オンロードでの快適な走りを披露した新型Gクラス。気になるのはワインディングやオフロードでの性能だ。後編では注目のハンドリングや悪路走破性をレポートする。TEXT◎大谷達也(OTANI Tatsuya)PHOTO◎Daimler AG
ようやくコーナーの連なるオープンロードに到着。早速、最高出力585psを生み出すG63のパワーを解き放ってみる。最初に現れた単発コーナーで狙いどおりのラインをトレースできることが判明したので、さらにペースを上げてS字コーナーに進入。
すると、自分としては的確なタイミングで操舵したつもりだったが、2つめのコーナーで反応が遅れてステアリングを切り増す結果となり、スムーズなラインを描けなかった。それでも、すでに現行Gクラスではとても不可能なペースに到達していたが、よくよく見ればドライビングモード切り替えのダイナミック・セレクトがコンフォートになっているではないか。
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そこでスポーツモードに切り替えると、今度は私とG63の呼吸がぴったりと合い、左右に切り返すコーナーも意のままにクリアできるようになった。ロールもよく抑えられていてコーナリング中の安心感が強く、前述のとおりわずかな操舵にも正確に反応してくれるため、それこそ1cm単位でラインを調整できる。オンロード走行に主眼をおいた最新SUVにも引けをとらない操安性だ。
続いてはオフロードコースでG500を試す。ちなみにG63は主にマフラーをサイド出しとしている関係でロードクリアランスが微妙に小さくなっているが、基本的な走破性はG500と変わりないという。
コースはこぶし大の岩を散りばめたような悪路で、いかにもトラクションがかかりにくそう。ここをG500は何の苦労もせずに走り抜けてみせた。量産SUVでは唯一とされる3つのデフロックを駆使すれば、50%近い急勾配だろうと、傾斜を斜めに上る難易度の高い走り方だろうと自由自在。しかも、どれほど乱暴に走ってもボトミングしない電子制御式ダンパーの巧妙な働きには舌を巻いた。これなら悪路走破性で不満を覚えることは決してないだろう。
オンロードでのG63とG500を比較すると、ホイールストロークに関係なくしなやかさを失わないG63のほうが快適に感じられた。聞けば、G63はタイヤの縦バネが高いことを織り込んでサスペンション・スプリングはG500よりもむしろ柔らかいものを使っているとか。新型でG63人気がさらに高まったとしても不思議ではない。
※本記事は2018年GENROQ7月号より転載。
SPECIFICATIONS
メルセデスAMG G63<メルセデス・ベンツG500>
■ボディサイズ:全長4873<4817>×全幅1984<1931>×全高1966<1969>mm ホイールベース:2890mm トレッド:F1654<1638> R1654<1638>mm ■車両重量:2560<2429>kg ■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ 総排気量:3982cc 最高出力:430kW(585ps)/6000rpm<310kW(422ps)/5250~5500rpm> 最大トルク:850Nm(86.7kgm)/2500~3500rpm<610Nm(62.2kgm)/2250~4750rpm> ■トランスミッション:9速AT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:F4リンクR5リンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F275/50R20(9.5J)<265/60R18(7.5J)>R275/50R20(9.5J)<265/60R18(7.5J)> ■パフォーマンス 最高速度:220km/h 0→100km/h加速:4.5<5.9>秒 ■環境性能(EU複合モード) CO2排出量:299<276~263>g/km 燃料消費率:13.1<12.1~11.5>L/100km
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