現地時間3月2日、2024年F1開幕ラウンドとなる第1戦バーレーンGPの決勝レースが行われ、前年王者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が自身通算55勝目をポール・トゥ・ウインで飾った。2位にセルジオ・ペレス(レッドブル)、3位にカルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(RB)はチームの指示でダニエル・リカルド(RB)にポジションを譲った末に14位でチェッカーを受けた。
ついに迎えた2024年F1開幕戦。バーレーンGPのグリッドには2023年最終戦アブダビに参戦した顔ぶれがそのまま並んだ。スタートタイヤは全車がソフト(C3)を選択。上位9台はユーズド、11番グリッドの角田を含む後続の10台は新品を装着している。
57周の決勝レースは気温は18度、路面温度は24度というコンディションでスタートを迎えた。フェルスタッペンが抜群の蹴り出しを見せてシャルル・ルクレール(フェラーリ)を牽制しつつターン1を通過。
その後方ではランス・ストロール(アストンマーティン)が蹴り出しで遅れたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)に追突されるかたちでスピン。その後ろでバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)がヒュルケンベルグのリアにヒットしてしまい、3台が後続に沈む。
3番グリッドスタートのジョージ・ラッセル(メルセデス)は一旦はペレスに先行されるも3番手の座を取り戻して2周目を迎えることが叶った。一方、角田はフロントウイングにダメージを負ったヒュルケンベルグをかわし入賞圏内の10番手に浮上する。
3周目のターン5~7でラッセルがルクレールを攻略。ラッセルはさらにフェルスタッペンとの間合いを縮めにかかるが、フェルスタッペンは早速ペースコントロールしているのか、4周目からはラッセルとの間合いを毎周0.7~1.1秒ほど広げる。
これで2番手ラッセルを先頭に隊列ができる。そんな中、7周目にペレスがターン11でルクレールを攻略し3番手に浮上。序盤でタイヤを使った影響か、ルクレールはガクンとペースを下げてしまい、チームメイトのサインツに追い立てられる展開に。
10周目のターン1でルイス・ハミルトン(メルセデス)がフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)をパスし8番手に浮上する。翌周の11周目のターン1ではサインツがルクレールを攻略し、4番手に浮上。
すると5番手に下がったルクレール、そして2番手につけていたラッセルが12周目にピットインし、ハードを履いた。これに呼応したペレス、そしてオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ハミルトンが13周目、ノリス、ダニエル・リカルド(RB)が14周目にピットインしハードタイヤに交換する。
角田はサインツと同じ15周目にピットイン。サインツはルクレールの背後でコース復帰となってしまう。また、角田は周冠宇(キック・ザウバー)、ストロールにアンダーカットされ12番手に後退してしまい、早めにソフトからハードに変えたドライバーがポジションを上げる。
しかし、サインツは17周目のターン1でルクレールを、同じ場所で角田がストロールを攻略。さらに18周目のターン4~5でサインツがラッセルをパスし3番手に浮上する。
18周目にフェルスタッペンが最初のピットを終えると、フェルスタッペン、ペレス、サインツ、ラッセル、ルクレール、ノリス、ピアストリ、ハミルトン、アロンソ、周冠宇、角田というオーダーに。
フェルスタッペンは他と1秒近く異なるペースで周回を重ね、単独走行でライバルとの膨大なギャップを築きにかかり、国際映像もその姿を追うことをやめてしまう。
ハードタイヤを履いた全車はタイヤマイレージも鑑みてペースコントロールに入ったか、レース中盤は順位変動もなければ、上位勢でDRS圏内に入るクルマもなく、しばし均衡状態が続いた。なお、23周目にはフェルスタッペンが2番手ペレスとのギャップを10秒まで広げる。
28周目にストロール、29周目に周冠宇が2度目のピットストップでハードタイヤに履き替える。上位勢では4番手のラッセルが32周目にピットイン。
その前周の31周目にはボッタスがピットインするも、右フロントのナットのトラブルか。タイヤ交換に時間を要し、停車時間は52.4秒に及びラップダウンとなってしまう。
35周目にルクレール、ピアストリ、角田、36周目に3番手のサインツ、37周目に2番手のペレス、フェルスタッペンは37周目にピットインし、レッドブル勢の2台は新品ソフトに履き替える。フェルスタッペンは39周目に1分32秒608のファステストをマーク。同じ周のペレスをほぼ2秒上回る走りを見せる。
43周目を迎えるとラッセル、ルクレールの4番手争いが接近する。2台のテール・トゥ・ノーズの攻防が続くなか、46周目のターン10でラッセルがオーバーランするミス。これでルクレールが4番手に浮上する。
一方、RBは13番手角田がハード、14番手リカルドがソフトと第3スティントのタイヤ選択を変えていた。ソフトを履いたリカルドは一時は4秒あった角田との間合いを着々と縮め、50周目にDRS圏内に入る。
ただ、角田も12番手マグヌッセンに対するDRSが使用でき、51周目を迎えるころには3台が数珠繋ぎとなる。レースも終盤を迎えた52周目、RBは角田にリカルドとのポジション入れ替えを指示する。
レースも残り5周という53周目のタイミングで角田はチームの指示に従いリカルドに13番手の座を譲るが、その時点でリカルドのソフトタイヤは16周を走行していたこともあり、マグヌッセンを攻略することはできず周回は続いた。
その様子を後方から見た角田は「もっとペースを上げてくれないと困る」と無線を飛ばすも、最終的にリカルドはマグヌッセンを攻略しきれずにチェッカーを受けることに。
57周目を終え、フェルスタッペンが2位ペレスと22.526秒差(2023年は11.9秒差)という大差をつけポール・トゥ・ウイン。レッドブルは今年も開幕戦から1-2と、幸先のいいシーズンのスタートを飾った。
3位サインツ、4位ルクレールと、フェラーリ勢が続いた。5位ラッセル、6位ノリス、7位ハミルトン、8位ピアストリ、9位アロンソ、10位ストロールまでがポイント獲得。角田は13位のリカルドから0.524秒差の14位でチェッカーとなり、RBはチーム名を一新して迎えた初戦を、揃ってノーポイントという結果で終えた。
次戦となる2024年F1第2戦サウジアラビアGPは3月7日(木)~9日(土)に、ジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される。
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