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【実物を見て分かった】マクラーレン・エルバ 6つの見どころ デザイン・プロトで解説

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【実物を見て分かった】マクラーレン・エルバ 6つの見どころ デザイン・プロトで解説

スパイダー・モデルと、どう違う?

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】マクラーレン・エルバ 対抗モデル、フェラーリ・モンツァと比べる【実車比較】 全65枚

英国のスーパーカーメーカー、マクラーレンが公開した約2億円の限定モデル「エルバ」。日本上陸したデザイン・プロトを取材して分かった、注目点とメカニズムをお伝えしよう。

英マクラーレン・オートモティブが創業から送り出してきたモデルは、すべてクローズド・コクピットで、オープンタイプのスパイダーもその派生形だった。

そうした流れの中で送り出されたエルバは、いわゆる“ロードスター”とは一線を画す“オープン・コクピット”なのである。

ロードスターとの違いはなんだろう? それはウインド・スクリーン、ルーフ、サイドウインドウを持たないピュアなスタイリングにある。

マクラーレンはそのコンセプトを「ドライバーの五感で最高のドライビング・エンゲージメント」を味わうためのものと、話している。

それを理解するためのキーが、現行アルティメット・シリーズにおける「エルバ」の位置づけ。

「セナ」は最もサーキット走行を突き詰めたモデル。「スピードテール」は最高速を追及したモデル。その間に位置するのが「エルバ」であると説明された。

この立ち位置に、エキサイティングなオープン・エア・モータリングを融合させ、新しい価値を提供するのである。その走りのイメージは、「スカイダイビング」に近いという。

エアロ・プロテクションとは

前述のように、エルバ最大の特徴が、ウインド・スクリーンを持たないオープン・コクピットだ。

スクリーンをなくすことができたのは、マクラーレンが開発した世界初となるエアロ・プロテクション技術による「アクティブ・エア・マネーメント・システム(AAMS)」のおかげ。

ノーズから取り入れた流気はフロントカウル上面のグリルから排出される。その流気を、最大で150mm上昇するディフレクターにより、さながらウインドウ・スクリーンが存在するようにコクピット上部に流し、乗員には一切風圧を感じさせないエア・カプセルを形成するのだ。

一定の速度になれば、雨は吹き飛ばされて濡れることはないという。

なお、ドライビング中の飛び石はAAMSでも防ぐことはできないので、マクラーレンと協力関係にあるベル社のビスポーク・ヘルメットが、エルバには2個付属される。

そのサイズ、3m 長大なボディパネル

レトロなイメージを漂わすエルバだが、そこには最新のテクノロジーと最高の素材が用いられる。

フロントカウルは一体カーボン・ファイバー製で、その厚みはわずか1.25mm。

注目したいのが前輪後方に伸びる3mにも及びサイド・パネル。リアデッキで左右が繋がりコの字型になる巨大なボディパネルを採用。不要な継ぎ目がなくなることで、空力と軽量化に貢献した。

また、ドアはウインドウがないことから上下高を切り詰めてコンパクトに。その中には、サイドミラー付け根のインテークからエンジンに通じるエアダクトが通り抜けている。

ドア自体の開閉方法はディへドラル・タイプだ。

また、リア・エンドとエンジン上部に備わるグリルは、レーザー加工で製作されたメッシュ式グリル。フェアリング部分は手動で開閉でき、その中にヘルメット1個と小さなバッグを収めることができる。

ソフトトップは備わらず、駐車時には簡易式のカバーを使うことになる。

濡れても平気? 内装の話

エルバは、外装とインテリアの境界をなくすというテーマでデザインされている。シートに座れば、自分自身が外の世界に露出している感覚が得られる。

オープン・コクピットだけに、シートの表皮はポリウレタンをベースとする4レイヤーのウルトラ・ファブリックが採用された。過酷なコンディションにさらされることを想定し、撥水性があり、紫外線で劣化せず、炎天下でも蓄熱しない素材が選ばれている。

これまでセンター・コンソールにあったアクティブ・ダイナミック・パネルのスイッチは、メーター・クラスターの横に移され、ステアリングを握ったまま操作できる。

また、センター・コンソールには8インチのタッチ式インフォテイメント・システムが備わり、マクラーレンとして初めてアップル・カープレイとグーグル・アンドロイドに対応した。

エグゾースト 高音・中低音 2系統

マクラーレンのエンジニア陣の拘りは、サウンド面にも表現されている。

五感で最高の体験をしてもらうコンセプトのエルバは、排気系に聴覚を刺激する「ニルバーナ・エグゾースト」と名付けられるシステムが採用されたのだ。

このシステムは、ドライバーに最高のサウンドを提供するレイアウトを用いている。

一見すると分かり難いがテールパイプは、上部に2本、リア・グリルに2本を出す特異なシステムとなっている。

上から出る2本は高音域を担当し、リア・エンドの2本は中低音を受け持つもの。2つの音域をそれぞれチューニングしたことで、これまでにない素晴らしいサウンドを奏でるという。

フロントウインドウ装着車も

オープン・コクピットを採用するエルバだが、ウインド・スクリーンを備えるヴァージョンも用意されている。

アメリカのレギュレーションに合わせて用意された仕様で、その名も「エルバ・ウインド・スクリーン・バージョン」。

この場合は、アクティブ・エア・マネーメント・システムは省かれ、通常の乗用車のようにフロント・ワイパーが備わる。

なお日本仕様は、スクリーンなしのオープン・コクピット・ボディで調整しているが、希望があればスクリーン付きの仕様でもオーダーに応じるという。

懐かしのカラーリング MSO仕様

現在のプレミアムカーに欠かせないパーソナライズ・プログラムが、このメーカーにも存在する。

「マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)」では、ボディカラーの特別色、内装の色・素材を好みで選ぶことができる。

その中で注目したいのがカラースキム・パッケージだ。

マクラーレンの歴史を創り上げてきたエルバの名を受け継ぐことから、往年のエルバ・マクラーレンのブラック/シルバーのカラーリングを再現したカラーを用意。

また、1967年からのキウイ・オレンジのカラーリングも提供される。これは、ブルース・マクラーレンのゼッケンだった「4」をまとう「M6A」をイメージしたもの。

こうしたパッケージは20種が用意されるとアナウンスされた。

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