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レッドブル代表「メルセデスのコンセプトが間違っているからだ!」 ポーパシングはレギュレーションの不備ではないと主張

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レッドブル代表「メルセデスのコンセプトが間違っているからだ!」 ポーパシングはレギュレーションの不備ではないと主張

 今季は各チームがポーパシングと呼ばれる現象に悩まされており、中でも特にメルセデスは苦しめられ、パフォーマンスやドライバーの身体にも大きな影響を及ぼしている。

 この原因についてレギュレーションの不備も指摘されているが、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、レギュレーションではなく、メルセデスのマシンのコンセプトに問題があると指摘する。

■メルセデス代表、激怒! ”2本目のステー”許さない他チームの対応は「哀れだし、不誠実」

 今季からテクニカルレギュレーションが大きく変わったことにより、マシンのダウンフォース発生に対するコンセプトも大きく変わった。昨シーズンまではマシンの前後のウイングで大きなダウンフォースを生み出していたが、今季からはウイングの形状等を厳しく制限し、その代わり床下で生み出すダウンフォース量を増やす形となった。これにより、前のマシンに接近して走ることができるようにすることが目指されているのだ。

 ただこの新レギュレーション下では、フロア下で発生するダウンフォース量が気流がストールすることなどにより安定せず、激しい上下動……いわゆるポーパシングに悩まされるマシンが多くみられるようになった。特にメルセデスはこの現象に苦しみ、パフォーマンスにも影響。昨シーズンまでは常に優勝争いを繰り広げていたものの、今季はトップチームに大きく引き離される”3番手”チームになっている。またその激しい上下動により、ドライバーの身体にも大きな影響を与えている。特にアゼルバイジャンGPでは、ルイス・ハミルトンが激しい背中の痛みを訴えた。

 この上下動を減らすためにFIAは介入に乗り出し、カナダGPの直前には技術指令が通達された。この技術指令では、ポーパシングの発生を抑えるために、フロアのたわみを抑制する2本目のステーを追加することが許可されたが、対応できたのはメルセデスだけだったためライバルチームがこれに反発。カナダGPの土曜日に行なわれた各チーム代表によるミーティングでは議論が紛糾したという。

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフ代表は、ライバルたちのスタンスに激怒。安全面よりも、政治的に優位に立とうとしていると、痛烈な批判をおこなった。

 ただレッドブルのホーナー代表は、メルセデスのマシンが激しい上下動に見舞われるのは今季のレギュレーションとは関係ないと指摘。同チームのマシンが、路面に非常に近いところを走った時にのみ最大限のパフォーマンスを発揮できるという、間違ったコンセプトに進んだことが原因だと指摘した。

 ポーパシングに関する議論が、安全面の問題ではなく、政治的なモノになっていると感じているかどうかと尋ねられたホーナー代表は、次のように語る。

「メルセデスの問題は、カナダの前の時点では、他のどのマシンよりも深刻だった」

 そうホーナー代表は言う。

「ただそれはチーム次第だ。他のチームが大きな影響を受けていないのであれば、彼らがコントロールできる範囲内で、それに対処できるはずだ」

「他のドライバーも不満を訴えていることは知っている。しかし、我々のドライバーがポーパシングについて不満を言ったことは一度もない」

「我々には、マシンが跳ねる問題は起きていない。問題は、彼らがマシン(のサスペンション)を非常に硬くして走らせていることにある。レギュレーションではなく、彼らのコンセプトが問題だと思う」

 ホーナー代表は、カナダGPの直前にFIAが技術指令を出し、問題に介入したやり方には不満を持っていると語った。

 この技術指令が通達されたのは、まさにカナダGPの直前。チームはカナダに向けて移動しているか、あるいは既にカナダに到着していた時期だ。にもかかわらず、メルセデスがどうやって2本目のステーを追加することができたのか、それには疑念の目が向けられる可能性があると指摘する。つまり、メルセデスが事前に何らかの情報を知っていたのではないかと疑われると言うのだ。

「こういうものを導入するには、プロセスが存在する」

 そうホーナー代表は語った。

「特に残念だったのは、2本目のステーに関することだと思う」

「それは技術フォーラムで議論されなければならないし、あるチームの問題を整理することに明らかに偏っている。あそこ(メルセデス)は技術指令を受けてここに持ち込むことができた唯一のチームだった。だからそれを解決する必要がある」

 今週中には、FIAが各チームのテクニカルディレクターを招集し、ポーパシング問題の解決策を前に進める予定だ。しかしホーナー代表は、現時点ではレギュレーションの面で何かを行なう必要性については懐疑的だ。

「F1には、世界で最も優秀なエンジニアたちが揃っている。そして、問題は収束していくだろう」

 そうホーナー代表は言う。

「もしレギュレーションがこのまま放置されたとしても、来年もバウンシング(もしくはポーパシング)について話し合っているとは思わない」

「このマシンはまだ登場したばかりだ。各チームがマシンに開発を加えることにより、おそらくこの問題に対処でき始めるのを目にすることになるだろう。そして、シーズン途中でテクニカルレギュレーションを突然変更するなんてことはできない」

「マシンが危険なら、チームはそれをコースに送り出すべきではない。そういう選択だってある。またFIAは、マシンが危険であると感じた場合には、ブラッグフラッグ(失格を意味する旗)を振ることだってできるんだ」

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みんなのコメント

1件
  • FIAは、マシンが危険であると感じた場合には、ブラッグフラッグ(失格を意味する旗)を振ることだってできるんだ
    凄くまっとうな意見だと思います。FIAはきちんと仕事しろ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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