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【ランボルギーニ・レヴエルト試乗記in富士】 電動化によって実現した、操れる1015ps

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【ランボルギーニ・レヴエルト試乗記in富士】 電動化によって実現した、操れる1015ps

濡れた路面に尻込み

6.5L自然吸気V12エンジンの最高出力は825ps。さらに車体の前に2基、後ろに1基積まれたモーターとの出力総計は1015psにもなる。市販車ではなかなか前例がない1千馬力超え。ランボルギーニの新型フラッグシップモデル、レヴエルトである。

【画像】ランボルギーニ・レヴエルト試乗の様子をみる 全156枚

日本におけるメディア向け試乗会のステージは富士スピードウェイだった。しかも、雨こそ上がったが路面は濡れているというコンディション。「さぁ、どうぞ」と言われても尻込みしてしまうような感じだった。

レヴエルトの外観をひと通り観察した限りでは、「アヴェンタドールの正常進化型」という印象を持った。もちろんカーボンファイバー製モノコックシャシーとV12エンジンとも新設計。しかも電動化が隅々まで行き渡っているのだから、進化していないはずはない。

フラッグシップのランボルギーニらしく上方に跳ね上がるドア。だがサイドシルの幅があるので乗り込みは簡単ではない。しかも一旦コックピットに収まって、というかハマッてしまうとそう簡単に降りたくなくなってしまうという点もこれまでのランボルギーニに通じている。

だが今回、視界は良くなっていると感じた。低いシートと遠くて上向きのステアリングというイタリアンポジションが、代替わりをするごとに是正されてきた結果だろう。

ステアリング上にある4つのボタンなど簡単にコクピットドリルを受けたのだが、そこは現代のレーシングカーのようでかなり複雑だと感じた。とはいえ待ったなし、指定された「チッタ」という電動走行のドライブモードでピットロードを静かに加速していく。

前を行くウラカンSTOが遅く感じられる!

フロントのモーターのみを使って走るチッタでは、10kmほどのEV走行が可能なのだという。だが本コースに合流するあたりでスロットルを深く踏み込むとV12エンジンも加勢しはじめ、鋭い加速がはじまる。

不思議なのは「1000馬力オーバー!」に対して身構えていると、そこまで暴力的な感じがしない点だった。確かに速いのだが、ターボ車のように拍車がかかって、体が置き去りにされるような感じではないのだ。目が付いていかない感じもしないし、タイヤとかシャシーが悲鳴を上げそうな感じもない。そこはしっかりシャシーファスターなのである。

アヴェンタドールの弱点は7速のロボタイズドM/Tによる変速の「間」だったと思っているのだが、8速DCTに切り替わったレヴエルトにはそれもない。おまけに車体に仕込まれた3つのモーターの動きも完全にV12のパワーと協調しているおかげで、全ての動きがシームレスで文句のつけようがないのだ。

今回の試乗会はウラカンSTOのペースカーについていく形だった。最終コーナーからの加速はフラットな姿勢で繰り出されるが、スピードの上がり方は尋常ではない。ストレートの前半部分で勢いよく200km/hを突破し、それ以降も前を行くウラカンが遅く感じられるほどの加速を見せる。

筆者が走った時は路面が微かに濡れていたので240km/hまででスロットルを緩めたが、ドライ路面で走った人によれば容易に300km/hを突破できたという。期待に違わぬポテンシャルといえるだろう。

その真価は1015psにあらず?

フロントに仕込まれた2モーターの狙いは、AWDの成立はもちろんベクタリングにあることは言うまでもない。これまで筆者は2代目ホンダNSXやフェラーリSF90でフロント2モーターのミッドシップスーパースポーツを体験したことがある。

NSXのそれはすぐに作動感が分かる粗っぽい感覚で、ドライバーが想像している以上に曲がるので面白かった。けれどレヴエルトは仕上がりのレベルが違った。前輪が積極的に駆動するからAWDっぽいのではなく、スタビリティの高さが2駆とは全く違うレベルにあるのでAWDとわかるのだ。

ベクタリングに関しても作動感はほとんど看破できず、ひたすらナチュラルに4輪のグリップ感だけが伝わってくる。アヴェンタドールの場合はリアの重みとアンダーステアに気を付けながらドライブする感じだったが、レヴエルトは車重が気にならず、コーナーの中間から積極的に踏んでいける。

ついつい1015psという数字にスポットを当ててしまいたくなるが、電動化を味方につけたレヴエルトの真価は、誰でも容易にその大パワーを操れる点にあるのだ。

複雑な機構を内包しながら、いきなり完成度が高いランボルギーニ・レヴエルト。唯一残念に思ったのは、9000回転超のレブリミットを誇るV12エンジンの回転フィールや音がそこまでクローズアップして感じられなかったこと。ともあれ想像以上のフラッグシップ交代劇が起こったのである。

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