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【クルマのカタチ】消えていくボディスタイル 18選 時代の波に呑まれていったクルマたち

掲載 更新 10
【クルマのカタチ】消えていくボディスタイル 18選 時代の波に呑まれていったクルマたち

時代を反映するクルマのカタチ

2ドアのワゴン、タルガトップ、ランドーレットはどこへ行ってしまったのか?

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こんなことを考え始めると、夜も眠れなくなる。ボディスタイルは、定期的に生まれては消えていく花火のようなものだ。時代の変化、ファッションの変化、技術の進歩によってクルマの「カタチ」はどんどん変わっていく。

近年は、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)が世界的なブームとなり、ステーションワゴンなどを駆逐しようとしている。すべてのクルマがSUVになる前に、一度立ち止まって現状を把握してみてはどうだろうか。

どのスタイルが絶滅の危機に瀕しているのか、もしくは絶滅してしまったのか。あるいは、呼称が変わっただけなのか。今ではほとんど見られなくなったスタイルを見ていこう。

2ドア・ワゴン

覚えているだろうか?50年代から80年代まで、ごく普通に見られた光景だ。ハッチバックの前身となる労働者階級のクルマである。

2ドア・ワゴンは、フォード・プリフェクトやエスコート(写真)のような小型車に定番のスタイルとして人気があった。そう、小型から中型のワゴンは、2ドアとして作られることが多かったのだ。車種は豊富で需要も高く、マトラ・ランチョのような面白い変り種もあった。

しかし、ハッチバックがこれに置き換わってしまった。

シューティングブレーク

2ドアのワゴンとは一線を画している。リアドアと長いボディを持つ、実用性を兼ね備えた本格的なスポーツカーである。

もともとは英国貴族が狩りをするために作られたコーチビルドだったが、紳士のためのグランドツアラーへと進化した。高級車ばかりではなく、リライアント・シミターGTEやランチアHPE(写真)など、主流メーカーも手を出していた。

2ドア・セダン

シンプルな2ドア・セダンは、4ドアに比べて安価だったこともあり、50年代以降の定番スタイルだった。しかし、BMW 3シリーズのような高級モデルはクーペに変化していった。

全体的にセダンはファストバックスタイルになり、高級車はクーペに生まれ変わったのである。フォード・エスコート、ヴォグゾール・ノバ、フォルクスワーゲン・ダービー(写真)などは、まさにハッチバック黎明期の犠牲者であった。

ちなみに、ワンボックスのセダン(初代ミニなど)も死滅している。

水陸両用車

旧ドイツ軍のシュビムワーゲンやアルヴィス・スタルワートのような軍用車以外では、アンフィカー(写真)しかない。結局のところ、水と市販車は相容れないということだ。

3人乗りのロードスター

ベンチシートにはさまざまな活用法がある。英国では1950年代に流行したもので、アラード・パームビーチ(写真)、マローダー、ライリーRMCなどの美しいクルマがあり、誰もが華やぐことができた。

最終的には偶数席のコンバーチブルやロードスターが主流となった。

4ドア・コンバーチブル

このスタイルは構造的に難しいものであったが、30年代から50年代にかけて、多くのモデルが登場した。最も有名で痛快なのは、リンカーン・コンチネンタル・フェートン(写真)であろう。

少数のお金持ちのために変則的に作られたものも多い。そうでなければ、技術的な問題の解決に時間をかける価値がない。メルセデス・ベンツは2006年に「コンセプト・オーシャン・ドライブ」と名付けた、V12エンジン搭載の4ドアオープンカーのコンセプトを発表したが、その後は特に何の音沙汰もない。

3ドア・ハッチバック

皮肉なことに、多くのボディスタイルを駆逐したハッチバックも、時代の変化にさらされている。というのも、特に欧州ではメーカーに課せられるCO2排出量の基準が厳しくなり、都市向けの小型車そのものが存続の危機にあるからだ。

3ドアのヴォグゾール・コルサ(写真)やトヨタ・ヤリス(ヴィッツ)はもう手に入らないが、4ドアもいずれパンフレットから消えていくと思われる。

3シーター・クーペ

ベンチシートではなく、個々のバケットシートを備える3人乗りのクーペ。マトラ・シムカのバゲーラとその後継車ムレーナが旗手だった。ロータスよりも1人多く乗れるが、必然的にスペースは狭くなる。

その流れを変えたのが、運転席を中央にセットしたマクラーレンF1だった。他に誰も真似をせず、マクラーレンだけがスピードテール(写真)でこのスタイルを引き継いだのである。

