名車復活、でも名ばかりの失敗作も?
自動車の世界は、「革新」と「ノスタルジー」が混在しながら、消費者の需要に支えられて進化している。
【画像】シボレーK5ブレイザーとフォード・ブロンコが現代に復活【最新のリバイバルモデルを写真で見る】 全40枚
メーカーは新型車を投入するとき、往年の人気モデルの知名度を利用し、その銘板を復活させようとすることもある。最近ではGMCハマーやフォード・ブロンコなどが代表例だ。ただし、名車のネーミングを受け継ぐにはそれ相応のスピリットやエッセンスが必要で、残念ながら「名前負け」してしまうものもある。
ここでは、象徴的なネームプレートを持つオリジナルの名車とそのリバイバルモデルを紹介し、勝手ながら「成功 or 失敗」を考えてみたい。現代に生まれ変わったクラシックカーが、その歴史的レガシーに恥じないものなのか、一緒に見ていこう。
シボレー・ブレイザー
オリジナルのK5ブレイザーは1969年に登場したフルサイズSUVで、取り外し可能なボディパネルを持つ信頼性の高いオフローダーだった。
1975年以降、ブレイザーは長距離移動に適したロングホイールベースのハーフキャブデザインに移行した。オフロードでもオンロードでも、K5ブレイザーはその多用途性が評価され、シボレーの典型的な成功作となった。1995年に後継車のシボレー・タホにバトンを渡した。
シボレー・ブレイザー – リバイバル
シボレーは2019年、今度は中型クロスオーバーSUVとしてブレイザーを復活させた。オリジナルよりもはるかにスポーティなデザインで、前輪駆動車と四輪駆動車が用意された。
オリジナルとは異なり、新型ブレイザーはオフロード走行に重点を置いていない。つまり、オリジナルモデルのファンの期待に応えたとは言い難い。しかし、クロスオーバーSUVが大流行の昨今、新型ブレイザーは一定の成功を収めている。果たしてリバイバルは成功か、失敗か。ここはドローとしよう。
シボレー・カマロ
伝説的な名車、シボレー・カマロは1966年に2+2クーペとして世に送り出された。1964年のフォード・マスタングに対抗するために素早く設計されたカマロは、活況を呈していたポニーカー市場に対するシボレーの回答だった。
初代カマロには、Z/28用の4.9L V8をはじめ、幅広いエンジンオプションが用意された。その他の特別仕様車としては、スーパースポーツやラリースポーツなどがあった。スポーティなデザインと効果的な販売戦略により、カマロは大きなシェアを獲得することに成功した。
シボレー・カマロ – リバイバル
2002年、多くの人はカマロの長い歴史が終わったと考えていた。しかし、2006年のコンセプトモデル公開と、それに続く2007年の映画『トランスフォーマー』出演を経て、ついに2010年に新型カマロが発売された。
オリジナルのポニーカーの精神とデザインを保ちつつ、現代的な性能、技術、デザイン要素を取り入れ、ノスタルジーと最新トレンドをセンス良く融合させた。カマロの復活は間違いなく成功であり、「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」などの受賞歴も輝かしい。今後も、EVとなるであろうカマロの活躍に期待したい。
ダッジ・チャレンジャー
1970年代の典型的なポニーカーの1つであるダッジ・チャレンジャーは、クライスラーEプラットフォームをベースとし、主要コンポーネントをプリマス・バラクーダと共通化している。象徴的な440シックスパックや426ヘミなど、パワフルなV8エンジンを搭載していることで知られる。
ポニーカーとしては競合車よりも大きく、またデラックスなモデルであった。豪華装備と豊かなエンジン・ラインナップという、マッスルカー全盛期に求められるすべてを備えていた。
ダッジ・チャレンジャー – リバイバル
ダッジは2008年、マッスルカー人気の再上昇と、フォード・マスタングやシボレー・カマロといった競合相手に対応するため、新型チャレンジャーを発表した。1970年のダッジ・チャレンジャーR/Tにインスパイアされたデザインが特徴だ。
エンジンはV6からパワフルなヘミV8まで幅広い。オリジナルに匹敵、あるいはそれを凌ぐパフォーマンスを実現し、マッスルカー愛好家にとって現代的でありながらノスタルジックな選択肢となっている。これは間違いなく成功作である。
ダッジ・ダート
1959年から1976年まで販売されたダートシリーズ。当初はフルサイズ、次にミドルサイズ、そして最終的にはモパーAボディ・プラットフォームをベースとするコンパクトカーが登場した。ダッジ・ダートは、実用的な「スラント・シックス」のコミューターからパワフルなV8マッスルカーまで、その幅広い構成で瞬く間に人気を博した。
