7月20日、エストニア第二の都市タルトゥにて、WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・エストニア』が開幕した。競技初日は同地でスーパーSS1本が行われ、今戦が母国凱旋ラリーとなるオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)がトップタイムをマーク。しかし、エストニア人ペアが乗り込むマシンはシェイクダウンでエンジンに問題を抱え、その後SS1までに交換作業が行われたため、競技開始前に5分間のペナルティが科された。これによりオープニングステージで2番手タイムを記録したTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、デイ1を終えて総合首位に立っている。
前戦サファリ・ラリー・ケニアから4週間、WRCの2023年シーズンはこのラリー・エストニアから後半戦に突入した。次戦のラリー・フィンランドととともに夏の“高速グラベル(未舗装路)ラリー連戦”を形成するエストニア・ラウンドは、21日(木)の午前中にサービスパークの南側エリアでシェイクダウンが行われ、夕方にはラリーの拠点となるタルトゥにてセレモニアルスタートが実施された。
トヨタ1-3発進。首位エバンス「午後の再走ステージでは路面の変化に驚くかも」/WRCエストニア
その後、現地20時過ぎから、この日唯一のステージで今大会のオープニングとなったSS1“タルトゥ・バルド”が行われ、全長3.35kmの短いグラベルステージでは、多くの母国ファンの前でMスポーツのタナクが好走を見せ、一番時計をマーク。0.6秒遅れてトヨタのエバンスが2番手に、同タイムでヒョンデのエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)が続いた。
さらに、2番手タイムを分け合った2名とコンマ1秒の僅差で、現在ランキング首位につけている“史上最年少王者”カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がステージ4番手タイムを記録している。
なお通常であれば、このSS1の結果が直接デイ1後の暫定結果となるところだが、前述のとおりタナクはエンジン交換による5分のペナルティを受けているため、トップタイムを記録しながら総合のリザルトでは後方に沈むこととなり同時に、2番手以降の順位がひとつずつ繰り上がっている。
この結果、エバンスがラリー初日の総合首位に立ち、同タイムのラッピが総合2番手、ロバンペラがトップ3に入ることに。首位タナクから1.6秒遅れの5番手タイムを記録したティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は総合4番手。今戦はマニュファクチャラー登録ドライバーとしてトヨタの3台目のマシンをドライブする勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、ヌービルと1.6秒差の総合5番手につけている。
6番手以降は“ラリー1ルーキー”のテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)、Mスポーツのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)、WRC2クラス首位に立ったミコ・マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2)が続き、WRC2クラス2番手/総合9番手にゲオルク・リンナマエ(ヒョンデi20 Nラリー2)がつけ、アンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2)が同3番手/総合10番手となった。
「とくに言うことはない。強いて言うなら、一日を過ごせば過ごすほど(ペナルティが)痛いと感じる。どんどん苦しくなっている」と、失意の言葉を残したタナクは、スタート前に背負った5分のタイムペナルティが響き、総合順位は48番手となっている。
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