メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、2020年を「大きな挑戦」の年と考えている。2021年のルール改定に備えてチームが今シーズン行う準備作業が、翌年の戦いに直接影響を及ぼすと見ているからだ。一方、ウォルフは、メルセデスがプレシーズンテストで直面した信頼性の問題を深刻に考えていないと述べている。
現世界王者であるメルセデスは、バルセロナで行われたF1プレシーズンテストで全体の最速タイムを記録、今年も強力なチャンピオン候補として開幕戦オーストラリアに乗り込む。
2020年F1第1戦オーストラリアGP、TV放送&タイムスケジュール
とはいえカタロニア・サーキットでのメルセデスは順風満帆というわけではなく、幾度かのエンジントラブルに見舞われて信頼性に不安を抱えていた。チームのエンジニアたちは、今週オーストラリアで行われるシーズン開幕戦に先立ち、これらの問題の解消を迫られることになった。
「いよいよレースが始まる。新たなシーズンを戦えることを楽しみにしている」と、ウォルフはオーストラリアGPのプレビューで語った。
「チームは2020年型マシンを作り上げるために懸命に作業してきた。コース上で本格的に走らせた時にどんな力を発揮してくれるのかが楽しみだ」
「ウインターテストでは、予定していたプログラムの大部分をこなすことができた。しかし、信頼性にかかわる解決すべき課題もいくつか出てきていた」
「ただ、そうした課題がレースウイーク中ではなく、テストの時点で浮き彫りになったというのはむしろ喜ばしい。何のペナルティも受けずに解決を図れるのだからね」
今年のF1チームは、今シーズンを戦う一方で、来年からのルール改定に対応するための作業を続けていかなければならず、例年より膨大な仕事量をこなすことになる。
ウォルフは、2020年シーズンにトラブルや難しい問題が生じた場合、2021年に向けたチームの準備作業に影響を及ぼすだろうと考えている。
「新たに始まるシーズンは、コース上でのレースというだけでなく、あらゆる作業が将来の我々の競争力に直接影響を及ぼすという意味でも、かなり刺激的な年になるだろう」とウォルフは語った。
「我々は、F1では過去になかったほど大規模な技術規則の変更と、バジェットキャップ制度という挑戦に直面することになる。今年1年間の努力次第で、2021年のスタートをどう切れるのかが決まってくる」
「そういう意味で、2020年シーズンは大きな挑戦の年だといえる。そしてこの挑戦を、ブリックスワースとブラックリーの(ファクトリーの)スタッフたちも楽しみにしている」
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