スコダのベストセラーSUV、2代目へ
フォルクスワーゲン・グループ傘下でチェコの自動車メーカーであるスコダは、2024年発売予定の新型ミドルサイズSUV、コディアックのプロトタイプを公開した。
【画像】「隠れ」工業大国チェコが誇るミドルサイズSUV【新型スコダ・コディアックを現行型と写真で比較】 全44枚
コディアックは、スコダが販売する欧州向けの主力モデルで、現行型は2016年にデビューした。5人乗りと7人乗りが選択可能で、全長4695mmと、トヨタRAV4や日産エクストレイルと同等のサイズ感を持つ。
今回のフルモデルチェンジにより2代目となる新型コディアックは、より広い室内空間、初の電動化パワートレイン、そして新しい車載技術を獲得している。
エンジンとしては、最高出力149psから204psまでのガソリンエンジン2種類とディーゼルエンジン2種類を用意。上位モデルには四輪駆動が設定される。
新型では、コディアックとして初めてハイブリッド・パワートレインを採用した。1.5L TSIマイルドハイブリッドに加え、PHEVも導入される。スコダによると、PHEVモデルは25.7kWhのバッテリーを使用し、電気のみで100km以上の走行が可能だという。充電は50kWまで対応する。
トランスミッションは、PHEVモデルに6速DSG 、その他のモデルに7速DSGが設定される。
パワートレインだけでなく、エクステリアデザインも刷新される。全長は現行型より61mm長くなった。これにより、5人乗り仕様では910L、7人乗り仕様では340L~845Lのトランク容量を確保している。
インテリアはほぼ完全にオーバーホールされた。シフトレバーを初めてステアリングコラム上に移設し、12.9インチの大型タッチスクリーンを新たに設置した。カップホルダーとタッチスクリーン・ディスプレイクリーナー付きの新しい収納スペースがあり、スコダおなじみの傘は運転席ドアに収められている。
スコダのクラウス・ツェルマーCEOは次のように述べている。
「コディアックは2016年の発売以来、スコダにとって絶対的な成功を収めています」
「力強く透明感のあるデザイン言語、広々とした室内空間、優れたコストパフォーマンスにより、多くの新規顧客を魅了し、国際的な賞を受賞しました。第2世代は、PHEV仕様も含め、このサクセスストーリーに新たな素晴らしい章を加えるための前提条件をすべて備えています」
生産工場を大改装 電動化を加速
新型コディアックは現在、小型のカロック、スパーブ、スパーブiVを生産しているクヴァシニ工場で生産される予定だ。
スコダによると、PHEVのコディアックiVの生産に対応するため、同工場に1200万ユーロ(約19億円)を投資し、新しいマニピュレーター、コンベアベルト、シャシーアセンブラーを導入する準備を進めているという。
同社は以前、EVのみのラインナップに移行する間、エンジン車ラインナップを「重要な柱」と説明していた。新型コディアックに続き、2027年までに4車種の新型EVが登場する予定だ。
スコダによると、クヴァシニ工場ではピーク時に1日あたり最大410台の新型コディアックを生産できるという。これは、2024年初頭からスパーブの生産拠点がスロバキアのブラチスラバ工場に移されることも後押しとなっている。一方で、量産前のパイロット生産はすでに始まっている。
「来るべき第2世代コディアックの生産準備はすでに本格化しています。スコダらしく、今回も既存のインフラを利用しながら、新しい技術を巧みに統合しています」と、スコダの生産・物流担当役員であるミヒャエル・オエリクラウスシは話す。
「しかし、稼働中の組立ラインを包括的に適応させ、さらに将来性を高めることは、技術的にもロジスティック的にも非常に困難な作業です。同時に、モデル生産の再分配と最適化にも成功し、追加生産能力を確保することができました」
コディアックは2016年の発売以来、世界で74万台を販売し、同社のベストセラーモデルとなっている。スコダは新型でもこの地位の維持を期待している。
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