ダッジ・チャージャーが独立したモデルになる1年前には、ダッジ・ダート・チャージャーGTのような特別な高性能モデルまで発売された。さまざまな市場セグメントに対応する多彩なラインナップで、ダートは60年代から70年代にかけて一世を風靡した。
ダッジ・ダート – リバイバル
新型ダートは2012年、その歴史的人気を受け継ぐべく、フィアット由来のコンパクトカーとして復活した。しかし、オリジナルとは異なる前輪駆動で、アルファ・ロメオ・ジュリエッタと同様のサスペンション・システムが採用されるなど、伝統からは離れてしまった。
オリジナルのダートはコミューターからマッスルカーまで幅広い多様性で知られていたが、復活したダートにはそのような象徴性はない。共通点はほとんどなく、同時代のライバルに対してさえ劣勢に立たされた。販売台数が伸び悩む中、ダッジは2016年にダートを廃止。フィアット・クライスラーのセルジオ・マルキオンネCEOは当時、ダートとクライスラー200を二大失敗作と呼んだ。
フォード・ブロンコ
フォード・ブロンコは、1966年から1996年まで販売されたコンパクトなオフロードSUVで、後にフルサイズSUVに発展した。その独特なデザインとオフロード性能の高さが評価され、名車として名を残している。
当時競合したシボレーK5ブレイザーと同様、ブロンコも取り外し可能なボディパネルを備えている。ブロンコは時代とともに変化し、より大きく、より長距離移動に適したSUVへと適応していった。
フォード・ブロンコ – リバイバル
どれだけの人が覚えているかはわからないが、フォードは2005年にブロンコのコンセプトモデルを発表している。そのデザインは先進的であると同時にレトロな雰囲気も漂わせていたが、新型が発売されたのは2021年のことだった。新型ブロンコは1966年から1977年のシリーズを彷彿とさせるデザインで、2ドアと4ドアのボディが用意されている。
オリジナルの象徴的なデザイン、オフロード性能、取り外し可能なドアパネルを維持する一方で、オンロードとオフロードを走行するための現代的な技術と先進的な機能を統合している。好意的な評価を受けていることから、成功作と言っていいだろう。
フォード・サンダーバード
「Tバード」としても知られるフォード・サンダーバードは、1955年から1997年まで生産されていた、時代を超越したパーソナル・ラグジュアリーカーである。初代の発売から実に10世代にわたって販売を続けるなど、米国の自動車文化に深く定着している。
当初2シーター・コンバーチブルとして登場し、後に4シーターのハードトップ・クーペやコンバーチブルなどさまざまなバリエーションが用意された。スポーツ性よりも快適性を重視し、パーソナル・ラグジュアリーカー市場の基礎を築いたパイオニアである。
フォード・サンダーバード – リバイバル
5年間の休止期間を経て、新型サンダーバード1955年のオリジナルデザインへのオマージュとして2002年に復活した。第11世代となるこのモデルは、レトロなスタイリングを取り入れた2シーター・コンバーチブルである。56年型と57年型を彷彿とさせるハードトップ、第3世代に似たテールライトが採用され、リンカーンLSやジャガーSタイプと共通の3.9L V8エンジン(最高出力252ps)が搭載された。
デザインで歴代モデルに敬意を表していたものの、熱狂的な支持を得るには至らず、オリジナルよりも魅力に欠け、運転する楽しみも少ないという認識を招いた。販売が芳しくなかったため、フォードは2005年にTバードに終止符を打った。この復活劇は間違いなく失敗だった。
ハマーH3
米国人は大きなクルマが好きなことで知られているが、ハマーはまさにその象徴である。その名が示す通り「H3」はハマーの第3世代にあたるモデルであり、シリーズ最小にもかかわらず、どこからどう見ても大型SUVである。
軍用車ハンヴィーから派生したハマーH3は、堅牢な構造、高いグランドクリアランス、ワイドなスタンスが特徴だ。米国の消費者は、そのユニークなデザインと軍用車のDNA、そしてオフロード性能を求めてハマーに群がった。
ハマーEV
ガソリンを大量に消費するハマーが、EVとして復活するとは誰も期待していなかっただろう。しかし、GMCは2021年に実現してしまった。ハマーEVの特筆すべき点は、合計出力1000psの3基の電気モーター、先進のオフロード技術、運転支援システム、最新のインテリアデザインなど。
