現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > レース再開に向け、F1チームもファクトリー再始動。”アフターコロナ”の新たな日常

ここから本文です

レース再開に向け、F1チームもファクトリー再始動。”アフターコロナ”の新たな日常

掲載
レース再開に向け、F1チームもファクトリー再始動。”アフターコロナ”の新たな日常

 新型コロナウイルスの影響によりシーズンが中断されていたF1だが、7月5日のオーストリアGPでレースが再開される予定となっている。またチームのファクトリー閉鎖期間も徐々に終わりを迎え、チームのスタッフはレースに向けた準備を始めている。

 しかし、ファクトリーでのコロナウイルス感染拡大を避けるために、チームのスタッフはこれまでとはかなり異なる働き方を強いられることになる。

■F1オーストリアGP、開催にゴーサイン。政府が計画を承認、500人限定で観客も?

 その明確な例がアルファタウリだ。先週まず生産施設が操業再開となった後、6月1日(月)の朝に、正式にファクトリーの稼働が再開された。

 かつてはマシンのパフォーマンス追求が最優先事項だったが、今はまずスタッフの安全が重視されている。スタッフがファクトリーに到着する瞬間から、新たな対策が施されているのだ。

 最初の変更点はファクトリーの外にある。「私は(ソーシャル)ディスタンスを尊重しています」と書かれた標識が、スタッフに注意を促している。

 そうしたソーシャルディスタンスの制限は、同時に働くことができるスタッフの数が限られるということを意味する。現在、それぞれの部門で働くスタッフの数は約半分となっている。

 また、チームはシフトを分割することでスタッフ同士の接触を最小限に抑えようとしている。各部門は可能な限り隔離され、それぞれに使用するドアと階段が割り当てられている。異なるグループ間の接触による感染拡大のリスクを最小限に抑えようとしているのだ。

 ファクトリーで働く人はマスクを着用する必要があり、家を出る前に体温チェックを求められる。発熱の兆候があった場合、出勤を止めファクトリーに近づかないようにしなければならない。

 ファクトリーに到着したら、全てのスタッフが独立した建物に行き、医師の監督下で血清学検査を受ける。ここで、コロナウイルスの抗体があるかどうかが確認される。

 検査が陰性だった場合、スタッフは仕事に向かうことができる。しかし検査が陽性だった場合には、そのスタッフがウイルスを保有しているかどうか確認するため、綿棒などを使った拭き取り検査を実施。その結果に応じて、仕事が許可されるか、14日間の自己隔離措置を強制されるかが決定される。

 作業が許可されると、スタッフは新たに体温チェックを受ける。最新の温度カメラ・スキャンテクノロジーを活用し、可能な限り早期に問題を発見しようとしている。

 ウイルスが拡散するリスクを最小限に抑えるために、ファクトリーには広範囲にわたって手指の消毒液やついたてが設置される他、スタッフ間の距離を離すため、デスクやその他の作業環境も広く分散されている。

 こうした安全対策はコロナウイルスの状況が劇的に改善されるまで実施されるはずだ。しかし、F1シーズンが始まれば、チームにとってそれは頭痛の種になるだろう。F1チームは安全を確保すると同時に、可能な限り最高のマシンを生み出すというチャレンジにも直面しているのだ。

