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『フォルクスワーゲンI.D. Rパイクスピーク』、グッドウッドでもEVレコードを樹立

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『フォルクスワーゲンI.D. Rパイクスピーク』、グッドウッドでもEVレコードを樹立

 先月開催されたPPIHCパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの2018年大会で驚異的なオーバーオール・レコードを樹立して勝利を飾ったフルEV『フォルクスワーゲンI.D. Rパイクスピーク』が、7月12~15日にイギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2018で、イベント名物のヒルクライム・アタックにも参戦し、電動車両部門の公式記録を3.5秒更新する新記録を樹立した。

 4輪インホイールモーターを採用し、システム出力680馬力を誇るこのフルEVモンスターマシンは、この6月にアメリカのコロラド州で開催された伝統のイベントで驚異的な走りを披露。

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 2度のル・マン・ウイナーであるロマン・デュマのドライブにより、それまでの最速記録となるプジョースポール、セバスチャン・ローブがドライブした『プジョー208T16パイクスピーク』の8分13秒878というタイムを約16秒も更新し、7分57秒148の驚異的レコードを叩き出した。

 その勢いを25周年記念のフェステバル・オブ・スピードにも持ち込んだフォルクスワーゲン・モータースポーツGmbHは、20万人の観衆を集めた1.16マイルの伝統のコースでタイムアタックに臨み、土曜の予選で週末ベストとなる43秒05をマーク。

 続く日曜に開催されたファイナルでは、気温が上昇してベストな環境とはならず43秒86にタイムダウンするも、これが全体ベストの最速タイムとなり、2013年にジョニー・クッカーがドライブした850馬力の『ローラ-ドライソンB12 69/EV』のエレクトリック・レコード、47秒34を軽々と更新してみせた。

「とても良いレースだったね。でも決して簡単なことではなかったよ」と、PPIHCに続きヒルクライムの新記録を樹立したデュマ。

「限界ギリギリまで攻めたアタックだったし、リスクを避けながらも、可能な限りクリーンな走りをするように心がけてドライブしたんだ」

「来年もまたこの素晴らしいお祭りに戻ってきて、今度は総合記録を打ち破るのを目標にしたいね」

 決勝朝のウォーミングアップ走行で、デュマのフォルクスワーゲンI.D. Rパイクスピークは「限界を探し当てた」瞬間にミスを犯してコントロールを失いコースオフ。

 タイム計測を行わない走行ではあったものの、グラスエリアを滑走したマシンはあわや干草のウォールにヒットするか、というところで車速が落ち、なんとかクラッシュを免れる一幕もあった。
「僕はマシンのコントロールを失ったけど、スライドした感触は悪くなくマシンのスピードを殺すことができた」と振り返ったデュマ。

「それで自分自身にも『よし、これでどこまで抑えればフィニッシュできて、どこまで攻めると立ち木の餌食になるかが理解できた』って、言い聞かせたんだ」

 フォルクスワーゲン・モータースポーツの技術部門を統括する“FX”ことフランソワ-クサビエ・ドゥメゾンは、将来的にこのフルEVマシンをコースに最適化させれば、さらなるタイム短縮の可能性を秘めている、と明言した。

 彼らはコロラド州での“レース・トゥ・ザ・クラウド”から、この英国の伝統的イベントに参加するにあたり準備期間が充分取れなかったことも影響して、I.D. Rパイクスピークのセットアップとパワートレーンの最適化が充分に行えなかったと語っている。

「このクルマはパイクスピークに照準を合わせたデザインになっている。そう、全長20kmに及ぶレースに挑むためにね」とドゥメゾン。

「だから、この短いコースでアタックするにはエネルギー量が多すぎるんだ。そのため全長1.8kmのグッドウッド用のトリムに変更し、いくつかのアイデアを盛り込めば、将来的にはさらなるタイムアップも可能だと言っておこう」

 フォルクスワーゲン・モータースポーツとしては、今後もこの『フォルクスワーゲンI.D. Rパイクスピーク』でEVレコード更新のチャレンジを続けていく予定だというが、ヒルクライムで2個の新記録を樹立したVWに対し、同じ会場には非公式ながら2018年に入ってニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ、スパ-フランコルシャンという2大サーキットの驚異的ラップレコードを記録したポルシェのLMP1『919ハイブリッドEvo』も登場。

 しかし、同じヒルクライムコースの走行を行ったものの、ポルシェの意向でタイムアタックには参加せず最速レコードの更新はおあずけに。依然としてグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの記録は、1999年にニック・ハイドフェルドがマクラーレン・メルセデスMP4-13で記録した41秒60となっている。

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