いよいよ迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終戦JAF鈴鹿グランプリ。今年はディフェンディングチャンピオンの山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、悲願のタイトル獲得を目指すニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、そしてルーキーのアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)という3人が自力でタイトルを獲得できる可能性を持ってこの最終戦に臨むことになる。専有走行終了後、山本、キャシディ、パロウの3名が記者会見に登場し、それぞれの心境を語った。
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スーパーフォーミュラ:山本、キャシディ、パロウは勝てば王者に。2019年チャンピオンシミュレーション
山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
ランキング1位/29ポイント
「チームを移籍して、前半戦は良い滑り出しだったと思います。中盤でノーポイントが続いてしまったのは痛かったですし、本来それをしたかったわけではないんですけど、こうして最後にポイントが接近しているというのはスーパーフォーミュラの難しさと厳しさを表しているのかなと思います」
「(ノーポイントのレースが続いたことについて)単純に自分の運転が上手くなかっただけです。TEAM MUGENと阿部さんとやっていたことによって見えなかった部分もあったし、チームを変えることよって新しい発見があるのかなと思ったこともチーム移籍の理由のひとつです。移籍しても中盤戦の失速というのが変わらなかったということは、自分が変わっていないということ。僕の運転の技術が少し低かったということがわかっただけでも収穫があったと思います」
「(昨年と似たような状況で最終戦を迎えることについて)人生において2度と同じ同じレースはないと思います。昨年と心境の違いがあるかと言われればあって当然ですし、今年はまた別のプレッシャーがのしかかっている。来年以降また同じようなシチュエーションになったとしても、今とはまるで違うプレッシャーがかかってくると思います」
「そのプレッシャーとどう向き合うかというのがドライバーの実力だと思いますし、それがドライバーに求められる仕事のひとつ。それを乗り越えた先に結果が待っていると思うので、今週自分がそのプレッシャーと向き合って戦っていけるのか、そこがひとつ楽しみな部分でもあります」
「(最終戦に向けて)連覇というのはあまり考えていません。両隣に強いライバル(キャシディとパロウ)がいますけど、このふたりだけではなくて誰が勝ってもおかしくない選手権なので、そのなかで勝って自分の強さを示したいなと思います。そのあとにチャンピオンがついてくると思うので、この1戦に賭けたいです」
ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
ランキング2位/28ポイント
「今シーズンを振り返っても、かなり満足している。おそらく、自分の人生なかでも今年はベストなシーズンだと思う。レースによってはがっかりした結果もあったけれど、それは自分がコントロールできない状況での結果なので、かなり悔しい思いもしている。もっとポイントを獲得できればと思ったレースもあった。この2戦に関してもそうだ」
「今年からトムスに移籍して、彼らもかなり苦戦をしているけれど、そのなかで僕たちは良い結果を示すことができたと思う。この2レースでも速さを見せることができたと思うし、クルマにも自信を持っている。最終戦に向けて自信に繋がっているので、それを示したい」
「(昨年と似たような状況で最終戦を迎えることについて)昨年は山本選手がプレッシャーのなかでポールポジションを獲ることができて、レースも優勝してチャンピオンシップを獲得した。でも僕も悪くなかったと思いたい。プレッシャーがあったとしても、僕たちはそのプレッシャーのなかで素晴らしいレースができるし、そういうレースを走れることを嬉しく思っている」
「僕にとっての昨年との大きな違いというのは、(KONDO RAICNGは)一度もタイトルを獲得したことがないチームだったので、みんながチャンピオンシップのためにすべてを尽くしていたことを感じた1年間だったことだ。チームの雰囲気を考えても、昨年と今年はかなり違う環境のなかでのチャンピオンシップを争っている状況だ」
「(最終戦に向けて)アドバンテージがあるとは思っていない。今年の前半、僕たちはかなり苦戦していたと思う。それを一歩一歩乗り越えてきたので、時間がかかった。でもクルマはかなりいいところに来ていると思うし、今のクルマには自信がある。こういう話をここでする必要はないかもしれないけれど、今年は資金が厳しいのでエンジニアの数も少ないし、いろいろと苦しいところを抱えながら本当にみんなで力を合わせてベストを尽くしている。そのなかでもクルマはすごくよく仕上がっているし、自信を持って最終戦を走ることができる」
「最終戦ではポールポジションを獲得して優勝したい。どうなるか楽しみだ」
アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)
ランキング3位/25ポイント
「(今シーズンを振り返って)最高だと思っている。ルーキーとしてスタートしたので、ここまで上がってくるとはそれほど期待していなかった。なぜならプレシーズンテストではまだまだ僕の結果も良くなくて、苦戦していたところもあったので、『まさかこんなところまで来れるとは』と思っている」
「3レースを終えた時点ではトップと21ポイントの差があったので、それと比べると、4ポイント差でチャンピオンシップを争う可能性があるというのは本当に信じられない」
「今シーズンを振り返っても、チームとともにかなり成長したと思っている。第6戦岡山の週末はあまり速くなかったし、第5戦もてぎでも残念がらあまり満足できないレースとなったけれど、今週末の鈴鹿に関してはかなり自信がある。はっきり言って僕たちのクルマはグリッド上で1番ではないかと思うほど仕上がっている。今週末は良いレースをしたいと思っているし、昨年もチャンピオンシップを戦っていたふたりと一緒に戦って、できる限り(タイトルを)勝ち獲りたい」
「(1年目でここまで戦うことができた理由について)昨年はここで山本さんが、今シーズンは(開幕戦で)ニックが優勝しているけれど、明日は僕の番かなと思っている。チームが本当に良い仕事をしてくれているし、僕も(チームメイトの)牧野(任祐)もクルマが非常に安定していて、走りも安定している。予選Q3に進むことができているということは、チームの力を示しているということだ」
「チーム自体はこの2、3年でどんどんステップアップしてきたと思うし良い位置につけている。僕のドライビングとスーパーフォーミュラはすごく合っているし、それもひとつの理由かなと思う。すべてのことをチームに任せて、ドライビングに集中して何も心配せずに走ることができるのはありがたいこと。彼らの仕事は彼らに任せて、僕は僕の仕事をして頑張りたい」
「(最終戦に向けて)もちろんこのレースで勝ちたいと思っている。開幕戦を思い出すと、ギリギリのところでチームメイトにポールポジションを取られたので、今回はそれを取り返すというところでもある。勝つために一生懸命走るし、今回はできる限り良いレースをしたい。良い戦略、良いレースで順調にいけばチャンピオンを獲得できると思う」
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