2020スーパーGT開幕戦を8位で終えた#8 ARTA NSX-GTの野尻智紀は、夏の暑いコンディションでのパフォーマンス改善が必要だと語った。
開幕前のテストでは好調な走りを見せていたホンダNSX-GT勢は、開幕戦の予選Q1で、今季から野尻のパートナーを務める福住仁嶺がコースレコードを塗り替える1分26秒433をマークするなど、その速さを維持していた。続くQ2では#37 KeePer TOM’S GR Supraの平川亮に逆転を許したものの、8号車は2番グリッドを獲得。開幕戦勝利に向けて順調な滑り出しを見せたかに思えた。
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しかし、いざ決勝が始まってみると流れは一変した。レース後半になるにつれて、特にGRスープラの強さが際立つようになった。これに対し8号車も必死に応戦したが、最終的に8位でレースを終え、ライバルのGRスープラにトップ5独占を許す結果となってしまったのだ。
「想像以上に厳しかったなと思います。特に決勝での彼らのポテンシャルの高さには、かなり衝撃を受けました。正直、決勝では僕たちが(スープラに対して)優っている部分を見つけるのが難しいなと思うくらいでした」
レース後、motorsport.comの取材にそう答えた野尻は、真夏のコンディションになると、NSX-GTにはライバルに対して劣る部分があることも明かした。
「最近は比較的寒い気候の中でテストをやっていたと思います。先月の富士テストも雨上がりの(気温が高くない)コンディションでしたし、3月の岡山テストもすごく寒かったです。そういった状況だとダウンフォース量が上がったり、気温が低い分タイヤも(熱ダレなど)そんなに辛い状況にならないので、すごくグリップもしていました。その状況ではNSX-GTがうまく機能していたのかなと思います」
「今振り返るとセパンテストでは、(ライバルと比べて)劣勢だったかなと思うことがありました。こうして少し気温が上がってきた時の対応が必要なのかなと思います。実際に6月のテストでもロングランの確認はやりましたけど、気温が上がった今回の決勝では、かなりクルマの動きが変わりましたね」
決勝では後半スティントを担当した野尻は、何台かのGRスープラとバトルをする場面があったが、そこで彼らの安定感の高さを再確認したとともに、自分たちの車両が決勝になると少しピーキーな動きになってしまうところがあったと語った。
「昨年のLC500も、レースでは安定して走れている印象でした。今回のスープラも同じで4つのタイヤをうまく機能させながら走っているなと感じました。クルマの姿勢の乱れも少なくなっていました」
「それに対してNSX-GTは、少しピーキーさを感じるところがありました。乗っていてもそうでしたし、実際に映像を見直してもそうでした。その辺はもう少し“マイルドさ”みたいなものを高めていかないと、こういう夏場のレースで苦労してしまうなという印象でした」
「ただレースで感じたピーキーさが、予選では良い方向に機能しているのかもしれません。回頭性が出ていてコーナリング面でスープラよりも速く走れているという感触はありますが、逆にそれがレースではうまく機能しないような要因にもなっているのかなと思います」
「あとはストレートでの(スピード)差も感じました。ストレートでのスピード向上も含めて、コーナリングも同時に改善していかないといけないかなと思います」
今年は変則的なスケジュールということで、すぐに第2戦の開催が迫っている。野尻もチームと協力して少しでもパフォーマンスを改善するべくデータの解析などに務めると語り、開幕戦で完敗した分は必ず取り返すと意気込んだ。
「開幕戦でデータが集まったことで、第2戦はみんな改善してくると思います。成績が良かったスープラがウエイトを積んできても、おそらくセッティングの面で向上して、開幕戦より前進する可能性は大いにあるでしょう。それ以上に僕たちは前進しなければいけません。このインターバルの間で少しでも何かプラスになることを、チームとドライバーで進めていかないといけないです」
「さすがに、あんなやられ方をして……黙っているわけにはいきません。(スープラ勢を逆転できるように)頑張ります」
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