デイモン・ヒル、ペレスとフェルスタッペンのタイトル争い激化を予想「ペレスが戦わずして倒れることはない」

　1996年のF1王者であるデイモン・ヒルは、今季はセルジオ・ペレス（レッドブル）がチームメイトのマックス・フェルスタッペンとタイトル争いを展開すると予想。フェルスタッペン親子からのプレッシャーを受けながら、ペレスが戦いを挑むと語った。

　フェルスタッペンが予選でのマシントラブルで後方からのスタートになったこともあり、第2戦サウジアラビアGPでペレスが優勝。レッドブルが2戦連続のワンツーフィニッシュを飾った。結果として、ファステストラップのボーナスポイントを得たフェルスタッペンが、ペレスを1ポイントリードしている状態だ。

　フェルスタッペンと互角の速さを発揮できるチームメイトを探してきたレッドブルにとって、過去2年で実績を残してきたペレスは信頼できる戦力だが、それでもこれまではフェルスタッペンを定期的に脅かすまでには至らなかった。

　しかしヒルは今季、ペレスがもっと抵抗してくるだろうとmotorsport.comに語った。

「チェコ（ペレスの愛称）は自分がどんな状況に置かれているか知っているが、戦わずに倒れることはないだろう。とても興味深い」

　タイトル3連覇を目指すフェルスタッペンが、ペレスを圧倒し始めるのではないかという期待があることを認めた一方で、ヒルはフェルスタッペンとその周囲がコース外でもペレスにプレッシャーをかけるようになると予想している。

「問題はマックスが自然と力を持っていることだと思う。チェコによって自身のチャンピオンシップにおける目標が妨害されないようにするために、どれだけチームにプレッシャーをかけるかということだ」

「スポーツの観点からは、チェコにあらゆる機会を与えて、チーム内で公平に戦わせる必要があると思うんだ。彼の父親も含めて、レッドブルにかけられるプレッシャーは強烈なものになるだろうからね」

　ペレスがフェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルに入り、足場を固めることができたのは、レッドブル入り当時経験が浅かったピエール・ガスリーやアレクサンダー・アルボンが成し遂げられなかったことだとヒルは称賛する。

「若い人たちがレッドブルに行って、友達がいないことに気づき、威圧されて、ガスリーやアルボンのように別の場所に行かなければならないのを見たことがある」とヒルは付け加えた。

「マーク・ウェバーやダニエル・リカルドもそれを経験したことがある。レッドブルは厳しい環境なんだ。『あなたの面倒を見るから心配しないで』と言って腕を組んでくれるわけではない」

「チェコには彼側の人たちがいるから、それがどうなるか見てみよう」

「何が起きても、”フェルスタッペンズ”がそれを甘んじて受け入れることはないだろう。サウジアラビアの後に見ただろう。マックスは……すねていたというのもあまり強い表現ではないだろう。彼はとても不満そうだった。彼らは2位が嫌いなんだ」