5月9日、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでWEC世界耐久選手権第3戦が開幕した。2024年シーズン3戦目となる『スパ・フランコルシャン6時間レース』の走り初め、フリープラクティス1ではフェラーリAFコルセの50号車フェラーリ499P(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)がハイパーカークラス最速タイムをマーク。LMGT3クラスではTFスポーツの82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(小泉洋史/セバスチャン・バウド/ダニエル・ジュンカデラ)が一番時計を記録している。
前戦イモラから3週間のインターバルで開催されるWECスパは、今年もシリーズのハイライトとなるル・マン24時間レースの“前哨戦”とされるラウンドだ。そんな今大会ではドライバーラインアップを変更しているチームが複数あり、そのなかにはトヨタのWEC育成ドライバーである宮田莉朋を起用するアコーディスASPチームも含まれる。
【タイム結果】2024年WEC第3戦スパ・フランコルシャン FP1
また、改良型9X8での2戦目となるプジョーなどABB FIAフォーミュラE選手権とのバッティングの影響を受け、通常は1台あたり3名で戦うところを2名での出場となっているマシンも見受けられる。
スパのグリッドに並ぶ19台のハイパーカーと18台のLMGT3カー、都合37台のマシンは現地11時30分から90分間にわたって行われたフリープラクティス1回目(FP1)に臨んだ。セッション開始時の気温は17.4℃、路面はドライ、路面温度は25.4℃だ。
このセッションは開始から30分過ぎに小さなアクシデントがあったもののレッドフラッグによって中断されることなく順調に進み、すべてのクルマが全長7.004kmのコースを20周以上ラップ。もっとも多いクルマで38周を記録している。
そのうちの1台である51号車フェラーリ499P(AFコルセ)は序盤に記録した2分06秒831というタイムで全体の2番手に。トップは姉妹車50号車で、前戦のポールシッターであるフォコが2分05秒690を記録した。両車の間には1秒141の開きがある。
3番手はエドアルド・モルタラに代わってアンドレア・カルダレッリが合流している63号車ランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス)で、タイムは2分06秒998だった。83号車フェラーリ499P(AFコルセ)を僅差で上回り4番手に入った36号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)以降は2分07秒台で並ぶ。平川亮が乗り込む8号車トヨタGR010ハイブリッドはこの中の1台となり、2分07秒676というタイムで11番手に。
第2戦イモラを制した小林可夢偉組7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)は2分08秒台の先頭となる17番手に終わった。
■明暗分かれたLMGT3の日本勢
ハイパーカークラスの上位に並んだタイムがセッション序盤に記録されたのと同じように、LMGT3クラスのタイムシートでも中盤以降、上位陣に動きがなかった。そのなかでトップタイムをマークしたのは82号車コルベットで、小泉のチームメイトであるジュンカデラが2分20秒885を記録。ダビデ・リゴンのタイム計測によりクラス2番手につけた54号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)を0秒335突き放した。
クラス3番手は、今大会向けに発表されたBoP(性能調整=バランス・オブ・パフォーマンス)にて21kgのウエイトが追加されることとなったアストンマーティン・バンテージAMR GT3。ハート・オブ・レーシングチームの27号車が2分21秒387をマークしている。
ドリアーヌ・パンに代わってラヘル・フレイが復帰した85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・デイムス)が、トップ車両から1秒001おくれの4番手。前戦2位となったバレンティーノ・ロッシ組46号車BMW M4 GT3(チームWRT)が2分21秒940でクラス5番手につけている。
日本勢は、佐藤万璃音組95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)が15番手。クラス唯一の日本籍チームであるDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3は、ひとつ前の14番手だ。レギュラー3名のうち2名がフォーミュラEとのバッティングと病欠によって不在となっている宮田組78号車レクサスRC GT3はクラス最下位の18番手に。一方、同じくアコーディスASPチームの木村武史組87号車レクサスRC F GT3は2分22秒306でクラス9番手に入った。
WEC第3戦スパ6時間レースの走行初日は、このあと17時30分(日本時間24時30分)からFP2が行われる。
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