アストンマーチンは7月16日、将来的な“空飛ぶクルマ”の市販に向けて、垂直離着陸(VTOL)が可能な個人向けラグジュアリー航空機『Volante Vision Concept(ボランテ・ビジョン・コンセプト)』を発表した。
今回アストンマーチンが発表したような空飛ぶクルマは、新たな移動手段のひとつとして注目が高まっている領域。航空関連や自動車関連の企業、ベンチャー企業などが相次いでコンセプトを発表している。
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日本でも空飛ぶクルマ『SkyDrive』の開発を目指して2012年にCARTIVATORという団体が活動を開始。同団体にはトヨタのほかパナソニック、富士通などの企業が支援を行っている。
イギリスで16日に開幕したファーンボロー国際航空ショーにあわせて発表されたボランテ・ビジョン・コンセプトは、アストンマーチンらしい高級感漂う流線型のデザインが特徴的なコンセプトモデルで、開発には航空産業にも進出しているロールス・ロイスをはじめ、イギリスのクランフィールド大学、クランフィールド・エアロスペース・ソリューションズといった企業・団体が協力している。
機体のデザインには、アストンマーチンDB11やハイパーカープロジェクトのヴァルキリーなどにも携わったチーフ・クリエイティブオフィサーのマレク・ライクマンが関与しており、「我々はアートとテクノロジーが融合したようなラグジュアリーコンセプトを持つ航空機を生み出すチャンスに恵まれた」とコメントしている。
機体は3人乗りで、ハイブリッドパワートレーンを搭載。前部にふたつ、後部にひとつのプロペラを装備しており、見た目はドローンのよう。これら3つのプロペラを使って垂直離着陸や飛行を行うとのことだ。
アストンマーチンのCEOであるアンディ・パーマー博士は「都市部の人口は増大の一途を辿っており、市街地の道路は需要に耐えられなくなってきている。混雑を緩和しながら環境汚染を避け、それでいてモビリティ性を向上させる新たなソリューションが必要になる」と述べている。
「未来の移動手段としてエアトラベルは重要な位置を占める。ボランテ・ビジョン・コンセプトは究極のラグジュアリー・モビリティ・ステーションとなるのだ」
「現在、人々は仕事への行き帰りに平均1時間ずつ時間を割いているとされる。そして自宅からの距離や移動手段が職場を決める要素にもなっている」
「ボランテ・ビジョン・コンセプトが日常的移動手段のひとつになれば、我々はより遠くへ移動できるようになり、職場から離れたところに住むことも可能だ。これにより都市はさらに巨大になり、今は大都市から離れている町も都市近郊の町へと変貌を遂げる」
「アストンマーチンとイギリスが誇る研究機関との“ドリームチーム”により、我々は未来の移動手段に革命を起こし、カスタマーにまったく新しい自由をお届けできる」
このボランテ・ビジョン・コンセプトはあくまで構想段階の機体だが、実際に販売されることになるのか、また映画などフィクションの世界でのみ描かれていた空を使った個人向け移動手段が現実のものになるのか、業界全体の動向も気になるところだ。
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