 アルファタウリのテクニカルディレクターのジョディ・エギントンは先週、「現時点で頭の中にたくさんのシナリオがある。仕事に戻った時に、それらを実現する」と語った。

「他の全てのチームと同様、我々は開発を進めていく。シャットダウンの延長という不幸な状況による遅れを最小限に抑えるんだ」

関連タグ

こんな記事も読まれています

今なら完全NGよ!! 昔にあった信じられない[ゆる~い交通ルール]
今なら完全NGよ!! 昔にあった信じられない[ゆる~い交通ルール]
ベストカーWeb
マクラーレン「750Sスパイダー」を関西まで長距離テスト! サーキットが真骨頂のクルマが提案する日常の楽しみ方とは
マクラーレン「750Sスパイダー」を関西まで長距離テスト! サーキットが真骨頂のクルマが提案する日常の楽しみ方とは
Auto Messe Web
新型ロータス・エレトレ Sへ試乗 「5.1m」が小さく感じる敏捷性! 歴代最高のインテリア
新型ロータス・エレトレ Sへ試乗 「5.1m」が小さく感じる敏捷性! 歴代最高のインテリア
AUTOCAR JAPAN
GTWCアジア第2ラウンドタイはアウディ&ポルシェが優勝。レース2で5ZIGENが2位に
GTWCアジア第2ラウンドタイはアウディ&ポルシェが優勝。レース2で5ZIGENが2位に
AUTOSPORT web
盟主PWRが『クプラ・ボーン』披露と同時にEuroRX1王者起用を発表。エクシオンは異車種6台体制に/STCC
盟主PWRが『クプラ・ボーン』披露と同時にEuroRX1王者起用を発表。エクシオンは異車種6台体制に/STCC
AUTOSPORT web
ル・マンの戦いはすでに始まっている。LMDhの逆襲を象徴するポルシェの躍進と謎多き性能調整の裏側
ル・マンの戦いはすでに始まっている。LMDhの逆襲を象徴するポルシェの躍進と謎多き性能調整の裏側
AUTOSPORT web
ラッセル「毎週5位~8位を争うのが現状」短期的な解決策は役に立たず、今後数週間は“痛みを伴う”と覚悟
ラッセル「毎週5位~8位を争うのが現状」短期的な解決策は役に立たず、今後数週間は“痛みを伴う”と覚悟
AUTOSPORT web
免許取得したてで「高級ミニバン」購入!? 「初心者」マーク貼付けた“斬新な姿”に「なかなかいないですよ」 芸人、エハラマサヒロが実車を公開!
免許取得したてで「高級ミニバン」購入!? 「初心者」マーク貼付けた“斬新な姿”に「なかなかいないですよ」 芸人、エハラマサヒロが実車を公開!
くるまのニュース
ボッタスのレースエンジニア交代は、アウディのF1参戦に向けた取り組みの一環。本人とも計画を話し合ったと代表が明かす
ボッタスのレースエンジニア交代は、アウディのF1参戦に向けた取り組みの一環。本人とも計画を話し合ったと代表が明かす
AUTOSPORT web
PHEVには馴染めなかった? V8へ "リターン" の可能性 メルセデスAMG新型「CLE 63」に導入か
PHEVには馴染めなかった? V8へ "リターン" の可能性 メルセデスAMG新型「CLE 63」に導入か
AUTOCAR JAPAN
ロータスが持続可能なモビリティの未来を牽引する動画を公開。2038年までのカーボンニュートラル達成に向けた戦略とは
ロータスが持続可能なモビリティの未来を牽引する動画を公開。2038年までのカーボンニュートラル達成に向けた戦略とは
Auto Messe Web
【顧客の平均年齢43歳】 カリナンがシリーズIIへ進化 ロールス・ロイス製SUVが成し遂げた功績
【顧客の平均年齢43歳】 カリナンがシリーズIIへ進化 ロールス・ロイス製SUVが成し遂げた功績
AUTOCAR JAPAN
第9戦はキャシディが21番手から逆転優勝。第10戦はダ・コスタがポルシェに母国勝利をもたらす/フォーミュラE
第9戦はキャシディが21番手から逆転優勝。第10戦はダ・コスタがポルシェに母国勝利をもたらす/フォーミュラE
AUTOSPORT web
ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝
ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝
AUTOSPORT web
3500万円! 日産が新型「GT-R」実車展示! 存在感スゴい「最強仕様」がNYに登場! 進化した「新デザイン」採用に反響あり
3500万円! 日産が新型「GT-R」実車展示! 存在感スゴい「最強仕様」がNYに登場! 進化した「新デザイン」採用に反響あり
くるまのニュース
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズにカローラクロスなど5車種の適合が追加
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズにカローラクロスなど5車種の適合が追加
レスポンス
「デコトラ=ど派手な改造=違法」は偏見でしかない! いまほとんどのデコトラが「合法改造」に収めているワケ
「デコトラ=ど派手な改造=違法」は偏見でしかない! いまほとんどのデコトラが「合法改造」に収めているワケ
WEB CARTOP
【2024年】自動運転・運転支援機能の満足度調査。車線維持支援システムの意外な不満とは?
【2024年】自動運転・運転支援機能の満足度調査。車線維持支援システムの意外な不満とは?
グーネット

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村