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F1併催戦は若手が躍動。初優勝ブロディ・コステッキの連勝劇でランク首位浮上/RSC第2戦

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F1併催戦は若手が躍動。初優勝ブロディ・コステッキの連勝劇でランク首位浮上/RSC第2戦

 恒例のメルボルンを舞台とするF1オーストラリアGP併催イベントとして、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの第2戦『メルボルン400』が3月30~4月2日に開催され、連日実施の4ヒートで都合3名の勝者が誕生。オープニングこそ王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レースエンジニアリング)が制したものの、その後は若手が躍動する展開となり、オフテストから好調を維持するブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)が、シリーズ初勝利からの連勝劇を達成。最終ヒートではSVGの僚友として2年目を迎えるレッドブル・アンポル・レーシングの新鋭ブロック・フィーニー(トリプルエイト・レースエンジニアリング)が、今季初優勝を飾っている。

 新規定車両“Gen3”の導入初戦となった開幕『ニューカッスル500』では、スーパーカーの新時代を切り開くワン・ツーフィニッシュを決めたかと思われたトリプルエイト陣営だったが、ライバルから正式な抗議文が提出され「ドライバー冷却に関し『助手席の指定された取り付けポイントを利用して、規定されたシステムを搭載』するよう明文化されていた」規約に違反する行為があったと指摘。これに対しチームは正式な上訴の意向を表明し、この第2戦前週には公聴会が実施される運びとなっていた。

F1併催戦に先立ちバルテリ・ボッタスがアデレードへ。2016年式ホールデンでドーナツも披露/RSC

 結果、2023年開幕レース1の裁定は覆らず。優勝は3位フィニッシュだったフォード陣営、キャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)の手に渡ることが確定した。

 さらにホモロゲーション登録担当チームとして『シボレー・カマロZL1スーパーカー』を投入したばかりのチームに追い討ちを掛けるかのように、レースウイーク直前には「現行、第6世代カマロの生産終了」が正式にアナウンスされるなど、チャンピオン陣営にとっては意気消沈の話題が続いた。

「北米から今日にも届いたゼネラルモータース(GM)のニュースは、我々のレーシングプロダクトに影響を与えるものだ。しかし、変化がときには避けられないことを尊重しているし、それを認めなくてはならない」と、シリーズを代表する立場でコメントを発したスーパーカーCEOのシェーン・ハワード。

「今後もGMとの強力なパートナーシップを継続していくつもりだし、GMは(ホールデンのブランドを通じて)我々の遺産の不可欠な部分でもある。スーパーカーを今日の世界最高のツーリングカーカテゴリーにするうえで、重要な役割を果たしてきたからね」と続けたハワード。

「ファンにとってのカマロは、少なくとも2025年末までレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップにおいて、シボレー・レーシングを誇らしげに代表し続けるだろう」

■アルピーヌF1のオコンとガスリーがマスタングをドライブ
 こうして第2戦の会期が目前に迫ったレースウイーク水曜には、週末のアルバートパーク戦を控えアルピーヌF1のピエール・ガスリーとエステバン・オコン、そしてリザーブドライバーを務める地元出身のジャック・ドゥーハンが、恒例のスーパーカー・ライドを満喫。

 一足早くアデレードで旧規定ホールデンをドライブしたバルテリ・ボッタスに対し、両チームを支援する『カストロール』によるフィルミング会場となったカルダーパークには、最新のレースカーであるティックフォード・レーシング製の第7世代『フォード・マスタング・スーパーカー』が用意され、フランス出身デュオを含む3名のドライバーたちは、週末にトーマス・ランドルが実際にドライブする55号車のステアリングを握った。

「これは本当に狂ってる! 初めてこの“Beast(ビースト)”をドライブできたのは、本当に素晴らしい経験だった」と、すぐに笑顔を見せたガスリー。

「実はオーバルを走るのも初めてだったし、その経験も信じられないほどだった。短すぎてストップするため戻ってきたとき『もう10周はしたい』と思ったよ(笑)。とても印象的なクルマだし、これまでドライブしてきたものとは大きく異なっていたから、本当に楽しかった!」