もちろん、パワートレインという点ではオリジナルから大きく逸脱しているが、現代的なスタイリングの中にもハマーらしいデザイン要素を多く残している。予約段階で6万5000台以上の注文があったことからもわかるように、リバイバルモデルとして成功作と言えるだろう。
ジープ・グラディエーター
初代グラディエーターは、ジープSJプラットフォームをベースに1962年から1988年まで生産されたフルサイズ・ピックアップトラックのシリーズである。その不朽の設計により、単一のプラットフォームで26年以上も生産され続けた。
AMC製3.8L直列6気筒など複数のパワートレインが用意され、7フィート(約2.1m)または8フィート(約2.4m)の荷台に、後輪駆動と四輪駆動が設定された。頑丈な造りと適応性の高さ、頼りがいのあるオフロード性能から人気モデルとなった。
ジープ・グラディエーター – リバイバル
新型グラディエーターは、2018年に第4世代ジープ・ラングラーのプラットフォームをベースにしたミドルサイズ・ピックアップトラックとして登場した。オリジナルが備えていた高い地上高とオフロード性能はそのままに、豪華なインテリアやインフォテインメント・システムなど、現代的な設備を整えている。
また、ジープ初の4ドア・トラックであり、初のコンバーチブルトラックでもある。新型グラディエーターは、ジープファンの間で賛否両論を巻き起こした。現代的な進化を評価する人もいれば、オリジナルのシンプルなデザインを好み、高い価格設定に尻込みする人もいる。しかし、機能性と性能の点では、オリジナルの後継にふさわしい。
マーキュリー・マローダー
1963年の半ばに登場した初代マーキュリー・マローダーは、2ドアまたは4ドアのフルサイズモデルである。ノッチバックのリアルーフラインは、逆傾斜の「ブリーズウェイ(Breezeway)」デザインとは対照的だ。S-55にはバケットシートのようなスポーティな装備も含まれている。
マーキュリーにおいて、マローダーの名は高性能モデルを連想させるもので、オリジナルはストックカーレースに最適化されていた。また、「スーパー・マローダー」と呼ばれるパワフルなV8エンジンも搭載している。
マーキュリー・マローダー – リバイバル
2003年、歴史あるフォード・パンサー・プラットフォームをベースに復活したマローダーは、マーキュリーが北米市場に導入した最後の後輪駆動車となった。4.6L V8エンジンは最高出力302psを発生し、シャシーの強化、ヘビーデューティなブレーキとサスペンション・コンポーネント、18インチ5本スポークホイール、アルミ仕上げのメーターを備えたユニークなインテリアなどが採用された。
性能と装備の面では、マローダーは間違いなくオリジナルに匹敵した。しかし、販売面ではまったく追いつけなかった。わずか1万1052台しか販売されず、今となっては希少な逸品である。果たして成功作なのか失敗作なのか、それは誰に尋ねるかによる……。
ポンティアックGTO
GTOは常にルールブレイカーだった。ポンティアックはGMのエンジン排気量ポリシーに反し、ミドルクラス車に6.4Lの大排気量V8を搭載するという博打に出た。幸いなことに、GTOはマッスルカー時代の象徴となり、GMのレース禁止令の後、ストリート・パフォーマンス用として大々的に宣伝された。
名高いフェラーリ250 GTOに影響され、「グラン・ツーリスモ・オモロガート」の頭文字をネームプレートに冠した。1964年から1974年にかけて、特に若い世代を中心に大成功を収めた。
ポンティアックGTO – リバイバル
ポンティアックのかつての栄光を取り戻すべく、新型GTOは2004年に復活した。ただ残念ながら、中身はオーストラリアのホールデン・モナーロのリバッジだった。
5.7L V8エンジン「LS1」を搭載し、オリジナルのサウンドを模したデュアルエグゾーストシステムを組み合わせている。現代的な性能とV8パワーを備えているものの、オリジナルの筋肉質なスタイリングがなく、真のアメリカン・マッスルカーというより、輸入車のリバッジモデルであるという批判に直面した。残念ながら、リバイバルとしては失敗作と呼ばざるを得ない。
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みんなのコメント
一方、新ダートは無理にそんな名前を名乗らずに、素直にネオンで良かった気がする。しかし、それ以前にクライスラー系にはどうしても品質の問題がついて回るのだろう。