急速に進む電動化車時代の波が押し寄せているのは、スーパーカーの世界も同様。その未来を切り開く、新世代のマクラーレン「アルトゥーラ」が日本上陸を果たした。
マクラーレンの主力モデルのひとつに加えられる新ハイブリッドスポーツは、新時代のスーパースポーツに鍛えるべく、全面的なリニューアルが加えられているのも大きなトピック。なんとシャシーやエンジンも完全新設計だという。
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英国が誇るスーパーカーメーカー、マクラーレンのこだわりが随所に光る新型車の特徴をお伝えしたい。
文:大音 安弘 写真:マクラーレン・オートモーティブ
【画像ギャラリー】初の量産電動化マクラーレン・アルトゥーラ
次世代を担うPHEVのマクラーレン
マクラーレン・オートモーティブは、2021年4月13日、新型モデル「マクラーレン・アルトゥーラ」を日本初公開。同時に日本での価格が、2965万円となることが発表された。
アルトゥーラは、2021年2月17日、オンラインにて世界初公開された新世代マクラーレンを担う量産モデルだ。
厳しい環境規制に対応すべく、量産シリーズとして初となるプラグインハイブリッドシステムを搭載。これをマクラーレンでは、ハイパフォーマンス・ハイブリッド・スーパーカー(HPH)と呼ぶ。
マクラーレン新時代の到来を告げる「マクラーレン・アルトゥーラ」が日本上陸
アルトゥーラは、次世代を担う存在として、基本構造を含め、全面的な刷新が図られているのも大きな特徴。カーボンシェルを中心とした構造を持つ点は他モデル同様だが、まったく新しいマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)を初採用。
全面的な軽量化にも徹底して注力することで、ハイブリッドシステム非搭載のモデルと同等レベルとなる1498kgを実現。これは同時に、電動化されたスーパーカーのなかでも超軽量であることを意味する。
マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)の初採用など、基本構造より全面的に刷新されたアルトゥーラ
電動化に加え、パワートレーンも完全新設計
スーパースポーツの力強い走りを生むパワートレーンも、なんと全面刷新。新開発となる3.0L V6ツインターボエンジンは、既存のV8エンジンと比べ、軽量コンパクトに仕立てられている。エンジン単体の性能は、最高出力585ps、最大トルク585Nmを発揮。
これにアトゥール専用に開発した新8速DCTを組み合わせる。
新トランスミッションには、電気モーターをコンパクトに内蔵。モーター単体での性能は、最高出力95ps、最大トルク225Nmと力強いため、EVモードの走行も実現した。
これらのハイブリッドシステムを含めたトータル性能は、最高出力680ps、最大トルク720Nmにも達する。このため、0-100km/h加速が3秒。最高速度は、リミッター作動で330km/hと超一級だ。
プラグインハイブリッドのために、新開発されたV6ツインターボエンジン。マクラーレンのこだわりが生んだ新エンジンだ
プラグインハイブリッドシステムは、7.4kWhのリチウムイオン電池を搭載し、EV航続距離30kmを実現。このシステムを活用したドライブモードは、「Eモード」「コンフォート」「スポーツ」「トラック」の4つの選択が可能だ。
始動時のデフォルトとなる「Eモード」では、完全電気走行を行う。「コンフォート」は、ハイブリッドとなり、V6エンジンと電気モーターが連携し、モーターが最大限のアシストを行うことで燃費効率を向上。
「スポーツ」は、モーターアシストによる低回転域でのトルクの上乗せを行い、V6エンジンのパフォーマンスを最大限発揮させる。サーキット走行を意識した「トラック」では、ハイブリッドモードであることは「スポーツ」同様だが、変速スピードを高めるという。
V6エンジンをアシストするハイブリッドシステムを新搭載。PHEVでEV走行も可能だ
デジタル化も強まったアルトゥーラ
新世代マクラーレンの皮切りとなるアルトゥーラは、マクラーレン初の先進運転支援システム(ADAS)も初採用されている。
ストップ&ゴー機能付きのACC、ロードサイン・レコグニション(標識認識)、レーン・デパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警報)、ハイビーム・アシスト(自動ハイビーム)などの機能が合えたられた。
また走行面のメカニズムでは、マクラーレン初の電子制御ディファレンシャル(Eデフ)も初採用することで、デフロック機構の軽量化・小型化に加え、より緻密な制御も実現している。
また車両全体の電子デバイスの機構が見直され、イーサーネット・アーキテクチャが導入されたことで、車内に配置された配線が最高25%削減。さらにデータ伝送速度の向上に加え、ADASの搭載まで可能としている。
液晶メーターが印象的なコクピット。車両の内側でのデジタル化の強化も大きなトピックだ
すでに電動化技術を取り入れたスーパーカーは登場しているが、新世代アーキテクチャーの採用により、電動化だけでなく、先進機能の強化や電子制御の拡大など、新たなスーパーカーの形を提案した点は興味深い。
これは形を変えながらも、スーパーカーという存在が決して失われることのないというマクラーレンのメッセージともいえそうだ。
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フェラーリ、ランボが良心的に見えるぐらい高そう