ユーティリティ

昔は、実際に軍用車として使われていたものや、それを模したものを一般に販売していた。初代ランドローバーはもちろんのこと、ミニモーク(写真)のように、パラシュート降下で戦場に持ち込めるように設計されたものもあった。

ロールス・ロイス製エンジンを搭載したオースチン・チャンプ、ダイムラー・ベンツのウニモグ、シュタイア・プフ・ハフリンガー、フォルクスワーゲン・トレッカー(別名シング)やイルティス、スズキのLJ80、ビーチに似合うシトロエン・メハリなども登場した。これらは決してクロスオーバー車ではない。

スピードスター

今ではかなりポルシェに特化した呼び方になっているが、歴史的には20世紀初頭にレース用に簡素化・軽量化されたロードスターを指す言葉だった。少量生産車(プリムス・プロウラーなど)や、ウィンドスクリーンがオプション設定のコンセプトカーにも使われている。

現在最もよく知られているのは、911スピードスター、モーガン・プラス8(写真)、アストン マーティンV12スピードスターあたりだろう。

コマーシャル

コマーシャル(商用車)とは税金を逃れるための策略であり、サイドウィンドウやリアシートのないバン形式のクルマをビジネスツールとして利用するものだ。英国ではリー・フランシスのような高級車に使われ、狩猟や釣りをする人のためのステーションワゴンやシューティングブレークになった。

最近では、ランドローバー・ディスカバリー・コマーシャルや短命に終わったミニ・クラブバン(写真)など、資金に余裕のある職人たちのブランディングに使われている。

また、環境規制も乗用車に比べて緩いことから、スズキがジムニーを商用車として英国へ導入した。

タルガトップ

フィアットX1/9(写真)、ダットサン280ZX、フェラーリ328 GTSなどでは、屋根を手動で着脱することが魅力の1つだった。

タルガとは、1966年に発売されたポルシェ911に初めて使われた言葉で、現在の992型の911にも採用されている。

ファストバック

事実上、これは名前の変更だ。ファストバックの多くは50年代、60年代、70年代のクーペであり、フォード・マスタング(写真)などが思い浮かぶ。

近年、BMWのグランクーペやメルセデスのCLSなど、リアがなだらかに傾斜した4ドア車がよく見られる。高級車だけでなく、ヒュンダイi30のファストバックも登場しているので、復活しようとしているのかもしれない。

ロードスターと2ドア4×4

購買層やファッションの変化によって、人気が低下しているモデルはたくさんある。ステーションワゴンは、長年のであるSUVに徐々に取って代わられている。ロードスターは、マツダMX-5(写真)やケータハムのように、全体に占める割合が少なくなってきている。

クーペはコスト面でますます不利になっている。2ドアの4×4も、商用車でない限り脅威にさらされている(前述のジムニーのように)。ラーダ・ニーヴァはしぶとく生き残っており、ジープ・ラングラーのようにすぐに新しいモデルが登場するだろう。

ランドーレット

馬車の時代から長く使われてきた名称で、50年代から60年代にかけて高級車に見られたスタイルだ。ランドーレットはオープントップのリムジンのことで、上流階級が座る後席には開閉可能なルーフが備わっている。

フェートン

フェートンの名前はギリシャ神話に由来し、主に5人が乗車できる広々としたオープンカーのことを指す。その好例が、写真の1931年キャデラックV16デュアルカウル・スポーツフェートンである。

コロナード・ハードトップ

ゼネラル・モーターズは1973年にクーペモデルをいくつか設計したが、結局は実現しなかったロールオーバー規制を見越して、シボレー・シェベル・ラグナ(写真)のようなBピラーを備えたハードトップ車を開発した。

コロナード・ハードトップと呼ばれるこのスタイルのクルマは、1970年代に米国で起こった「パーソナルカー」ブームの一環として大量に販売された。その後10年間で人気が衰え、現在では米国の自動車メーカーは製造しておらず、メルセデスのEクラス・クーペなどが最も近い存在となっている。

リフトバック・ステーションワゴン

基本的には2ドアとテールゲートを持つワゴンで、マーキュリー・ボブキャット・ヴィレッジャー・ステーションワゴンのようなコンパクトカーがある。しばしば写真のような「ウッド」が追加されていた。

しかし、もっとスポーティなピラーレスタイプのマーキュリー・コミューターなど、4ドアのモデルも存在した。

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みんなのコメント

10件
  • やはりリトラは象徴的。

    卑屈な負け惜しみを言ったところで、今のクルマには付けられないのだから。
  • ダットサン280ZXがタルガトップとなっているが、ダットサンZ(フェアレディZ)がタルガトップを採用したことはない。
    (そもそも日産車にタルガトップはあるのか?)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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