がることもあり、重心の面でメリットのあるプルロッド式を採用するチームが多いのではないかと見られていたが、レッドブルの選択はプッシュロッド。リヤにはプルロッドを採用しているようで、これは昨年までと同じ組み合わせだ。
注目したいのはサイドポンツーンの形状である。ここまでの数年は、サイドポンツーン上面を後方に向かって落とし込み、コンパクトにする形が主流であった。そして先日レンダリング画像を発表したハースも、まだ開発段階とはいえ、昨年までのトレンドを継承するようなサイドポンツーンの形状になっていた。
しかしRB18のサイドポンツーンは、上面があまり落とし込まれず、リヤエンドのHRC(ホンダ・レーシング)ロゴがあるあたりまでほぼ路面と水平にボディワークが存在するような形になっている。一方で、オラクルのロゴの下、フロアとの境界部分はキツく抉り取られ、絞り込まれている。
今季のマシンは、ある意味グラウンドエフェクトカーであり、サイドポンツーンの下にはダウンフォースを生み出すためのベンチュリトンネルが設けられている。ここから、開口面積が拡大したディフューザーに気流を流すわけだ。レッドブルのこのサイドポンツーンの形状からすると、サイドポンツーン下部の抉れの部分を通った気流をディフューザーの横に通すことで、その拡散能力を引き上げているように見える。
一方でサイドポンツーンの上を通った気流は、比較的高い位置でマシンの後方に流れていく。これはディフューザーの高さが高くなった影響なのだろうか? あるいは、乱流を削減するためにシンプルになったリヤウイングで発生するダウンフォース量を上げるための策なのか、実に興味深いところである。
いずれにしても、本当の姿は、カタルニア・サーキットで実際に走り出すまで分からない……そういうことなのかもしれない。そして今後続々と発表されていく他チームのマシンとも、比較してみたいところだ。
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