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ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝

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ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝

 5月12日、アメリカ・カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第4戦『2024モチュール・コース・ドゥ・モントレー』の決勝が行われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963(ニック・タンディ/マシュー・ジャミネ)が今季初開催となった2時40分フォーマットのレースを制した。

 コースの舗装がすべて張り替えられた影響でGTP、GTDプロ、GTDの3クラスすべてで劇的なタイムアップが見られた2024年のラグナ・セカ・ラウンド。晴天の下スタートが切られたレースでは、前日の予選でGTPクラスのトラックレコードを更新する1分12秒445でポールを奪った01号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)のセバスチャン・ブルデーが、スタートからレースを牽引する。

アイルトン・セナのMP4/4がマクラーレン720S GT3で蘇る。ラグナ・セカに没後30年追悼リバリー登場/IMSA

 2番手グリッドスタートからこれを追いかける31号車キャデラックVシリーズ.R(ウェーレン・キャデラック・レーシング)は、レース開始から30分という早い段階で1回目のルーティン作業を行う。この約20分後、トラック上に落下した7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)のボディパーツを回収するためにフルコースコーションが入ったため、ここまでピットインを引っ張っていた01号車キャデラックは後続に築いた16秒のマージンと総合首位のポジションを失った。

 セーフティカーラン明け、コーション中にピット作業を行いトップに立った6号車ポルシェ963を、この時点で2度のピットインを行っている31号車のジャック・エイトケンがパス。さらに3番手に順位を落とした01号車のレンガー・バン・デル・ザンデも名物コーナーの“コークスクリュー”でポルシェをかわし、キャデラックがふたたびワン・ツー体制を築く。

 レース開始から1時間40分後、首位を走る31号車キャデラックが最後のピットストップを行う。これを皮切りにGTP各車が同様の動きを見せるが、6号車ポルシェは第2スティントを引っ張る戦略を取った。タンディ駆るポルシェはレース残り時間46分で給油のみのピットインを行ったあと2番手でコースに復帰。ギャップが10秒ほどに開いていた2台のキャデラック勢の間に割り込むことに成功する。

 3時間目に入って間もなくフェリペ・ナッセ駆る7号車ポルシェ963が01号車キャデラックを攻略し3番手に浮上した。また、姉妹車6号車もトップを行くエイトケンの31号車に接近し、タンディ駆るポルシェがキャデラックに仕掛ける場面も。

 その後もプレッシャーをかけ続けた6号車ポルシェは、チェッカーまで残り10分あまりとなったところでトラフィックに捕まりターン4でグラベルにはみ出てしまった31号車を労せずパスしてトップに浮上。そのまま後続を引き離し今季初となる総合優勝を飾った。この勝利はチーム・ペンスキーにとってスポーツカーレースでの100勝目であると同時に、ポルシェのIMSA通算600勝目となっている。

■残り5分で失ったクラス優勝

 GTDプロは、予選でクラストップ2を占めた3号車と4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)がスタートからレースをリードしていく展開に。

 転機となったのは最初のピットストップで、コーション以前のグリーンフラッグ下でルーティン作業を行った4号車コルベットと5番手につけていた77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)を、同じくコーションが出る直前にピットインした9号車マクラーレン720S GT3エボ(パフ・モータースポーツ)が逆転。SC明けにトップに立った。

 スタートから1時間が経過した頃、恐竜カラーの77号車が前を走るコルベットを“喰って”2番手に浮上する。ポルシェは勢いそのままにオリバー・ジャービスのドライブでトップを行くマクラーレンにも襲いかかりクラス首位の座を奪った。その後、セバスチャン・プリオールとチームを組むラウリン・ハインリッヒが駆る“レキシー”は快調にリードを拡げていき、最終的には後続車に9秒のギャップを築いてトップチェッカーを受けている。これでポルシェはIMSAの通算勝利数を「601」とした。

 クラス2位は今戦でアイルトン・セナを追悼する特別なマシンカラーリングを採用した9号車マクラーレン。同3位にはポールシッターの4号車コルベットが入った。

 GTDクラスでは、ポールポジションを獲得した45号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)がフルコースコーションの導入以前にピットに入っていなかったことからクラス首位の座を失い、これに代わって2番手スタートからトップを追いつつ早めのピット作業を行っていた557号車BMW M4 GT3(ターナー・モータースポーツ)がレース再開時にトップに浮上した。

 レース終盤、BMWの背後に57号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)が迫り2台による優勝争いが繰り広げられる。このバトルは557号車BMWがターン4でGTPのアキュラと接触しコースアウトしたことで決着。このアクシデントの隙をつき残り5分の時点で首位に立ったフィリップ・エリス/ラッセル・ウォード組57号車メルセデスがクラス優勝を飾った。

 557号車BMWは悔しいクラス2位に終わり、同3位には後方からスタートした120号車が順位を9つ上げ、表彰台の最後のスロットを獲得している。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第5戦は、ミシガン州のデトロイト・ストリート・サーキットで開催される『デトロイト・グランプリ』だ。NTTインディカー・シリーズとの併催となる同イベントの決勝レースは6月1日(土)に実施される。エントリーカテゴリーはGTPとGTDプロの2クラスだ。

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