 当日のメルボルンは雨模様だったこともあり、このクルマでレースを戦うランドルを前に、オコンは「責任感を感じていた」との重圧も明かした。

「間違いなく最高の気分だった。クルマは明日にもレースをするし、そんな状況を経験をするのはクールだ。だから僕たちは大きな責任を負っていたんだ」と続けたオコン。

「ここはオーバルで、今日は少し路面も濡れていたからウエットタイヤを履いていたが、加速は非常に速く、間違いなく本物のスーパーカーだった。僕は以前にクローズド・コクピットの車両でレースした経験があるけれど、僕が試したなかでもトップ級の性能だ。シミュレーターではバサーストをよくドライブするが、いつの日か現実に体験したいね!」

 こうして始まったF1併催戦の週末は、木曜から日曜まで4日間のタイムスケジュールで、各日にスプリント戦を実施する変則スケジュールに。そのアルバートパークでは、走り出しとなったFP1からクラッシュが相次ぎ、ターン5でコースオフしたティム・スレイド(プレミエアー・レーシング/シボレー・カマロZL1)が車両を大破させたのに続き、王者SVGまでもがダメージを負い赤旗の起因となってしまう。

 この修復でFP2を回避し、予選でもアントン・デ・パスカーレ(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)にポールポジションを譲ったチャンピオンだったが、まさかのアクシデントから立ち直り、3番手発進としたレース1では見事な復活劇を披露。スタートで2番手コステッキを仕留めると、ターン3の攻防でシェルVパワー・レーシングのマスタングも撃墜し、早くもシーズン2勝目を手にした。

■日曜レース2ではフィーニーが盤石のレース運びで優勝
 勢いそのまま金曜レース2向けの予選で定位置を得たSVGだったが、今度は開幕戦で“Gen3初代ポールウイナー”も記録したコステッキが逆襲。直前に開催されたFIA F3の予選が複数の赤旗により遅延したことや、小雨によりウエット宣言となったことも重なり、勝負は15周予定から短縮されることに。

 ここでスタートシグナルの不具合などもあり、ターン1では多重クラッシュが発生し、2010年王者ジェームス・コートニー(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)と絡んだデビッド・レイノルズ(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)がストップ。早くもセーフティカー(SC)が出動する。

 レースを通じてSVGとの勝負を展開したコステッキは、義務ピット消化のタイミングで首位奪取に成功。その直後、ジャック・ルブローク(マット・ストーン・レーシング/シボレー・カマロZL1)のアクシデントで2度目のSC導入となり、コステッキはアンダーイエローのままトップチェッカー。2位でラインを通過したコートニーだったが、ターン1の接触によりペナルティが課されて22位に降格。この結果SVGが2位、フィーニーが3位のリザルトとなった。

 こうしてシリーズ初勝利を飾ったコカ・コーラ・バイ・エレバスのコステッキだが、記念すべきトップチェッカーがイエローによる短縮決戦だったことから、完全勝利に向け意欲を燃やして土曜に臨むと、予選では開幕に続く最上位グリッドからポール・トゥ・ウインを奪ってみせる。

 実際にはピットでのアンセーフリリースにより、一時はレーススチュワードから「審議対象」とされていたが、これもお咎めなし。不完全燃焼の初優勝から、雪辱を果たす連勝劇を決めた。

 そして最終日曜のレース4に向けては、コステッキの覚醒に待ったを掛けるかのように、シリーズ史上最年少ポールシッターとなったフィーニーが、SC先導スタートから盤石のレース運びを展開。義務ピットをミニマムで消化した20歳は、2番手のアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/シボレー・カマロZL1)を2秒後方に従えてフィニッシュし、今季初勝利をマーク。

 一方、このヒートで3位表彰台を得たコステッキは、ランキング首位にいたチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)を逆転し、ポイントリーダーに躍り出ている。

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