トヨタLMP1チームディレクターのロブ・ルーペンは、2020/21年シーズンの世界耐久選手権(WEC)のレギュレーション策定が遅れていることについて、馬鹿げていると述べた。
WECを運営するACO(フランス西部自動車クラブ)とFIAは、3月のセブリング1000マイルの際に、来シーズンのルールについて合意に近づいているとメディアに対して語っていた。
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しかしスパでは運営側から新たな情報はなく、6月のル・マン24時間レースまで何らかの公式発表はなされないと予想される。仮にレギュレーションがル・マンで正式発表されたとしても、シルバーストンで開幕する予定の2020/21年シーズンまで約14カ月と差し迫ったタイミングとなる。
WECのCEOであるジェラルド・ヌブーは、5月2日(木)に行われた記者会見で「焦っている」と認めたものの、それ以上現状について明かさなかった。
ルーペンは、現在のLMP1クラスに代わり市販スーパーカーの外観を採り入れたプロトタイプマシンのみで争うルールが提案された12月に、トヨタには同意する準備があると示唆していた。
その後、市販スーパーカーをベースとしたマシンの参戦も可能とされたが、レギュレーション確定の遅れによって、トヨタの予算計画に影響が出始めているとルーペンは明かした。
「それ(ルールの確定)は遅れている。2020年から21年にかけてのレギュレーションの費用対効果について話をする際、物事が決まっていないので、我々の予算はかなりプレッシャーを受けることになる」
「残り時間は少なくなるが、マシンが走る時間は減らない。だから我々は仕事を同じ時間でこなすためにより多くの人材を投じる必要がある。費用対効果は高くない。馬鹿げている」
レギュレーションの確定が遅れているのは、何が原因なのかと尋ねられ、ルーペンは次のように答えた。
「12月時点でのレギュレーションは、よく考えられていたと思う。その時点で他のコンペティターは現れなかったので、どういう対応ができるか見守ったほうが良かった」
「プロトタイプマシンと、ハイパーカーのレギュレーションを組み合わせることについても理解していた。どちらかを選ぶことができるし、性能調整をすることもできる。我々はそれら全てに同意する」
「我々は競争がしたいんだ。他のメーカーが自分たちのロードカーを使いたいのなら、そうすればいい。しかし我々は、(ゼロからプロトタイプマシンを設計するよりも)コスト効率が高いとは考えていない」
「我々の参戦を発表できないのは少し残念だ。次の技術ワーキンググループが行われるのは、5月16日だと理解している。それから、我々はある種の”デッドライン”に近づいていく」
ルーペンは、トヨタが現在使用しているマシンTS050 HYBRIDにとって、2019/20年が間違いなく最後のシーズンになると述べた。
「現在の状況では、2019/20年の後に今のマシンを使い続けるつもりはない」
またアップグレードされたGTEのマシンを、シリーズのトップカテゴリーに据えることが検討されていると報道された件について、ルーペンは次のように話した。
「噂は聞いたことがあるが、我々には選択肢がない」
「この件について議論はしていない。トヨタ内部でも話し合われていない」
「我々にはGTEマシンがない。レクサスLFAは古いし、スープラはこのカテゴリーではない。(もしWECがGTEマシンを追求していくのならば)我々は撤退することになるだろう」
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