日本のSUZUKAでアタックすることはとても重要だった
ルノー・ジャポンは、ホットハッチとして世界で人気のメガーヌR.S.のサーキット走行向けモデル「メガーヌR.S.トロフィーR」の高性能を証明するべく、三重県・鈴鹿サーキットにてタイムアタックを行った。
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当日ステアリングを握ったのは、ルノースポールで開発ドライバーを務めるロラン・ウルゴン氏と、レーシングドライバーの谷口信輝氏の2名。当日の天気は午後に雨が降り出すのでは? と心配されたが、アタック中は曇り空かつドライ路面で走行することができた。
今回のタイムアタックでは、先代モデルがこの鈴鹿で記録した2分28秒465を上まわるタイムを記録することが目標。前日からコースチェックとセットアップが行われ、当日を迎えていた。
このメガーヌR.S.トロフィーR、徹底的な軽量化やサーキット走行に適した装備を満載した、ルノーの本気度が伝わってくる仕様だ。まずはベースモデルに対し、なんと130kgもの軽量化を実施したという。自慢の4コントロールもキャンセルし、オーリンズ社製ダンパーへ変更。さらに、素早いシフトアップに貢献するツインクラッチのEDCも、軽量化のために6速MTのみにするなど徹底されている。そのほかにもリヤウインドウの開閉機構のキャンセルなど、1g単位で車重を削ぎ落としている。
そのほかにも軽量なカーボンパーツをふんだんに用い、ボンネットやリヤディフューザーなどを採用。また、軽量にこだわったカーボンホイールまで装着。1本あたり2kgも軽量となり、タイムアタックでは大きなアドバンテージとアイテムだ。
パフォーマンスはエンジン出力こそ変わらないものの、アクラポビッチ製のチタンマフラーを装備。ブレーキは390mmの大径カーボンセラミックローターを備えたブレンボ製を採用して。タイム短縮に貢献している。
当日アタックのために持ち込んだのは、まだ慣らし運転も終わっていないほどの新車。本来の性能がきちんと発揮できないのでは? とウルゴン氏も不安な要素を抱えながらのタイムアタックとなった。
用意されたのは、14:00から16:00までの2時間。この間に、先代モデルが叩き出したタイム2分28秒465を更新できるのか? 詰め掛けた報道陣が注目するなか、まずはウルゴン氏がコースインした。
注目の1周目、ピット内に設置されたモニターに表示されたのは「2分25秒961」。あっさりと約3秒近くも更新してみせたのだ! これにはルノー・ジャポンのスタッフは大喜びしつつも、安堵の表情を見せていた。このあと、同じ状態のマシンで谷口選手がアタックして2分25秒656へと更新。さらに、カーボンホイールからニュータイヤを装着したトロフィーR純正ホイールに交換し、ウルゴン氏が再アタック。最終的に2分25秒454を記録し、今回のタイムアタックチャレンジは終了した。
タイムアタックを終えたウルゴン氏は、「今回、鈴鹿サーキットを知り尽くした谷口選手と、クルマを知り尽くした私がそれぞれ走行して、よいタイムを記録することができました。クルマのパフォーマンスの高さを証明できたと思います。今回のテスト車は日本仕様なので右ハンドル。最初はシフト操作に少々手間取ってしまいました」とコメント。
谷口選手は「私は今回ウルゴンさんが仕上げた素晴らしいクルマを日本に持ってきて、鈴鹿サーキットで走らせてどうか、という確認をしただけです。前日にセットアップも行いましたが、ほとんどスタート時から変更していません。このトロフィーRは4コントロールもなく、高速コーナーの進入などではテールスライドが誘発しやすい仕様になっています。そのため、サーキット走行に慣れた経験者でなければ本格的に走らせるのは難しいかもしれませんね。ですが、前輪駆動モデルで2分25秒というタイムは、なかなか出せないでしょう」と評価した。
ルノー・スポールにとって、日本はフランス、ドイツに続いて世界第3位の販売台数を誇る重要な市場。その日本で、そしてニュルブルクリンクやスパ・フランコルシャンなどと同様に伝統があり名門の鈴鹿サーキットでテストすることには大きな意味があるとウルゴン氏。ニュルFF最速のメガーヌR.S.トロフィーRが記録した2分25秒という好記録は、ルノー・スポールにとって大きな意味を持つことだろう。
このトロフィーRは日本に導入される予定。価格やスペックなど詳細は年明けに明らかとなる。そのほかの日本のサーキットで、どのようなタイムが記録されるのか楽しみだ。
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