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“ルーキー”のダニロ・ペトルッチ、ステージ2で痛恨のリタイアも優勝を達成/ダカールラリー2022前半戦

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“ルーキー”のダニロ・ペトルッチ、ステージ2で痛恨のリタイアも優勝を達成/ダカールラリー2022前半戦

 1月1~14日の日程で開催されているダカールラリー2022。1月7日には前半戦が終了したが、ロードレース世界選手権MotoGPからダカールラリーに戦いの場を移したダニロ・ペトルッチ(テック3KTMファクトリー・レーシング)は、ステージ2で戦線離脱となったが、ステージ5では勝利を果たした。

 ペトルッチは、イタリア出身で1990年生まれの31歳だ。8歳からミニバイクに乗り始め、ミニトライアル、ミニクロスの地方選手権に参戦するが、その後ロードレースでのキャリアをスタートすることとなる。

ダニロ・ペトルッチ、MotoGPからダカールラリーにスイッチ。2022年1月開幕に向けて準備中

 2006年からはイタリア選手権のストック600、2008年はヨーロッパ・ストック600に挑戦。2010年からはイタリア選手権のスーパーバイク、FIMカップ・スーパーストック1000にステップアップしてイタリア選手権ではチャンピオンに輝いた。

 そして2012年から二輪ロードレースの最高峰であるMotoGPに参戦し、2015年から4年間をドゥカティのサテライトであるプラマック・レーシングで過ごし、2019年から2年間はファクトリーのドゥカティ・チームに加入。2021年はKTMのサテライトであるテック3KTMファクトリー・レーシングに移籍したが、1シーズンでレギュラーシートを失うこととなった。10年のMotoGPキャリアで、2勝を含む10度の表彰台を獲得した。

 そんなペトルッチが、「子供の頃からの夢だった」ダカールラリーに参戦。チームはMotoGPと同様のテック3KTMファクトリー・レーシング、マシンはKTM450ラリー・ファクトリー・レプリカを駆る。

 2021年のMotoGP終了後に、KTMのダカールライダーやチームに加わり練習を開始したペトルッチ。ドバイの砂丘でライディングとナビゲーションのテストを行い、年末にはマシンの修理なども学び、ダカールラリー2022参戦への準備を整えた。

 元日から途中1日の休息日を挟み14日間の日程で行われ、走行距離は8000kmにも及ぶ今大会。ダカールでは“ルーキー”のペトルッチは、練習で右足首とかかとを骨折していることや、事前に新型コロナのPCR検査で陽性(2度目の検査で偽陽性と判明)となるなど波乱のスタートを切った。

 ステージ1Aでは、トップから7分30秒遅れで23番手、ステージ1Bはペナルティが1分科されたが、トップと33分29秒差の13番手につけ、ルーキーとしては上々の成績を残した。しかし、ステージ2ではマシントラブルにより未完走となり、11時間30分のペナルティが科されたことでトップから18時間58分40秒差で、ほぼ最後尾の139番手(総合138番手)となった。

 デューン(砂丘)が多いステージ2だが、序盤にトップ5に位置していたペトルッチは115km時点でメカニカルトラブルに見舞われストップ。原因は、燃料を後部のタンクから前部のタンクに切り替えた際に燃料ポンプのヒューズが切れたためだった。

 さらに、道中で携帯電話、パスポート、運転免許証、財布などを落としたようで、メカニックに電話することができなかった。自身でスパークプラグ交換や燃料をリヤタンクに入れるなどのマシン修理を試みたが直らず、走行不能なマシンの空輸を依頼することになってしまい、ステージをリタイアすることとなったのだ。

 そのまま撤退する選択肢もあったが、修復したマシンで競技を続行することに。入賞争いから外れるが冒険を続け、ステージ3ではトップから9分21秒差の22番手(総合135番手)でフィニッシュ。ステージ4は3番手でフィニッシュしたが10分のペナルティが科され15番手(総合130番手)となった。

 そして、ステージ5はダカールラリーとしては初めての試みとして、二輪のライダーは、四輪車・トラック部門とは完全に独立したステージを戦った。ペトルッチは2番手でフィニッシュしたが、トップのトビー・プライスがリエゾンでのスピード違反により6分のタイムペナルティを受けたことで優勝(総合129番手)を達成した。

 これまで彼と戦ったMotoGPライダーも祝福の言葉をSNSを投稿。バレンティーノ・ロッシ、ブラッド・ビンダー、ジョアン・ミル、マルク・マルケス、アレックス・マルケス、ポル・エスパルガロ、カル・クラッチロー、アレイシ・エスパルガロ、ミゲール・オリベイラ、ヨハン・ザルコ、SBKからもトプラク・ラズガットリオグル、ジョナサン・レイなど多数のライダーや関係者が、彼の投稿に返信するなどペトルッチがみんなから愛されるキャラクターだということがわかる出来事となった。

「かなり長い一日だった。今朝出発して、ナビゲーションの勉強と改善をしたいと思ったので、最初はあまり無理はしなかった」と語るペトルッチだが、さらなる困難もあったようだ。

「あるコーナーを過ぎると大きな砂丘があり、その向こう側にはラクダの集団がいた。大きなラクダが1頭コースに入ってきたので、それを避けなければならなかったけど、たくさんの段差とラクダの草を越えてしまい、結局クラッシュしてしまった。それが今回のダカールでの最初のクラッシュだった」

「その後、少しペースを落としたら、ケビンが追いついてきて、一緒にフィニッシュまで走った。さらに、何人かのライダーを捕らえた後、ウェイポイントがあり、そこでタイムをロスした。最後の60kmはすべて砂丘だったから、足首を痛めないように気をつけた。このように、今日は面白くてタフな一日だったけれど、本当に楽しかった」

 そして前半戦ラストのステージ6は四輪・トラック部門のドライバーたちが前日走ったルートを通るため、ほこりや砂、石が混じったわだちや隠れた岩などにより跳ねやすい荒れたコンディションに。荒れたルートなうえに、大雨が重なり、コンディションの悪化で、予定の4分の1にあたるスペシャルステージ101kmの地点で中断された。

 ペトルッチは、この日も転倒を喫して腕を怪我したが、レースを続行して39番手タイムを記録。総合では124番手とどんどんポジションを上げている。

 1月8日はレストデー(休息日)となるが、競技は1月9日から再開され後半戦に入る。1月14日まで残り6ステージでペトルッチはどこまで記録を伸ばし続けられるだろうか。

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