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現時点で同社の最高BEV メルセデス・ベンツEQE 350 SUVへ試乗 航続距離550km

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現時点で同社の最高BEV メルセデス・ベンツEQE 350 SUVへ試乗 航続距離550km

EQEと兄弟関係に当たる背の高いSUV

メルセデス・ベンツが展開するバッテリーEV(BEV)のEQシリーズに、新たなモデルが登場した。その名もEQE SUV。4ドアサルーンのEQEと兄弟関係になるが、ストレートな呼称が与えられている。

【画像】現時点で同社の最高BEV メルセデス・ベンツEQE 350 SUV 競合のBEV SUVと比較 全163枚

メカニズムも合理的。既存のEQEやEQSと同じBEV専用プラットフォームをベースとし、パワートレインも基本的に共有している。

英国に導入されるEQE SUVは、当初3種類。いずれもツインモーターで、350 4マティックはシステム合計での最高出力が292ps、500 4マティックは407ps、AMGの43 4マティックは475psという設定を得ている。

滑らかにカーブを描くデザインも、EQシリーズでは見慣れたもの。標準仕様のほかに、スポーティーなAMGライン・パッケージも2種類が用意される。アルミホイールの選択肢も多く、19インチから22インチまで選べる。

平滑な表面処理が功を奏し、空気抵抗を示すCd値は0.25と、ボディサイズを考えれば驚くほど小さい。同社の量産SUVとしては、過去最小の値だという。

フロントのホイールハウス内など各部に設けられたフィンや、フラット化された車体底面など、空気を効果的に受け流す設計にも余念はない。すべてが航続距離に影響してくる。

全長はガソリンエンジンで走る既存のGLEとほぼ同値で、4863mm。ホイールベースも近い。一方で全幅は1849mmとやや細く、全高は1686mmで低い。

89kWhのバッテリーで航続距離は550km

インテリアの雰囲気は、サルーンのEQEに準じている。用いられる素材の多くが高品質で、高級感がある。ダッシュボードには12.3インチのメーター用モニターと、12.8インチのインフォテインメント用タッチモニターが据えられる。

7995ポンド(約129万円)という高額なオプション費用を支払えば、合計で56.0インチ相当の3連続モニター、ハイパースクリーンを実装できる。ほぼ、ダッシュボード全面が表示エリアになる。

車内のフロアはフラットで、長いホイールベースを活かし、特に乗員空間は後席側でゆとりを感じる。上下左右、どの方向にも広い。荷室容量は520Lで、ひと回りボディが大きいEQS SUVより90L小さい。

リアシートの背もたれを起こせば、60L拡大できる。荷室の床面は、駆動用モーターがアクスル部分に搭載されている都合で高めだが、スクエアで使い勝手は良さそうだ。

EQE SUVで目新しい技術といえるのが、ドライブモードがコンフォートやエコの時、低速域でフロント側の駆動用モーターをタイヤから完全に切り離す機能。メルセデス・ベンツとしては初採用で、抵抗を減らしエネルギー消費を最大6%改善するとしている。

上級BEVらしく、エアコンにはヒートポンプ式を採用。真冬や真夏では、従来のエアコンより最大10%もエネルギー消費量を抑えられるという。

公称での航続距離は、89kWhの駆動用バッテリーで最長550kmがうたわれる。電費は4.5-5.4km/kWh。急速充電能力はACで22kW、DCで170kWまで対応する。

ベストバランスといえる350 4マティック

今回試乗したのは、エントリーグレードに当たる350 4マティックだったが、このモデルではベストバランスといえる内容かもしれない。車重は2580kgとかなりの重さだが、最大トルクは77.8kg-mもあり、不足ない動力性能を得ている。

圧倒されるほどパワフルには感じられないものの、発進時の加速力は鋭い。速度が増して抵抗が増えるほど、徐々に勢いは鈍っていく。

パワートレインは洗練されており、終始滑らか。粗野な振動も一切ない。滑らかなボディのお陰で、高速道路の速度域でも風切り音などは殆ど聞こえてこない。

サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式。スチールコイルのスプリングが支え、ストローク量によって減衰力が変化するダンパーが組まれる。

オプションで、エアサスペンションのエアマティックも選択が可能。ボディの水平が保たれるセルフレベリング機能と、車高調整機能が備わる。

エアマティック装備の場合、EQS SUVはクラス相応に快適。エコ、コンフォート、ノーマルのドライブモードを選んでいれば、入力を滑らかに吸収してくれる。

ステアリングホイールは正確で軽く回せ、混雑した都市部でも運転しやすい。オプションの後輪操舵システムを追加すれば、最小回転直径を10.5mまで小さくできる。

同社の量産BEVとして現時点での最高

スポーツ・モードへ引き上げると、ステアリングホイールは適度に重さが増し、サスペンションが引き締まる。かなりの車重にも関わらず機敏にボディは反応し、姿勢制御にも無駄はない。

グリップ力が高く、四輪駆動のトラクションを活かし、カーブの続く山道でも苦手さは感じない。うねりを越えても、ボディの上下動は最小限に抑えられていた。

筆者が気になった点が、ブレーキペダルの反応。踏み込んだ際の感触は殆どなく、制動力の立ち上がり方との一致性が薄い。回生ブレーキの効きの変化も自然には感じなかった。

SUVとして、最低地上高は169mmある。エアマティックとオフロード・パッケージの組み合わせで、更に25mm高くすることもできる。

フロントバンパー直下の映像をタッチモニターへ投影してくれる、トランスペアレント・ボンネット機能は有用だろう。オフロードでの能力は低くない。最大1800kgまで、トレーラーの牽引も可能だという。

新しいEQS SUVは、従来のように多くのユーザーが一緒に暮らしやすいBEVのSUVだといえそうだ。短所もゼロではないが、長所がそれを上回るといっていい。メルセデス・ベンツの量産BEVとして、現時点での最高の仕上がりにあると思う。

そのかわり価格はお高め。英国では、9万9260ポンド(約1598万円)からに設定されている。

メルセデス・ベンツEQE 350 SUV 4マティック AMGライン・プレミアム(欧州仕様)のスペック

英国価格:9万9260ポンド(約1598万円)
全長:4863mm
全幅:1849mm
全高:1686mm
最高速度:210km/h
0-100km/h加速:6.6秒
航続距離:460-550km
電費:4.5-5.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2580kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:89.0kWh
最高出力:292ps(システム総合)
最大トルク:77.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:−

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みんなのコメント

4件
  • 地獄の底へ向かって走れば550km以上
  • 実際は350キロ程度しか走れないでしょ
    まだまだバッテリー性能が追いついていない
    EV化の流れがはやすぎたよね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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