2024年F1第12戦イギリスGP終了後の7月12~13日、イギリスのシルバーストン・サーキットでFIA F2とFIA F3の開発テストが実施され、FIA F3に参戦するソフィア・フローシュ、F1アカデミーに参戦するクロエ・チェンバースというふたりの女性ドライバーが参加した。
2日間のテストは、今後両カテゴリーが幅広いドライバーに対応できるよう、FIA国際自動車連盟が定めたステアリング操作に伴う労力レベルを下回ることを目指したものだ。シーズン中に使用されるすべてのサスペンションセットアップを徹底的にスクリーニングし、データを収集することに重点が置かれた。
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現役FIA F3ドライバーのフローシュがFIA F2で今季から導入された『F2 2024』のステアリングを握った。なお、F1アカデミーに参戦するチェンバースがステアリングを握った車両は、2025年に導入される新型車両『F3 2025』の挙動と要求をシミュレートするべく、『F3 2025』のパーツを組み込んだハイブリッド仕様の『F3 2019』となる。
また、さまざまなタイヤコンパウンドでセットアップが試され、ブレーキング、ステアリング操作、ステアリング位置、人間工学の面でクルマ全体のデータ収集が行われた。両選手権のプロモーターは今回得られたデータについて「2025年シーズンのFIA F2とFIA F3でセットアップの制限値を定義する際に役立てられるだろう」としている。
「このテストの目的は、クロエと私がそれぞれFIA F3とFIA F2のマシンをステアリング操作の面で試すことだった。FIAとフォーミュラワン・グループは、両選手権を幅広いドライバーにとって、より参加しやすいものにしたいと考えているからね」と、2日間で計96周を走行したフローシュはコメント。
「一番大きな違いは、ふたつのステアリングラックとキャスターの変更だと思う。キャスターを大きくすればするほど重くなる。ステアリングラックに関しては、正直に言うと硬い方の方が好みだった。なぜなら、よりダイレクト感があり高速コーナーでよりアグレッシブになれるから。これは、クルマのダウンフォースを得るために重要だと思う。一般的に、ドライバーとしては、ステアリング操作にあまり重点を置かないため、それほど多くの違いを感じることはない。だからこそ、2日間で多くのことを学べた」
「また、さまざまなタイヤコンパウンドを試し、ステアリングへの力も変化することも試した。周回を重ねるごとに楽になるロングランも行ったね。最終的に、マシンをうまくコントロールしながら、アグレッシブに攻めることができ、プッシュする自信も持てるようなバランスが取れた、自分好みのセットアップを見つけることができた」
「FIAとFIA F2、FIA F3のプロモーターは、今後数カ月、または数年にわたってステアリング操作に関して達成したい目標やシミュレーションを数多く持っている。彼らがそれに取り組み、実際のデータとシミュレーションを比較しているのは良いことだと思う。FIA F2マシンをドライブする機会を得たドライバーのひとりになれることができ、本当に幸運で幸せだった」
また、『F3 2025』のパーツを組み込んだハイブリッド仕様の『F3 2019』で計97周を走行したチェンバースは、「テストの目的は、マシンのフィーリングをつかみ、ハンドリングやステアリングの重さ、バランスなど、次世代に向けて改善できる点をフィードバックすることだった」とコメント。
「これは、F1を目指すすべての人にとって、このスポーツをより身近なものにするための重要なプロセスだ。もちろん、これは始まりに過ぎないが、このテストは前向きな一歩であり、大きな違いを生み出すことができると思う。私のフィードバックとデータが、クルマをできるだけ身近なものにするために役立つことを期待している」
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